Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


42.2.1 指定形式およびオプションの説明

〈この項の構成〉

(1) 指定形式

adbsql
  〔-u 認可識別子 〔-p パスワード〕〕
  〔-s 〔-b〕〕
  〔-V〕
  〔-d〕
  〔-z クライアント定義ファイル名

(2) オプションの説明

-u 認可識別子

〜〈文字列〉((1〜100バイト))

HADBサーバに接続する認可識別子を指定します。CONNECT権限を持つHADBユーザの認可識別子を指定してください。

このオプションに指定する認可識別子は,1~100バイトの範囲で指定してください。ただし,認可識別子を囲む二重引用符は,1~100バイトには含みません。

重要

認可識別子の文字列中に英小文字または\がある場合は,認可識別子の指定規則を必ず確認してください。認可識別子の指定規則については,「1.4.2 認可識別子およびパスワードの指定規則」を参照してください。

-p パスワード

〜〈文字列〉((1〜255バイト))

-uオプションに指定した認可識別子のパスワードを指定します。

重要

パスワードの文字列中に,二重引用符(")やストローク(|)など,OSやシェルが別の意味で使用している文字がある場合は,パスワードの指定規則を必ず確認してください。パスワードの指定規則については,「1.4.2 認可識別子およびパスワードの指定規則」を参照してください。

-s

SELECT文およびadbsqlサブコマンド#GETDATAの検索結果を標準出力にCSV形式で出力したい場合に指定します。リダイレクションでファイルに出力すると,adbimportコマンドで使用する入力データファイルが作成できます。

出力される項目を次に示します。

  • SELECT文およびadbsqlサブコマンド#GETDATAの検索結果

  • SELECT文およびadbsqlサブコマンド#GETDATAのエラーメッセージ

規則および注意事項を次に示します。

  • -sオプションを指定した場合は,-uオプションおよび-pオプションを必ず指定してください。

  • -sオプションと-Vオプションは同時に指定できません。

  • -sオプションを指定してadbsqlコマンドを開始した場合,adbsqlサブコマンドの#SET DISPLAYは実行できません。

  • 囲み文字には二重引用符(")が出力され,区切り文字にはコンマ( , )が出力されます。

  • 検索項目列のデータ型が配列型以外の場合,検索項目列の列値全体が二重引用符(")で囲まれて出力されます。

    検索項目列の列値に二重引用符(")が含まれている場合,二重引用符(")が2個連続で出力されます。

    出力例

    "ABC"     ←列値がABCの場合
    "XY""Z"   ←列値がXY"Zの場合
  • 検索項目列のデータ型が配列型の場合,検索項目列の列値全体が波括弧({})で囲まれ,さらに二重引用符(")で囲まれて出力されます。各配列要素は,二重引用符(")2個で囲まれ,コンマ(,)で区切られます。

    配列要素の値に二重引用符(")が含まれている場合,二重引用符(")が4個連続で出力されます。

    出力例

    "{""AAA"",""BBB"",""CCC""}"        ←配列要素の値がAAA,BBB,CCCの場合
    "{""XXX"",""YY""""Y"",""ZZZ""}"    ←配列要素の値がXXX,YY"Y,ZZZの場合
  • 長さ0の文字列の場合,囲み文字だけが出力されます。

  • ナル値の場合,囲み文字は出力されません。

  • 配列型の列のナル値については,次のように出力されます。

    • 列値がナル値の場合,データは出力されません。

    • 配列要素がナル値の場合,NULLが出力されます。

  • SELECT文以外のSQL文は指定できません。

-b

-sオプションを指定する場合に,バイナリデータを2進形式で出力したいときに指定します。

-V

このオプションを指定すると,SQL文の実行結果のほかに,実行したSQL文の内容も出力されます。また,adbsqlサブコマンドを実行した場合,adbsqlサブコマンドの実行結果のほかに,実行したadbsqlサブコマンドの内容も出力されます。

このオプションを指定した場合と指定しない場合の違いを次に示します。

ファイル(infile)に記述したSQL文をリダイレクションでファイルから入力して実行する場合

(例1)

adbsql < infile

この場合,標準出力には,SQL文の実行結果だけが出力されます。

(例2)

adbsql -V < infile

この場合,標準出力には,SQL文の実行結果のほかに,実行したSQL文の内容が出力されます。

SQL文の実行結果をリダイレクションでファイル(outfile)に出力する場合

(例3)

adbsql > outfile

この場合,ファイルには,SQL文の実行結果だけが出力されます。

(例4)

adbsql -V > outfile

この場合,ファイルには,SQL文の実行結果のほかに,実行したSQL文の内容が出力されます。

-d

10進数のデータの位取りが0の場合に,小数点を省略して実行結果を出力したいときに指定します。

(例)実行結果が10.の場合の出力例
  • -dオプションを指定していない場合:10.

  • -dオプションを指定している場合:10

-z クライアント定義ファイル名

〜〈OSパス名〉((2〜510バイト))

adbsqlコマンドで使用するクライアント定義ファイルの絶対パス名を指定します。空白を含むパス名を指定する場合は,アポストロフィ(')で囲んで指定してください。

このオプションは,既定以外のクライアント定義ファイルを使用してadbsqlコマンドを実行したい場合に指定します。このオプションを省略した場合,既定のクライアント定義ファイル($ADBCLTDIR/conf/client.def)を使用してadbsqlコマンドが実行されます。