Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


40.4 注意事項

  1. HADBサーバのインストールが完了したあとに,adboptinstallコマンドでHADBオプションをインストールしてください。

  2. HADBサーバとHADBオプションのバージョンが対応している必要があります。HADBサーバとHADBオプションのバージョンの不一致によってadboptinstallコマンドがエラーとなった場合は,次のどちらかの対処をしてください。

    • HADBサーバのバージョンに対応しているHADBオプションをインストールしてください。

    • HADBオプションのバージョンに対応しているHADBサーバをインストールし直して,そのあとにHADBオプションをインストールしてください。

  3. adboptinstallコマンドは,HADBサーバを終了させてから実行してください。

  4. adboptinstallコマンドを実行する前に,次の作業を実施してください。

    /usr/local/lib64ディレクトリが存在しない場合

    • rootで/usr/local/lib64ディレクトリを作成してください。

    • HADB管理者がroot以外のOSユーザの場合は,HADB管理者に/usr/local/lib64ディレクトリへの読み取り権限および実行権限を付与してください。権限の付与は,rootで次のコマンドを実行してください。

      • HADB管理者が,rootグループに所属していないその他のOSユーザのとき

        chmod o+rx /usr/local/lib64
      • HADB管理者が,rootグループに所属しているOSユーザのとき

        chmod g+rx /usr/local/lib64

    /usr/local/lib64ディレクトリが存在する場合

    • 次のファイルが存在するときは,ファイルのバックアップを取得してください。

      <AWS環境の場合>

      libaws-cpp-sdk-s3-crt.so
      libaws-cpp-sdk-core.so

      <Azure環境の場合>

      libazure-storage-blobs.so
      libazure-storage-common.so
      libazure-identity.so
      libazure-core.so
    • rootに/usr/local/lib64ディレクトリへの書き込み権限,読み取り権限および実行権限を付与してください。

    • HADB管理者がroot以外のOSユーザの場合は,HADB管理者に/usr/local/lib64ディレクトリへの読み取り権限および実行権限を付与してください。権限の付与は,rootで次のコマンドを実行してください。

      • HADB管理者が,rootグループに所属していないその他のOSユーザのとき

        chmod o+rx /usr/local/lib64
      • HADB管理者が,rootグループに所属しているOSユーザのとき

        chmod g+rx /usr/local/lib64
  5. インストールCD-ROMに格納されている次のファイル(インストールデータ)は,同じディレクトリに格納してください。同じディレクトリに格納しないと,HADBオプションをインストールできません。

    • HADBオプション用のtar.gz形式のファイル

    • adboptinstallコマンドの実行形式ファイル

  6. インストールデータを格納するディレクトリには,HADB管理者がアクセスできるように,書き込み権限,読み取り権限および実行権限を付与してください。

    また,adboptinstallコマンドは次のディレクトリにアクセスします。

    • サーバディレクトリ

    • サーバディレクトリ下のlibディレクトリ

    上記のディレクトリにアクセスできない場合,KFAA91581-EメッセージまたはKFAA91583-Eメッセージが出力され,adboptinstallコマンドがエラーとなります。その場合,上記のディレクトリに対して書き込み権限,読み取り権限および実行権限を付与したあとで,adboptinstallコマンドを再実行してください。

  7. HADB管理者として設定したOSユーザではなく,rootでadboptinstallコマンドを実行した場合は,警告メッセージ(KFAA91558-Wメッセージ)が出力されます。通常は,HADB管理者として設定したOSユーザで,adboptinstallコマンドを実行します。そのため,KFAA91558-Wメッセージが出力された場合は,rootでadboptinstallコマンドを実行して問題がないかどうかを確認してください。

    問題がある場合は,KFAA91558-Wメッセージが出力されたあとに出力されるKFAA91559-Qメッセージの入力要求に対してy(またはY)以外で応答して処理を中止してください。そのあとで,HADB管理者として設定したOSユーザでadboptinstallコマンドを実行してください。

    なお,root以外のスーパユーザでadboptinstallコマンドを実行した場合は,KFAA91558-Wメッセージは出力されません。

    メモ

    rootは,OSのid -uコマンドを実行して表示される値が0のユーザを指します。また,OSのsuコマンドを使用して,ほかのOSユーザからrootに切り替えたあとで,OSのid -uコマンドを実行して表示される値が0のときも含みます。

  8. adboptinstallコマンドを実行してクラウドストレージ機能をインストールすると,AWS SDK for C++ライブラリも同時にインストール(/usr/local/lib64ディレクトリへの書き込み)されるため,adboptinstallコマンド内部でOSのsuコマンドが実行されます。このときrootのパスワードの入力が要求されるため,adboptinstallコマンドを実行する前にrootのパスワードを設定しておいてください。

    注※

    Azure環境の場合は,Azure SDK for C++ライブラリになります。

  9. adboptinstallコマンド内部でOSのsuコマンドが実行されると,rootのパスワードの入力を要求するOSメッセージが出力されます。OSメッセージの指示に従いパスワードを入力してください。なお,OSのsuコマンドに失敗した場合,adboptinstallコマンドのリターンコードは8となります。

  10. adboptinstallコマンドを実行してクラウドストレージ機能をインストールすると,AWS SDK for C++ライブラリをインストール(または上書きインストール)するかどうかを確認する,KFAA91585-Qメッセージが出力されることがあります。メッセージが出力された場合は,メッセージの指示に従って応答してください。このとき,y(またはY)以外で応答すると,AWS SDK for C++ライブラリインストール(または上書きインストール)しないで処理が続行されます。

    注※

    Azure環境の場合は,Azure SDK for C++ライブラリになります。

  11. rootのパスワードが設定できない環境の場合,suコマンドが実行された際にrootのパスワードが入力できないため,adboptinstallコマンドによるAWS SDK for C++ライブラリのインストールができません。そのため,AWS SDK for C++ライブラリをインストール(または上書きインストール)するかどうかを確認するKFAA91585-Qメッセージが出力された際は,n(またはN)で応答して,AWS SDK for C++ライブラリをインストールしないで処理を続行させてください。そのあと,手動でAWS SDK for C++ライブラリをインストールしてください。

    手動でAWS SDK for C++ライブラリまたはAzure SDK for C++ライブラリをインストールする手順については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドHADBオプションのインストール手順AWS SDK for C++ライブラリのインストール手順またはAzure SDK for C++ライブラリのインストール手順を参照してください。

    注※

    Azure環境の場合は,Azure SDK for C++ライブラリになります。

  12. adboptinstallコマンド実行時に環境変数ADBDIRに指定されたパスのサーバディレクトリが存在しない場合,KFAA91581-Eメッセージが出力され,adboptinstallコマンドがエラーとなります。

  13. adboptinstallコマンドの延長でOSのコマンドが実行されます。このOSのコマンドの実行に失敗した場合,標準エラー出力にエラーメッセージが出力されます。この場合,出力されたエラーメッセージを参照してエラー要因を取り除いて,そのあとにadboptinstallコマンドを再実行してください。

  14. adboptinstallコマンドの実行後,HADBオプションが正常にインストールされていることを,次の手順で確認してください。

    1. 次のファイルが格納されていることを確認してください。

      <AWS環境の場合>

      $ADBDIR/lib/libadbcldstge-aws.so
      /usr/local/lib64/libaws-cpp-sdk-s3-crt.so
      /usr/local/lib64/libaws-cpp-sdk-core.so

      <Azure環境の場合>

      $ADBDIR/lib/libadbcldstge-azure.so
      /usr/local/lib64/libazure-storage-blobs.so
      /usr/local/lib64/libazure-storage-common.so
      /usr/local/lib64/libazure-identity.so
      /usr/local/lib64/libazure-core.so
    2. サーバディレクトリ下に,次のファイルがあることを確認してください。

      <AWS環境の場合>

      adboptinst_s3option.log

      <Azure環境の場合>

      adboptinst_azoption.log
    3. adboptinst_s3option.logファイルまたはadboptinst_azoption.logファイルを開いて内容を確認してください。正常にインストールされている場合は,次のどちらかの情報が出力されています。

      P-aaaa-bbbb Hitachi Advanced Data Binder vv-rr (yyyymmddhhmmss)
      P-aaaa-bbbb Hitachi Advanced Data Binder vv-rr-/s (yyyymmddhhmmss)

      P-aaaa-bbbbは,HADBサーバのPP形名情報を示しています。

      vv-rrおよびvv-rr-/sは,HADBサーバのバージョンを示しています。

      yyyymmddhhmmssは,インストールした日付および時刻を示しています。

      メモ
      • adboptinst_s3option.logファイルがすでにある状態でadboptinstallコマンドを実行すると,adboptinst_s3option.logファイルの内容が更新されます。また,adboptinstallコマンドを複数回実行した場合,adboptinst_s3option.logファイルの内容は,最後に実行した日付および時刻に更新されます。

      • adboptinstallコマンドのリターンコード(KFAA91552-Iメッセージに出力されるリターンコード)が0または4以外の場合,adboptinst_s3option.logファイルの内容は更新されません。

      注※

      Azure環境の場合は,adboptinst_azoption.logファイルになります。

  15. adboptinstallコマンドでHADBオプションをアンインストールした場合,アンインストール後に次の作業を実施してください。

    1. HADB管理者であるOSユーザで,次に示すファイルを手動で削除してください。

      <AWS環境の場合>

      $ADBDIR/adboptinst_s3option.log

      <Azure環境の場合>

      $ADBDIR/adboptinst_azoption.log
    2. <AWS環境の場合>

      次に示すAWS SDK for C++ライブラリを手動で削除してください。なお,HADB以外でAWS SDK for C++ライブラリを使用している場合は,削除は不要です。

      /usr/local/lib64/libaws-cpp-sdk-s3-crt.so
      /usr/local/lib64/libaws-cpp-sdk-core.so

      <Azure環境の場合>

      次に示すAzure SDK for C++ライブラリを手動で削除してください。なお,HADB以外でAzure SDK for C++ライブラリを使用している場合は,削除は不要です。

      /usr/local/lib64/libazure-storage-blobs.so
      /usr/local/lib64/libazure-storage-common.so
      /usr/local/lib64/libazure-identity.so
      /usr/local/lib64/libazure-core.so