Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


20.6 注意事項

  1. ダイレクトI/Oをサポートしていないファイルシステム上にデータ用DBエリアファイルを作成できません。

  2. adbinitコマンドを実行してデータベースの初期設定が完了したあとに,DBエリアを新規に追加したり,既存のDBエリアにDBエリアファイルを追加したりする場合は,次に示すどちらかの方法でDBエリアの構成を変更してください。

    • adbmodareaコマンドを実行してDBエリアやDBエリアファイルを追加する

    • adbinitコマンドを再実行してデータベースの初期設定をし直す

  3. ブロックスペシャルファイルを使用する場合は,LVMで作成したブロックスペシャルファイルか,または/dev/disk/で始まる固定されたデバイス名を,HADBのパス名規則に従って指定してください。

    マルチノード機能を使用する場合は,ノード間で共有するDBエリアファイルに/dev/disk/by-id/wwn-で始まるデバイス名を指定する必要があります。詳細については,「20.3.4 DBディレクトリを作成する場合(マルチノード機能の使用時)」を参照してください。

  4. ディスクを増設した場合で,増設したディスクをOSが認識していないときは,OSをいったん再起動して,ディスクを認識させてください。ディスクをOSに認識させることで,ブロックスペシャルファイルを使用できるようにします。

  5. マルチノード機能を使用する場合は,adbinitコマンドを実行する前に,OSのコマンドで,システムディレクトリ用のファイルシステムを初期化してください。詳細については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドマルチノード機能の運用マルチノード機能を使用したシステムの構築データベースの作成を参照してください。

  6. AWS環境でクラウドストレージ機能を使用する場合,次の3つのオペランドを指定する必要があります。

    • adb_init_cld_aws_regionオペランド

    • adb_init_cld_aws_bucketオペランド

    • adb_init_cld_cache_pathオペランド

  7. Azure環境でクラウドストレージ機能を使用する場合,次の3つのオペランドを指定する必要があります。

    • adb_sys_cld_az_storage_accountオペランド

    • adb_sys_cld_az_containerオペランド

    • adb_init_cld_cache_pathオペランド

  8. クラウドストレージ機能を使用する場合,作業表用DBエリア以外のDBエリアにはブロックスペシャルファイルを割り当てられません。そのため,次のオペランドまたはオプションを指定すると,KFAA50165-Eメッセージが出力され,adbinitコマンドがエラーとなります。

    • adb_init_mst_blk_pathオペランド

    • adb_init_dic_blk_pathオペランド

    • adb_init_stbl_blk_pathオペランド

    • adbinitdbareaオペランドの-vオプション

  9. クラウドストレージ機能を使用する場合,データ用DBエリアの数が増加すると,HADBサーバの開始,adbdbstatusコマンドの実行,チャンクの更新や削除などの各種処理時間が長くなることがあります。そのため,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドデータ用DBエリアの設計を参照して,データ用DBエリアは必要な数だけ作成するようにしてください。

  10. adbinitコマンドの実行時,次の表に示すディレクトリおよびファイルにアクセスします。adbinitコマンドを実行する前に,各ディレクトリおよびファイルに次の表に示すパーミッションを設定してください。

    表20‒7 ディレクトリおよびファイルに設定するパーミッション

    ディレクトリおよびファイル

    アクセスするOSユーザ※1

    必要な権限

    初期設定オプションファイル

    コマンドの実行ユーザ

    読み取り権限

    初期設定オプションのadb_core_pathオペランドに指定する障害情報(コアファイル)の出力先ディレクトリ

    コマンドの実行ユーザ

    • 読み取り権限

    • 書き込み権限

    • 実行権限

    初期設定オプションのadb_init_cld_cache_pathオペランドに指定するキャッシュファイルの格納先ディレクトリ(クラウドストレージ機能を使用する場合)

    コマンドの実行ユーザ

    • 読み取り権限

    • 書き込み権限

    • 実行権限

    初期設定オプションのadb_init_dmkey_pathオペランドに指定するHADB暗号鍵の出力先ファイル※2を格納するディレクトリ(DBエリア暗号化機能を使用する場合)

    コマンドの実行ユーザ

    • 書き込み権限

    • 実行権限

    初期設定オプションの次のオペランドおよびオプションに指定する各DBエリアファイルとして割り当てるブロックスペシャルファイル

    • adb_init_wrk_blk_pathオペランド

    • adb_init_mst_blk_pathオペランド(クラウドストレージ機能を使用しない場合)

    • adb_init_dic_blk_pathオペランド(クラウドストレージ機能を使用しない場合)

    • adb_init_stbl_blk_pathオペランド(クラウドストレージ機能を使用しない場合)

    • adbinitdbareaオペランドの-vオプション(クラウドストレージ機能を使用しない場合)

    コマンドの実行ユーザ

    • 読み取り権限

    • 書き込み権限

    注※1

    「コマンドの実行ユーザ」については,「表1‒1 コマンドの一覧(コマンドの実行条件)」の「コマンドを実行できるOSユーザ」列を参照してください。

    注※2

    adbinitコマンドの実行時,権限に400を設定したHADB暗号鍵ファイルが作成されます。