Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


18.2.1 指定形式およびオプションの説明

〈この項の構成〉

(1) 指定形式

adbinfoget {-g | -m | -o トラブルシュート情報ファイルの出力先ディレクトリ}
           〔-f コアファイル名〕 〔-l〕 〔-r〕

(2) adbinfogetコマンド実行の目的とオプションの組み合わせ

adbinfogetコマンドを実行する目的別に,指定するオプションを次の表に示します。

各オプションの詳細については,「(3) オプションの説明」を参照してください。

表18‒1 adbinfogetコマンドに指定するオプション

項番

adbinfogetコマンド実行の目的

指定するオプション

1

HADBサーバの稼働中にトラブルシュート情報を出力する

detail版トラブルシュート情報ファイル用に情報を出力する(コアファイルおよびHADBダンプを出力する)

-g

2

mail版,light版およびroot版のトラブルシュート情報ファイル用に情報を出力する(HADBダンプだけ出力する)

-gおよび-l

3

トラブルシュート情報ファイルの出力容量を算出する

light版,detail版およびroot版のトラブルシュート情報ファイルの出力容量を算出する※1

-mおよび-r

4

light版,detail版およびroot版のトラブルシュート情報ファイルの出力容量を算出する(トラブルシュート情報ファイルの取得時に-fオプションを指定する場合)

-m-fおよび-r

5

トラブルシュート情報ファイルを取得する

mail版,light版,detail版およびroot版のトラブルシュート情報ファイルを取得する(取得するコアファイルを指定しない場合※2

-oおよび-r

6

mail版,light版,detail版およびroot版のトラブルシュート情報ファイルを取得する(-fオプションに指定したコアファイルを取得する場合)

-o-fおよび-r

7

mail版,light版およびroot版のトラブルシュート情報ファイルを取得する

-o-lおよび-r

注※1

$DBDIR/SPOOLディレクトリ下,または/var/lib/systemd/coredumpディレクトリ下(コアファイルの出力がsystemd-coredumpによって制御されている場合だけ)にあるコアファイルのうち,最新のコアファイルの容量を含めた値が算出されます。

ただし,サーバ定義のadb_core_pathオペランドを指定しているときは,このオペランドに指定したディレクトリ下,または/var/lib/systemd/coredumpディレクトリ下(コアファイルの出力がsystemd-coredumpによって制御されている場合だけ)にあるコアファイルのうち,最新のコアファイルの容量を含めた値が算出されます。

なお,/var/lib/systemd/coredumpディレクトリ下にある最新のコアファイルが圧縮されている場合は,展開したコアファイルの容量を含めた値が算出されます。

注※2

$DBDIR/SPOOLディレクトリ下,または/var/lib/systemd/coredumpディレクトリ下(コアファイルの出力がsystemd-coredumpによって制御されている場合だけ)にあるコアファイルのうち,最新のコアファイルが取得されます。

ただし,サーバ定義のadb_core_pathオペランドを指定しているときは,このオペランドに指定したディレクトリ下,または/var/lib/systemd/coredumpディレクトリ下(コアファイルの出力がsystemd-coredumpによって制御されている場合だけ)にあるコアファイルのうち,最新のコアファイルが取得されます。

なお,/var/lib/systemd/coredumpディレクトリ下にある最新のコアファイルが圧縮されている場合は,展開したコアファイルが取得されます。

(3) オプションの説明

-g

HADBサーバの稼働中に,次の表に示すトラブルシュート情報を出力する場合にこのオプションを指定します。このオプションと同時に-lオプションを指定するかどうかによって,出力される情報が決まります。

表18‒2 出力されるトラブルシュート情報

項番

出力されるトラブルシュート情報

-lオプションを指定しない場合

-lオプションを指定する場合

出力先ディレクトリ

1

コアファイル

×

$DBDIR/SPOOLディレクトリ,またはサーバ定義のadb_core_pathオペランドで指定したディレクトリ

2

HADBダンプ

$ADBDIR/spoolディレクトリ

(凡例)

○:情報が出力されます。

×:情報が出力されません。

情報を出力する間,HADBサーバの動作が一時停止します。

メモ

このオプションを指定できるのは,HADBサーバが稼働しているときだけです。

-m

トラブルシュート情報ファイルの出力容量を算出する場合にこのオプションを指定します。このオプションを指定した場合,トラブルシュート情報ファイルは取得されません。

このオプションを指定した場合は,light版およびdetail版のトラブルシュート情報ファイルの出力容量が算出されます。

なお,mail版トラブルシュート情報ファイルは,light版トラブルシュート情報ファイルの一部を抜き出して生成します。このため,mail版トラブルシュート情報ファイルの容量見積もりは,light版トラブルシュート情報ファイルの容量見積もりに含まれます。したがって,このオプションを指定しても,mail版トラブルシュート情報ファイル単独の出力容量は算出されません。

-o トラブルシュート情報ファイルの出力先ディレクトリ

〜〈パス名〉((2〜118バイト))

トラブルシュート情報ファイルを出力するディレクトリを絶対パスで指定します。

なお,ここで指定するディレクトリに対して,HADB管理者の書き込み権限および実行権限を設定しておいてください。

-f コアファイル名

〜〈パス名〉((2〜510バイト))

通常はこのオプションを省略してください。

次の1.~3.のどれかに該当する場合には,このオプションを指定してください。このオプションには,adbinfogetコマンドで取得対象とするコアファイルを絶対パスで指定します。

  1. HADBサーバ以外のプロセス(コマンドなど)が出力した障害情報(コアファイル)をトラブルシュート情報として取得したい場合

  2. HADBサーバが異常終了したときに出力される障害情報(コアファイル)のうち,最新ではなく,過去の任意の障害情報(コアファイル)をトラブルシュート情報として取得したい場合

  3. 次の条件をすべて満たす場合

    • カーネルパラメタkernel.core_patternを独自に設定している

    • systemd-coredumpを使用していない

    • $DBDIR/SPOOLディレクトリ下,またはサーバ定義のadb_core_pathオペランドで指定したディレクトリ下に障害情報(コアファイル)が出力されない

このオプションには,加工されていないELF形式のコアファイルだけ指定できます。アーカイブされたコアファイル(圧縮されたものも含む)などは指定できません。ELF形式以外のコアファイルが指定された場合は,コアファイルは取得されません。

なお,このオプションを省略した場合,次のディレクトリ下にある,HADBサーバが出力したコアファイルの中で最新のコアファイルが取得されます。

  • $DBDIR/SPOOLディレクトリ

  • サーバ定義のadb_core_pathオペランドで指定したディレクトリ

  • /var/lib/systemd/coredumpディレクトリ

-l

次に示す場合に,このオプションを指定します。

  • トラブルシュート情報の出力時(-gオプションと同時に指定する場合)

    コアファイルの出力が不要な場合は,このオプションを指定してください。このオプションと-gオプションを同時に指定すると,コアファイルは出力されません(HADBダンプだけが出力されます)。

    コアファイルのサイズは非常に大きいため,mail版,light版およびroot版のトラブルシュート情報ファイルではコアファイルを取得しません。そのため,detail版トラブルシュート情報を取得しないことがあらかじめわかっている場合は,このオプションと-gオプションを同時に指定してください。-gオプションを指定すると出力されるトラブルシュート情報の詳細については,「表18‒2 出力されるトラブルシュート情報」を参照してください。

    -gオプションを指定し,このオプションを省略した場合は,コアファイルおよびHADBダンプが出力されます。

  • トラブルシュート情報ファイルの取得時(-gオプションと同時に指定しない場合)

    detail版トラブルシュート情報ファイルが大き過ぎて取得できない場合は,このオプションを指定してください。このオプションを指定した場合,mail版およびlight版のトラブルシュート情報ファイルを取得します。

    このオプションを省略した場合,mail版,light版およびdetail版のトラブルシュート情報ファイルを取得します。

    コアファイルのサイズは非常に大きいため,mail版,light版およびroot版のトラブルシュート情報ファイルではコアファイルを取得しません。そのため,-lオプションを指定したときに-fオプションを指定しても,-fオプションに指定したコアファイルは取得されません。

-r

次に示すどれかの場合に指定します。

  • light版およびdetail版のトラブルシュート情報の出力容量に加えて,root版トラブルシュート情報ファイルの出力容量を算出する場合

  • mail版,light版およびdetail版のトラブルシュート情報に加えて,root版トラブルシュート情報ファイルを取得する場合

  • mail版およびlight版のトラブルシュート情報に加えて,root版トラブルシュート情報ファイルを取得する場合

このオプションを指定してadbinfogetコマンドを実行すると,adbinfogetコマンド内部でOSのsuコマンドを実行します。そして,root権限が必要なOSのコマンドを実行したり,root権限が必要なシステムファイルを参照したりしてroot版トラブルシュート情報ファイルを取得します。このため,このオプションを指定してadbinfogetコマンドを実行した場合は,要求に応じてスーパユーザのパスワードを入力してください。

OSのsuコマンドの実行に失敗した場合,すべての(detail版,light版,mail版およびroot版)トラブルシュート情報ファイルの出力容量が算出されません。また,すべてのトラブルシュート情報ファイルが取得されません。