18.1 機能
adbinfogetコマンドを実行すると,障害原因を調査するためのトラブルシュート情報ファイルを取得できます。また,トラブルシュート情報の出力や,取得するトラブルシュート情報ファイルの出力容量の算出も行えます。
- 重要
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マルチノード機能を使用している場合,adbinfogetコマンドを実行したノードに関するトラブルシュート情報の出力,トラブルシュート情報ファイルの容量見積もり,およびトラブルシュート情報ファイルの取得を行います。そのため,マルチノード機能を使用している場合に障害が発生したときは,全ノードでadbinfogetコマンドを実行して,トラブルシュート情報ファイルを取得してください。
HADBサーバの稼働中に出力されたメッセージの対策方法に,「弊社問い合わせ窓口に連絡してください。」とある場合,このコマンドを実行してトラブルシュート情報ファイルを取得します。adbinfogetコマンドでトラブルシュート情報ファイルを取得する際の流れを次の図に示します。
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トラブルシュート情報の出力(HADBサーバが稼働中の場合)
次に示すトラブルシュート情報は,HADBサーバの異常終了時に出力されます。
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コアファイル
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HADBダンプ
したがって,APまたはコマンドが終了しない,HADBサーバが無応答状態になったなど,HADBサーバが稼働している状態で障害が発生した場合,上記のトラブルシュート情報は出力されません。このため,障害が発生した直後にトラブルシュート情報ファイルを取得しても,必要な情報を取得できません。
HADBサーバが稼働している状態で障害が発生した場合は,まず上記のトラブルシュート情報を出力してください。そのあとで,以降の手順を実施してください。
- メモ
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コアファイルはdetail版トラブルシュート情報として出力されます。また,コアファイルの出力には時間が掛かるおそれがあります。このため,detail版トラブルシュート情報を取得しないことがあらかじめわかっている場合は,HADBダンプだけを出力してください。
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トラブルシュート情報ファイルの出力容量の算出
トラブルシュート情報ファイルの出力容量を算出します。トラブルシュート情報ファイルには共有メモリの情報などが含まれるため,容量が非常に大きくなります。そのため,トラブルシュート情報ファイルを取得する前に,トラブルシュート情報ファイルの出力容量を確認してください。ディスクに十分な空き容量がないと,必要なトラブルシュート情報ファイルを取得できません。また,ディスク容量を圧迫することで,HADBサーバの性能に影響を及ぼすおそれがあります。
なお,算出される値は,トラブルシュート情報ファイルの取得に必要なディスク容量の最大値であり,実際に出力されるトラブルシュート情報ファイルの容量とは異なります。
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トラブルシュート情報ファイルの取得
トラブルシュート情報ファイルには,次の4ファイルがあります。各ファイル名のYYYYMMDDhhmmssはadbinfogetコマンド実行時の時刻になります。
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mail版トラブルシュート情報ファイル(adbinfoYYYYMMDDhhmmss_mail.tar.gz)
トラブルシュートに最低限必要な情報だけが格納されます。
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light版トラブルシュート情報ファイル(adbinfoYYYYMMDDhhmmss_light.tar.gz)
コアファイルや共有メモリダンプファイルなどを除いた情報が格納されます。
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detail版トラブルシュート情報ファイル(adbinfoYYYYMMDDhhmmss_detail.tar.gz)
adbinfogetコマンドで取得できるすべての情報が格納されます。
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root版トラブルシュート情報ファイル(adbinfoYYYYMMDDhhmmss_root.tar.gz)
-rオプションを指定したadbinfogetコマンドをスーパユーザで実行した場合に,取得できる追加情報が格納されます。
通常は,mail版,light版,detail版およびroot版のトラブルシュート情報ファイルを取得してください。トラブルシュート情報ファイルの出力容量の算出の結果,detail版トラブルシュート情報ファイルのサイズが大きいため,トラブルシュート情報ファイルの取得に時間が掛かることが予想される場合は,mail版,light版およびroot版のトラブルシュート情報ファイルだけを取得してください。root版のトラブルシュート情報ファイルは,常に取得するようにしてください。
なお,HADBサーバが異常終了した際にこのコマンドを実行した場合,障害発生時のHADBサーバのトラブルシュート情報およびコマンド実行時のOSの状態を取得します。HADBサーバが稼働中または終了している場合,コマンド実行時のHADBサーバのトラブルシュート情報およびOSの状態を取得します。
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