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Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


40.2.1 指定形式およびオプションの説明

〈この項の構成〉

(1) 指定形式

adbstat
  〔-c {sys|cnct|buf|sql}〕
  〔-n {AP識別子グローバルバッファ名コネクション情報}〕
  〔-m SQL文の統計情報の出力日時指定〕
  〔-q SQL文通番〕
  〔-t〕
  〔-k 囲み文字〕
  〔-s {区切り文字|tab}〕

(2) 出力される情報とオプションの組み合わせの関係

adbstatコマンドで出力できる情報と,指定するオプションの組み合わせの関係について,次の2つの表に示します。出力される情報の詳細については,「40.5 出力される項目」を参照してください。

■指定するオプションの組み合わせ(その1)

adbstatコマンドで出力できる情報のうち,次に示す情報を出力する場合の,出力される情報とオプションの組み合わせの関係を次の表に示します。

  • HADBサーバの統計情報

  • コネクションの稼働情報

  • グローバルバッファの統計情報

表40‒1 adbstatコマンドで出力される情報とオプションの組み合わせの関係(その1)

項番

出力される情報

オプションの指定

-cオプション

-nオプション

1

HADBサーバの統計情報

sysまたは指定しない

2

すべての有効なコネクションの稼働情報

cnct

3

特定のコネクションの稼働情報

cnct

AP識別子

4

すべてのグローバルバッファの統計情報

buf

5

特定のグローバルバッファの統計情報

buf

グローバルバッファ名

(凡例)

−:-nオプションを指定しません。

注※

-cオプションにsysを指定した場合,または-cオプションを省略した場合,-nオプションを指定するとエラーになります。

■指定するオプションの組み合わせ(その2)

adbstatコマンドで出力できる情報のうち,SQL文の統計情報を出力する場合の,出力される情報とオプションの組み合わせの関係を次の表に示します。

メモ

ここでは,SQL文の統計情報を出力する場合の,推奨するオプションの組み合わせについて説明しています。

SQL文の統計情報をそのまま出力しようとすると,情報量が多くなることがあります。次の表に示すようにオプションを組み合わせると,出力対象を絞り込めるため,必要な情報を参照しやすくなります。

表40‒2 adbstatコマンドで出力される情報とオプションの組み合わせの関係(その2)

項番

出力される情報

オプションの指定

-cオプション

-nオプション

-mオプション

-qオプション

1

特定のSQL文に関するSQL文の統計情報のうち,特定の期間に統計ログファイルに出力された情報

sql

コネクション情報

SQL文の統計情報の出力日時指定

SQL文通番

2

特定のコネクションで実行したSQL文に関するSQL文の統計情報のうち,特定の期間に統計ログファイルに出力された情報

sql

コネクション情報

SQL文の統計情報の出力日時指定

3

特定の期間に統計ログファイルに出力されたSQL文の統計情報

sql

SQL文の統計情報の出力日時指定

4

特定のSQL文に関するSQL文の統計情報

sql

コネクション情報

SQL文通番

5

特定のコネクションで実行したSQL文に関するSQL文の統計情報

sql

コネクション情報

6

直近5分間のSQL文の統計情報

統計ログファイルに最後に出力された情報を起点として,5分間さかのぼった範囲が対象となります。

sql

(凡例)

−:オプションを指定しません。

(3) オプションの説明

-c sys|cnct|buf|sql}

出力される情報の種類を指定します。

sysHADBサーバの統計情報

cnctコネクションの稼働情報

bufグローバルバッファの統計情報

sqlSQL文の統計情報

-n AP識別子グローバルバッファ名コネクション情報

〜〈文字列〉

特定のコネクションの情報,または特定のグローバルバッファの情報を出力したい場合,このオプションを指定します。

AP識別子

情報が出力されるAP識別子を指定します。-cオプションにcnctを指定した場合に,指定できます。

グローバルバッファ名

情報が出力されるグローバルバッファ名を指定します。-cオプションにbufを指定した場合に,指定できます。

コネクション情報

情報が出力されるコネクション情報を指定します。-cオプションにsqlを指定した場合に,指定できます。

コネクション情報は,SQL文の統計情報を絞り込んで参照したい場合に指定してください。指定したコネクション情報に該当する情報だけを出力できます。

メモ

出力対象をより絞り込みたいときは,このオプションでコネクション情報を指定すると同時に,-mオプションで出力日時を指定したり,-qオプションでSQL文通番を指定したりしてください。

存在しないAP識別子,グローバルバッファ,またはコネクション情報をこのオプションに指定した場合,情報は出力されません(タイトル行だけが出力されます)。-tオプションを指定している場合,情報とタイトル行のどちらも出力されません。

指定時の規則を次に示します。

  • AP識別子またはグローバルバッファ名に指定した文字列は,すべて英大文字として扱われます。

  • AP識別子またはグローバルバッファ名に英小文字が含まれる場合は,名称を二重引用符(")で囲み,さらにアポストロフィ(')で囲んでください。二重引用符(")およびアポストロフィ(')で囲むことで,英大文字と英小文字が区別されます。

    (例)-n '"ap001"'

  • コネクション情報は,英大文字と英小文字が区別されません。

  • コネクション情報には,次のどちらかの情報を指定してください。

    ・コネクション確立時にメッセージログファイルに出力されるKFAA81000-Iメッセージのコネクション情報

    adbls -d cnctコマンドの実行結果のCID欄で確認したコネクションID

    adbls -d cnctコマンドについては,「23. adbls -d cnct(コネクションの状態表示)」を参照してください。

-m SQL文の統計情報の出力日時指定

SQL文の統計情報を出力する範囲を,統計ログファイルに情報が出力された日時で指定します。

指定した範囲で統計ログファイルに情報が出力されていない場合,情報は出力されません(タイトル行だけが出力されます)。-tオプションを指定している場合,情報とタイトル行のどちらも出力されません。

次の形式で指定してください。

出力開始日時〔,出力終了日時

指定時の規則を次に示します。

  • -cオプションにsqlを指定した場合だけ,このオプションを指定できます。

  • 出力開始日時および出力終了日時は,次のどちらかの形式で指定してください。

    yyyy/mm/ddhh:mm:ss

    yyyy-mm-ddhh:mm:ss

    (凡例) △:空白

  • 出力開始日時,および出力終了日時は空白を含むため,次のどれかの方法で指定してください。

    (例1)出力開始日時だけ指定する場合に,出力開始日時全体をアポストロフィ(')で囲む

    -m '2014/06/06 12:00:00'

    (例2)出力開始日時および出力終了日時を指定する場合に,それぞれをアポストロフィ(')で囲む

    -m '2014/06/06 12:00:00','2014/06/06 13:00:00'

    (例3)出力開始日時および出力終了日時を指定する場合に,日時指定全体をアポストロフィ(')で囲む

    -m '2014/06/06 12:00:00,2014/06/06 13:00:00'

  • 出力開始日時と出力終了日時の間のコンマ( , )の前後に空白を指定しないでください。

  • 存在しない日時を指定した場合,エラーとなります。

  • 出力終了日時が出力開始日時より前の日時となる場合,エラーとなります。

  • 出力終了日時を省略した場合,出力開始日時以降の範囲で統計ログファイルに保持している統計情報がすべて出力対象となります。

  • 統計情報の出力対象は,統計ログファイルへの出力日時が,このオプションに指定した出力開始日時以降,出力終了日時以前となる情報です。出力範囲の判定時には,統計ログファイルへの出力日時の小数秒部分を切り捨てた値が,出力開始日時および出力終了日時と比較されます。

-q SQL文通番

〜〈整数〉((1〜18,446,744,073,709,551,615))

SQL文の統計情報として出力するSQL文を,SQL文通番で指定します。

存在しないSQL文通番をこのオプションに指定した場合,情報は出力されません(タイトル行だけが出力されます)。-tオプションを指定している場合,情報とタイトル行のどちらも出力されません。

指定時の規則を次に示します。

  • -cオプションにsqlを指定した場合だけ,このオプションを指定できます。

  • このオプションには,メッセージログファイルに出力されるKFAA51000-Iメッセージの「コネクションが確立してからのSQL文通番」を指定してください。

重要

メッセージログファイルにKFAA51000-Iメッセージを出力するためには,あらかじめ,サーバ定義のadb_sql_text_outオペランドでSQL文をメッセージログファイルに出力するように設定しておく必要があります。

サーバ定義のadb_sql_text_outオペランドについては,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドサーバ定義の設計サーバ定義のオペランドの内容SQL文に関するオペランド(set形式)を参照してください。

-t

タイトル行を出力しない場合に指定します。

-k 囲み文字

〜〈文字列〉((1バイト))《"

CSV形式での文字列の囲み文字を指定します。このオプションを省略した場合は,囲み文字として二重引用符(")が仮定されます。

囲み文字として指定できる文字は,1バイト文字だけです。2バイト以上の文字列は指定できません。また,次に示す文字も囲み文字として指定できません。

  • 空白,タブ,アスタリスク(*

  • 区切り文字(-sオプションの指定値または省略値)と同じ文字

重要
  • アポストロフィ( ' )を囲み文字として指定する場合は,二重引用符(")で囲んで指定してください。

    (例)アポストロフィ( ' )を囲み文字として指定する場合の例

    adbstat  -k "'"

  • ストローク()のように,シェルが別の意味で使用している特殊文字を囲み文字として指定する場合は,二重引用符(")またはアポストロフィ( ' )で囲んで指定してください。

    (例)ストローク()を囲み文字として指定する場合の例

    adbstat  -k "|"

  • adbstatコマンドで出力される列のタイトルおよび内容に含まれる文字を囲み文字に指定しないでください。adbstatコマンドで出力される列については,「40.5 出力される項目」を参照してください。

-s 区切り文字|tab}

〜〈文字列〉((1バイト))《 ,

CSV形式での区切り文字を指定します。区切り文字にタブを指定する場合は,tabを指定してください。このオプションを省略した場合は,区切り文字としてコンマ( , )が仮定されます。

区切り文字として指定できる文字は,tabと1バイト文字だけです。tab以外の2バイト以上の文字列は指定できません。また,次に示す文字も区切り文字として指定できません。

  • 英大文字(AZ),英小文字(az),数字(09),下線(_),二重引用符("),アスタリスク(*

  • 囲み文字(-kオプションの指定値または省略値)と同じ文字

重要
  • アポストロフィ( ' )を区切り文字として指定する場合は,二重引用符(")で囲んで指定してください。

    (例)アポストロフィ( ' )を区切り文字として指定する場合の例

    adbstat  -s "'"

  • ストローク()のように,シェルが別の意味で使用している特殊文字を区切り文字として指定する場合は,二重引用符(")またはアポストロフィ( ' )で囲んで指定してください。

    (例)ストローク()を区切り文字として指定する場合の例

    adbstat  -s "|"

  • adbstatコマンドで出力される列のタイトルおよび内容に含まれる文字を区切り文字に指定しないでください。adbstatコマンドで出力される列については,「40.5 出力される項目」を参照してください。