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Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


20.3.2 DBディレクトリを作成する場合(マルチノード機能の使用時)

マルチノード機能を使用する場合,一部のDBエリアをマルチノード構成の全HADBサーバ間で共有します。マルチノード機能については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドアーキテクチャマルチノード機能を参照してください。また,マルチノード構成の全HADBサーバ間で共有するDBエリアについては,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドアーキテクチャDBエリア(表およびインデクスの格納領域)DBエリアのファイル構成を参照してください。

DBエリアを共有するには,DBエリアファイルに割り当てるデバイスを,異なるシステム間で一意に識別する必要があります。このため,同じデバイスを識別するために,WWNを利用します。WWNはシステムに依存しない,HBAでデバイスごとに割り当てられる固有の識別子です。

マルチノード機能を使用する際にDBディレクトリを作成する場合は,共有するDBエリアすべてについて,WWNを含むブロックスペシャルファイル(/dev/disk/by-id/wwn-で始まるパス)を割り当ててください。

マルチノード機能を使用する際にDBディレクトリを作成する場合は,次に示す手順でadbinitコマンドを実行します。

手順
  1. プライマリノード用の初期設定オプションファイルを作成する

  2. プライマリノードadbinitコマンドを実行する

  3. セカンダリノード用の初期設定オプションファイルを作成する

  4. セカンダリノードadbinitコマンドを実行する

手順3.〜4.は,セカンダリノードの各HADBサーバで実施します。

なお,作業表用DBエリアのブロックスペシャルファイルは,サーバ定義で指定することもできます。詳細は,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドサーバ定義の設計サーバ定義のオペランドの内容システム構成に関するオペランド(set形式)にあるadb_blk_path_wrkオペランドの説明を参照してください。

各手順の例を以降で説明します。

〈この項の構成〉

(1) プライマリノード用の初期設定オプションファイルを作成する

初期設定オプションファイルを作成して,次のように初期設定オプションを指定します。

プライマリノード用の初期設定オプションファイルの指定例
set adb_init_dbarea_initialize = Y
set adb_init_wrk_blk_path = /dev/mapper/adb-ADBWRK_lv
set adb_init_mst_blk_path = /dev/disk/by-id/wwn-0x600605b003a2e280172ab596258093bc
set adb_init_dic_blk_path = /dev/disk/by-id/wwn-0x600605b003a2e280172ab5962580e259
set adb_init_stbl_blk_path = /dev/disk/by-id/wwn-0x600605b003a2e280172ab5962581311b
adbinitdbarea -n DBAREA1 -i 1G,2 -v \
  /dev/disk/by-id/wwn-0x60060e80102172300511166300000000,\
  /dev/disk/by-id/wwn-0x60060e80102172300511166300000001

(2) プライマリノードでadbinitコマンドを実行する

(1) プライマリノード用の初期設定オプションファイルを作成する」で作成した初期設定オプションファイル名を指定して,プライマリノードadbinitコマンドを実行します。

詳細については,「20.3.1 ブロックスペシャルファイルのDBエリアファイルを作成する場合」の「(2) adbinitコマンドを実行する」を参照してください。

(3) セカンダリノード用の初期設定オプションファイルを作成する

(1) プライマリノード用の初期設定オプションファイルを作成する」で作成した初期設定オプションファイルを各セカンダリノードにコピーし,次のように初期設定オプションの指定を変更します。

セカンダリノード用の初期設定オプションファイルの指定例
set adb_init_dbarea_initialize = N
set adb_init_mst_blk_path = /dev/disk/by-id/wwn-0x600605b003a2e280172ab596258093bc
   :

(4) セカンダリノードでadbinitコマンドを実行する

(3) セカンダリノード用の初期設定オプションファイルを作成する」で作成した初期設定オプションファイル名を指定して,セカンダリノードadbinitコマンドを実行します。

詳細については,「20.3.1 ブロックスペシャルファイルのDBエリアファイルを作成する場合」の「(2) adbinitコマンドを実行する」を参照してください。