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Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


17.2.1 指定形式およびオプションの説明

入力データファイルの形式によって,次のオプションの指定値や指定の有無が異なります。データインポートしたい入力データファイルに従って,必要なオプションを指定してください。各オプションの詳細については,「-f」,「-r」,「-k」,および「-s」を参照してください。

入力データファイルがCSV形式の場合
  • -fオプションを省略,または-fオプションにcsvを指定します。

  • インポート対象表と入力データの関係に応じて,-rオプションを指定します。

  • -kオプション,および-sオプションを指定できます。

入力データファイルが固定長形式の場合
  • -fオプションにfixを指定します。

  • -rオプションを必ず指定します。

  • -kオプション,および-sオプションは指定しないでください。

〈この項の構成〉

(1) 指定形式

adbimport
    -u 認可識別子
  〔-p パスワード〕
  〔-d〕
  〔-k {囲み文字|none}〕
  〔-s {区切り文字|tab}〕
  〔-g データインポート処理の経過メッセージの出力間隔〕
  〔-w {作業用一時ファイルの格納先ディレクトリ名作業用一時ファイルの格納先を指定したディレクトリパスファイル名}〕
  〔-z インポートオプションファイル名〕
  〔-e〕
  〔--force〕
  〔-b〕
  〔--status wait〕
  〔-m チャンクに設定するコメント〕
  〔-f {csv|fix}〕
  〔-r 列構成情報ファイル名処理対象表
  入力データパスファイル名
重要

処理対象表および入力データパスファイル名は,必ずオプションの最後に指定してください。指定の順序も処理対象表,入力データパスファイル名の順にしてください。

(2) データインポートの実行パターンと指定するオプションの関係(データを追加するチャンクの種類)

実行したいデータインポートのパターンによって,指定するオプションの組み合わせが異なります。

なお,マルチチャンク表に対してデータをインポートする場合,-dオプションおよび-bオプションの指定によって,データを追加するチャンクが変わります。また,-bオプションと--status waitオプションを同時に指定すると,待機状態のチャンクが作成されてデータが追加されます。

メモ

チャンクについては,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドデータインポート単位のデータ管理(チャンク)を参照してください。

データインポートの実行パターンと指定するオプションの関係(データを追加するチャンクの種類)を次の表に示します。

各オプションの詳細については,「(3) オプションの説明」の「-d」,「-b」および「--status wait」の説明を参照してください。

表17‒1 データインポートの実行パターンと指定するオプションの関係(データを追加するチャンクの種類)

項番

データインポートの実行パターン

指定するオプション

マルチチャンク表に対してデータをインポートする場合に,データを追加するチャンク※1

-dオプション

-bオプション

--status waitオプション

1

新規に定義した表に対してデータをインポートしたい

×

×

×

カレントチャンク

2

既存の表に対して,バックグラウンドインポートを適用しないでデータをインポートしたい

×

×

×

カレントチャンク

3

既存の表に対して,バックグラウンドでデータをインポートしたい※2

インポートが完了したデータのチャンクを操作系SQLの対象にしたい(通常状態のチャンクにしたい)

×

×

バックグラウンドインポートで新規に作成された通常状態のチャンク

4

インポートが完了したデータのチャンクを操作系SQLの対象外にしたい(待機状態のチャンクにしたい)※3

×

バックグラウンドインポートで新規に作成された待機状態のチャンク※4

5

既存の表のデータをすべて削除したあとで,新しいデータをインポートしたい

×

×

新規に作成されたチャンク(作成モードでデータをインポートするため,既存のチャンクはすべて削除されます)

(凡例)

○:オプションを指定します。

×:オプションを指定しません。

-dオプションと-bオプションを同時に指定すると,エラーになります。

また,-bオプションを指定しないで--status waitオプションを指定すると,エラーになります。

注※1

-mオプションを指定すると,データを追加するチャンクにコメントを設定できます。

注※2

シングルチャンク表の場合,エラーとなります(シングルチャンク表に対して,バックグラウンドインポートを適用できません)。

注※3

ただし,PURGE CHUNK文およびTRUNCATE TABLE文は実行できます。

注※4

待機状態のチャンクは,カレントチャンクになりません。

(3) オプションの説明

各オプションの説明で,【マルチチャンク表】と表記されているオプションは,マルチチャンク表に対してデータをインポートする際に指定できるオプションです。シングルチャンク表に対してデータをインポートする際には指定できません。

-u 認可識別子

〜〈文字列〉((1〜100バイト))

adbimportコマンドを実行するHADBユーザの認可識別子を指定します。adbimportコマンドを実行するには,次の2つの権限を持っている必要があります。

  • CONNECT権限

  • 処理対象表に対するIMPORT TABLE権限

このオプションに指定する認可識別子は,1~100バイトの範囲で指定してください。ただし,認可識別子を囲む二重引用符は,1~100バイトには含みません。

重要

認可識別子の文字列中に英小文字または\がある場合は,認可識別子の指定規則を必ず確認してください。認可識別子の指定規則については,「1.4.2 認可識別子およびパスワードの指定規則」を参照してください。

重要

B-treeインデクスとテキストインデクス作成処理からの再実行機能を使用する場合,-uオプションに指定する認可識別子を変更することはできません。そのため,データインポート中に,adbimportコマンドの実行ユーザを削除したり,IMPORT TABLE権限を取り消したりしないでください。

誤って操作してしまった場合は,次のどちらかの対処をしてください。

-p パスワード

〜〈文字列〉((1〜255バイト))

-uオプションに指定した認可識別子のパスワードを指定します。

重要

パスワードの文字列中に,二重引用符(")やストローク(|)など,OSやシェルが別の意味で使用している文字がある場合は,パスワードの指定規則を必ず確認してください。パスワードの指定規則については,「1.4.2 認可識別子およびパスワードの指定規則」を参照してください。

なお,このオプションを省略してadbimportコマンドを実行すると,パスワードの入力を求める応答メッセージが表示されます。バックグラウンドで実行する場合など,標準入力からパスワードを入力できない環境では,このオプションを省略しないでください。

-d

データインポート処理を作成モードで実行する場合に指定します。このオプションを省略した場合は,追加モードでデータインポート処理が行われます。

作成モードの場合は,表の既存データをすべて削除してから,入力データがインポートされます。追加モードの場合は,表の既存データを残したまま,入力データがインポートされます。

なお,新規に定義した表にデータをインポートする場合は,このオプションを指定する必要はありません。

-k 囲み文字|none}

〜〈文字列〉((1バイト))《"

入力データファイルのファイル形式がCSV形式の場合に,このオプションの指定を検討してください。固定長形式の場合は,このオプションを指定しないでください。

入力データファイル中のフィールドデータを囲んでいる囲み文字を指定します。このオプションを省略した場合は,囲み文字として二重引用符(")が仮定されます。

なお,入力データファイル中のフィールドデータに囲み文字を使用していない場合は,このオプションにnoneを指定してください。

指定規則を次に示します。

  • み文字として指定できる文字は,1バイト文字だけです。2バイト以上の文字列は指定できません。

  • に示す文字も囲み文字として指定できません。

    • 空白,タブ,アスタリスク(*

    • 区切り文字(-sオプションの指定値または省略値)と同じ文字

  • ポストロフィ( ' )を囲み文字として指定する場合は,二重引用符(")で囲んで指定してください。

    (例)アポストロフィ( ' )を囲み文字として指定する場合の例

    adbimport … -k "'" …

  • トローク(|)のように,シェルが別の意味で使用している特殊文字を囲み文字として指定する場合は,二重引用符(")またはアポストロフィ( ' )で囲んで指定してください。

    (例)ストローク()を囲み文字として指定する場合の例

    adbimport … -k "|" …

  • ンポート対象表に数データ,日時データまたはバイナリデータが定義されている場合,囲み文字に数データ,日時データまたはバイナリデータで扱う文字を指定しないでください。指定すると,入力データの変換エラーとなることがあります。

  • インポート対象表に配列型の列が定義されている場合,囲み文字に波括弧({})を指定しないでください。指定すると,入力データの変換エラーとなることがあります。

重要
  • のオプションを指定する場合,-fオプションを省略するか,csvを指定してください。-fオプションにfixを指定した場合,adbimportコマンドがエラーになります。

  • このオプションで囲み文字を指定した場合,囲み文字と同じ文字がフィールドデータ中にあるときは,フィールドデータの文字を2個連続で記述してください。

    このオプションにnoneを指定した場合,すべてのデータ型で,入力データの囲み文字はないものとして扱われます。このため,フィールドデータの文字を2個連続で記述する必要はありません。

  • フィールドデータ中に区切り文字と同じ文字がある場合や,改行コードをデータとして扱いたい場合などには,このオプションにnoneを指定できません。

  • このオプションの指定による,入力データと格納されるデータの関係を次の表に示します。

    表17‒2 入力データと格納されるデータの関係

    項番

    入力データ

    格納されるデータ

    -kオプションに囲み文字(二重引用符("))を指定した場合

    -kオプションにnoneを指定した場合

    1

    ABC,DEF

    • ABC

    • DEF

    • ABC

    • DEF

    2

    "ABC""","DEF"

    • ABC"

    • DEF

    • "ABC"""

    • "DEF"

    3

    "ABC,DEF"

    ABC,DEF

    • "ABC

    • DEF"

    4

    "ABC,DEF

    • "ABC

    • DEF

    5

    "ABC","DEF\n"

    • ABC

    • DEF\n

    • "ABC"

    • "DEF

    • "

    (凡例)

    −:論理エラーとなります。

-s 区切り文字|tab}

〜〈文字列〉((1バイト))《 , 》

入力データファイルのファイル形式がCSV形式の場合に,このオプションの指定を検討してください。固定長形式の場合は,このオプションを指定しないでください。

入力データファイル中のフィールドデータを区切っている区切り文字を指定します。区切り文字にタブを指定する場合は,tabを指定してください。このオプションを省略した場合は,区切り文字としてコンマ( , )が仮定されます。

指定規則を次に示します。

  • 切り文字として指定できる文字は,tabまたは1バイト文字だけです。tab以外の2バイト以上の文字列は指定できません。

  • に示す文字も区切り文字として指定できません。

    • 英大文字(AZ),英小文字(az),数字(09),下線(_),二重引用符("),アスタリスク(*

    • 囲み文字(-kオプションの指定値または省略値)と同じ文字

  • に示す文字は入力データの文字コードと重なるおそれがあるため,区切り文字として適していません。

    • 符号(+-),スラッシュ(/),コロン(:),ピリオド(.),|\[](){}~など

  • ポストロフィ( ' )を区切り文字として指定する場合は,二重引用符(")で囲んで指定してください。

    (例)アポストロフィ( ' )を区切り文字として指定する場合の例

    adbimport … -s "'" …

  • トローク()のように,シェルが別の意味で使用している特殊文字を区切り文字として指定する場合は,二重引用符(")またはアポストロフィ( ' )で囲んで指定してください。

    (例)ストローク()を区切り文字として指定する場合の例

    adbimport … -s "|" …

  • インポート対象表に配列型の列が定義されている場合,区切り文字に波括弧({})を指定しないでください。指定すると,入力データの変換エラーとなることがあります。

重要

のオプションを指定する場合,-fオプションを省略するか,csvを指定してください。-fオプションにfixを指定した場合,adbimportコマンドがエラーになります。

-g データインポート処理の経過メッセージの出力間隔

〜〈整数〉((0〜1,000,000,000))《0》(単位:1,000行)

データインポート処理の経過メッセージの出力間隔を指定します。例えば,このオプションに2を指定すると,データインポート処理が2,000行終わるごとに経過メッセージ(KFAA80205-I)が出力されます。

このオプションを省略した場合,またはこのオプションに0を指定した場合,経過メッセージは出力されません。

-w 作業用一時ファイルの格納先ディレクトリ名作業用一時ファイルの格納先を指定したディレクトリパスファイル名

〜〈OSパス名〉((2〜518バイト))

データインポート処理時に作成される作業用一時ファイルの格納先を,次に示すどちらかの方法で指定します。

  1. 作業用一時ファイルを格納するディレクトリ名を絶対パス名で指定する

  2. 作業用一時ファイルを格納するディレクトリを指定したファイル名(ディレクトリパスファイル名)を絶対パス名で指定する

1つのディレクトリ下に格納される作業用一時ファイルに対して入出力が集中すると,性能低下の原因になります。そのため,2の方法で作業用一時ファイルを異なるディスクのディレクトリに格納して,ディスクに対する入出力処理の負荷分散をすることを推奨します。2の方法の指定例(ディレクトリパスファイルの指定例)を次に示します。

ディレクトリパスファイルの指定例

/mnt/diska/wwwww
/mnt/diskb/xxxxx
/mnt/diskc/yyyyy
/mnt/diskd/zzzzz

指定するディレクトリ数の目安を次に示します。

指定するディレクトリ数の目安A×B

A:データ格納スレッド数

次の計算式で求めてください。

インポートオプションadb_import_rthd_numの値-1

B:インポート対象表に定義されているB-treeインデクスおよびテキストインデクスの数

B-treeインデクスおよびテキストインデクスの数がわからない場合は,次に示すSQL文で表に定義されているB-treeインデクスおよびテキストインデクスの数を確認してください。

SELECT "N_INDEX"-"N_RANGE_INDEX"
    FROM "MASTER"."SQL_TABLES"
        WHERE "TABLE_SCHEMA"='認可識別子'
           AND "TABLE_NAME"='インポート対象表の表名'
  • ディレクトリパスファイル中にディレクトリを255個まで指定できます。

  • ディレクトリパスファイル中に記述されている順番に,作業用一時ファイルの格納先ディレクトリとして使用されます。ディレクトリパスファイル中に記述された最後のディレクトリ(この例では/mnt/diskd/zzzzz)が使用された場合,次に使用されるディレクトリは先頭のディレクトリ(この例では/mnt/diska/wwwww)になります。

このオプションの指定規則(方法1,2の両方の指定規則)を次に示します。

  • パス名の末尾にスラッシュ(/)を指定しないでください。

-wオプションに指定したディレクトリ下に作成される作業用一時ファイルの容量見積もりについては,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドadbimportコマンド実行時の作業用一時ファイルの容量見積もりを参照してください。なお,このオプションを省略した場合,$DBDIR/ADBWORK下に作業用一時ファイルが作成されます。

作業用一時ファイルを格納するディレクトリは,専用のディレクトリにしてください。ほかのファイルを格納しているディレクトリと重複した場合,既存のファイル中のデータが失われるおそれがあります。作業用一時ファイルの格納先ディレクトリ名と重複しないようにする必要があるファイルについては,「17.11 注意事項」を参照してください。

なお,作業用一時ファイルを格納するディスクの空き容量が不足した場合は,容量が大きい別のディスクを格納先として指定してください。作業用一時ファイルを格納するディスクの空き容量が不足した場合の対処については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドトラブルシュートコマンドに関するトラブルコマンド実行時の作業用一時ファイルを格納するディスクの空き容量が不足した場合の対処方法を参照してください。

-z インポートオプションファイル名

〜〈OSパス名〉((2〜510バイト))

インポートオプションを指定したインポートオプションファイルの絶対パス名を指定します。このオプションを省略すると,インポートオプションファイルが指定されないため,すべてのインポートオプションにデフォルト値が仮定されます。

インポートオプションについては,「17.2.2 インポートオプションの形式」を参照してください。

なお,インポートオプションファイル名は,ほかのファイル名と重複しないようにしてください。重複した場合,ファイル中のデータが失われるおそれがあります。インポートオプションファイル名と重複しないようにする必要があるファイルについては,「17.11 注意事項」を参照してください。

-e

通常はこのオプションを省略してください。

入力データの論理エラーを検出した際,データインポート処理を中断する場合にこのオプションを指定します。

このオプションを指定した場合,入力データの論理エラーが検出されると,トランザクションはロールバックします(データは1件もインポートされません)。このとき,リターンコード8が返されます。

このオプションを省略した場合,入力データの論理エラーが検出されると,正常なデータだけがインポートされ,論理エラーとなったデータはインポートされません。このとき,リターンコード4が返されます。

--force

表に格納されているデータをすべて削除してから,adbimportコマンドを強制実行する場合にこのオプションを指定します。adbimportコマンドの中断後,表のデータをすべて削除してからデータインポート処理を再実行したいとき,このオプションの使用を検討してください。

このオプションを指定しないでadbimportコマンドを再実行した場合,前回のデータインポート処理時に表に格納されたデータは有効になり,再実行時のデータインポート処理はその続きからとなります。

一方,このオプションを指定してadbimportコマンドを再実行した場合,表に格納されているデータはすべて削除され,データインポート処理を最初から行います。

重要
  • このオプションを指定する場合は,-dオプション(作成モード)を必ず指定してください。-dオプションの指定がない場合,adbimportコマンドがエラーになります。

  • このオプションと-dオプションを指定してadbimportコマンドを再実行すると,表に格納されているデータがすべて削除されます。このため,表の更新不可状態を解除したい場合に,このオプションを指定しないでください。表の更新不可状態を解除する方法については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドトラブルシュート実表に関するトラブル実表が更新不可状態になった場合を参照してください。

このオプションを指定してadbimportコマンドを実行する際の手順について説明します。

  1. 表に格納されているデータを,adbexportコマンドでファイルに出力してください。

    必要に応じて,チャンクごとにデータを出力してください。

  2. adbimportコマンドの前回の実行時に作成された作業用一時ファイルを,OSのrmコマンドなどで削除してください。

    次に示すディレクトリ下のファイルを削除してください。書き込み権限または読み取り権限がないファイルがあると,adbimportコマンドが実行できないことがあります。

    ・前回中断したコマンドの実行時に-wオプションを指定した場合:-wオプションに指定した作業用一時ファイルの格納先ディレクトリ

    ・前回中断したコマンドの実行時に-wオプションを省略した場合:$DBDIR/ADBWORKディレクトリ

  3. 手順1.で出力したファイルを入力データファイルとして,-dオプションと--forceオプションを指定して,adbimportコマンドを実行します。

-b  【マルチチャンク表】

バックグラウンドインポートでデータを追加する場合に指定します。このオプションを指定すると,新規に作成されたチャンクにデータを追加します。

  • このオプションだけを指定した場合,通常状態のチャンクが作成されてデータが追加されます。

  • このオプションと--status waitオプションを指定した場合,待機状態のチャンクが作成されてデータが追加されます。

マルチチャンク表に対して指定してください。シングルチャンク表に対して指定した場合,エラーとなります。

なお,マルチチャンク表に対する初回インポート時は,このオプションを指定しないでください。指定した場合,表定義時に作成されたチャンクではなく,新規に作成されたチャンクにデータを追加するため,チャンクが1つむだになります。

データを追加するチャンクについては,「(2) データインポートの実行パターンと指定するオプションの関係(データを追加するチャンクの種類)」を参照してください。

--status wait  【マルチチャンク表】

バックグラウンドインポートで,待機状態のチャンクを作成してデータを追加する場合に指定します。待機状態のチャンクに追加されたデータは,操作系SQLの対象外となります(ただし,PURGE CHUNK文およびTRUNCATE TABLE文は実行できます)。

マルチチャンク表に対して指定してください。シングルチャンク表に対して指定した場合,エラーとなります。

重要

このオプションを指定する場合は,-bオプションを必ず指定してください。-bオプションの指定がない場合,adbimportコマンドがエラーになります。

-m チャンクに設定するコメント  【マルチチャンク表】

〜〈文字列〉((1〜1,024バイト))

データを追加するチャンクにコメントを設定する場合に指定します。

マルチチャンク表に対して指定してください。シングルチャンク表に対して指定した場合,エラーとなります。

データを追加するチャンクにすでにコメントが設定されている場合は,コメントを上書きします。

データを追加するチャンクについては,「(2) データインポートの実行パターンと指定するオプションの関係(データを追加するチャンクの種類)」を参照してください。

指定時の規則を次に示します。

  • 指定したコメントは,英大文字と英小文字が区別されます。

  • 二重引用符("),ストローク(|)など,OSやシェルが別の意味で使用している文字を含むコメントを設定する場合は,その文字の直前にエスケープ文字(\)を指定してください。または,コメント全体をアポストロフィ(')で囲んでください。

    (例1)-m abc\|def

    (例2)-m 'abc|def'

    どちらの場合も,コメントとしてabc|defが設定されます。

  • 文字列を二重引用符(")で囲み,さらにアポストロフィ(')で囲むと,二重引用符(")および文字列がコメントとして扱われます。

    (例)-m '"abcdef"'

    この場合,コメントとして"abcdef"が設定されます。

  • コメントの文字コードは,HADBサーバの環境変数のADBLANGに設定した文字コードと同じになります。

-f csv|fix}

入力データファイルのファイル形式を指定します。このオプションを省略した場合,csvが仮定されます。

csvCSV形式

fix固定長形式

CSV形式については,「17.5 入力データファイルの形式(CSV形式の仕様)」を参照してください。

固定長形式については,「17.6 入力データファイルの形式(固定長形式の仕様)」を参照してください。

重要
  • 力データファイルが固定長形式の場合(このオプションにfixを指定する場合)は,必ず-rオプションを指定してください。-rオプションを省略した場合,adbimportコマンドがエラーになります。

  • インポート対象の表に配列型の列が定義されている場合は,このオプションにcsvを指定してください。fixを指定すると,adbimportコマンドがエラーになります(KFAA50205-Eメッセージが出力されます)。

-r 列構成情報ファイル名

〜〈OSパス名〉((2〜510バイト))

列構成情報オプションを指定した列構成情報ファイルを絶対パスで指定します。

列構成情報ファイルとは,インポート対象表と入力データの関係について指定したファイルです。列構成情報オプションの指定形式については,「17.2.3 列構成情報オプションの形式」を参照してください。

入力データファイルのファイル形式,入力データファイル中のフィールドデータの並び順やフィールドデータの数によって,このオプションを指定する必要があるかどうか(列構成情報ファイルが必要かどうか)が異なります。入力データファイルと-rオプションの関係を次の表に示します。

表17‒3 入力データファイルと-rオプションの関係

項番

入力データファイルのファイル形式

入力データファイル中のフィールドデータ

-rオプションの指定

1

CSV形式

次に示す2つの条件を満たす

  • フィールドデータの並び順が,インポート対象表の列構成の順序と同じ

  • フィールドデータの数が,インポート対象表の列定義数と同じ

2

フィールドデータの並び順が,インポート対象表の列構成の順序と異なる

3

フィールドデータの数が,インポート対象表の列定義数と異なる

4

フィールドデータに,2進形式のバイナリデータが含まれている

5

固定長形式

次に示す2つの条件を満たす

  • フィールドデータの並び順が,インポート対象表の列構成の順序と同じ

  • フィールドデータの数が,インポート対象表の列定義数と同じ

6

フィールドデータの並び順が,インポート対象表の列構成の順序と異なる

7

フィールドデータの数が,インポート対象表の列定義数と異なる

8

フィールドデータに,2進形式のバイナリデータが含まれている

(凡例)

○:-rオプションを必ず指定してください(インポートには列構成情報ファイルが必要です)。

△:-rオプションの指定は任意です(列構成情報ファイルなしでもインポートできます)。

なお,列構成情報ファイル名は,ほかのファイル名と重複しないようにしてください。重複した場合,ファイル中のデータが失われるおそれがあります。列構成情報ファイル名と重複しないようにする必要があるファイルについては,「17.11 注意事項」を参照してください。

重要

このオプションの指定を省略する場合,入力データファイルには,次の条件を満たすファイルを指定する必要があります。

  • ファイル形式がCSV形式である

  • インポート対象表の列構成の順序と同じ順序でフィールドデータが並んでいる

  • インポート対象表の列定義数と同じ数のフィールドデータが存在する

処理対象表

データをインポートする表を指定します。

指定規則を次に示します。

  • スキーマ名.表識別子」の形式で指定します。

    自分が所有している表を指定する場合は,スキーマ名を省略できます。ほかのHADBユーザが所有している表を指定する場合は,スキーマ名を指定してください。

  • スキーマ名または表識別子中に,英小文字または\がある場合の指定規則については,「1.4.3 表名の指定規則」を参照してください。

  • IMPORT TABLE権限を持っている表を指定できます。

  • ビュー表は指定できません。

入力データパスファイル名

〜〈OSパス名〉((2〜510バイト))

入力データパスファイルを絶対パス名で指定します。指定するパス名に半角空白を含む場合は,パス名全体をアポストロフィ(')で囲んでください。

入力データパスファイルには,入力データファイルの格納場所を指定します。入力データファイルの格納場所は,2〜510バイトの絶対パスで指定してください。パス名として使用できる文字は,入力データパスファイル名と同じです。

1つのディレクトリ下に格納された入力データファイルに対して入力が集中すると,性能低下の原因になります。そのため,入力データファイルは異なるディスクのディレクトリに格納して,ディスクに対する入力処理の負荷分散をすることを推奨します。

入力データパスファイルの指定例を次に示します。

入力データパスファイルの指定例

/mnt/diska/wwwww/imp1.csv
/mnt/diskb/xxxxx/imp2.csv
/mnt/diskc/yyyyy/imp3.csv
/mnt/diskd/zzzzz/imp4.csv

この例では,入力データファイルが4つあるとして,入力データファイルの格納場所をそれぞれ指定しています。

なお,入力データパスファイル名,およびファイル中に指定する入力データファイルの格納場所は,ほかのファイル名と重複しないようにしてください。重複した場合,入力データパスファイル,および入力データファイル中のデータが失われるおそれがあります。入力データパスファイル名,および入力データファイルの格納場所と重複しないようにする必要があるファイルについては,「17.11 注意事項」を参照してください。