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Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


14.2.2 エクスポートオプションの形式

〈この項の構成〉

(1) 指定形式

性能に関するオプション
  〔set adb_export_rthd_num = adbexportコマンドが使用する処理リアルスレッド数〕
  〔set adb_export_scan_buff_size = 表データの検索バッファサイズ〕
  〔set adb_export_wrktbl_blk_num = ローカル作業表用バッファのページ数〕
  〔set adb_export_hashtbl_area_size = ハッシュテーブル領域サイズ〕
  〔set adb_export_hashflt_area_size = ハッシュフィルタ領域サイズ出力形式に関するオプション
  〔set adb_export_order_mode = {BYTE|ISO}〕

上記のエクスポートオプションの指定規則は,サーバ定義と同じです。サーバ定義の指定規則については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドサーバ定義の文法規則を参照してください。

(2) 指定形式の説明

(a) 性能に関するオプション

adb_export_rthd_num = adbexportコマンドが使用する処理リアルスレッド数

〜〈整数〉((3〜4,096))

adbexportコマンド実行時に使用する処理リアルスレッド数を指定します。

このオプションは,指定を推奨するオプションです。adbexportコマンドは,このオプションで指定した値の処理リアルスレッド数を使用します。このため,adbexportコマンドで使用したい処理リアルスレッド数に応じて,このオプションに適切な値を指定してください。adbexportコマンドが処理リアルスレッドを使用する処理,および各処理で使用する処理リアルスレッド数については,「14.1.2 adbexportコマンドが使用するスレッドの関係」を参照してください。

このオプションを省略した場合,adbexportコマンド実行時に使用する処理リアルスレッド数は,サーバ定義adb_sql_exe_max_rthd_numオペランドによって決まります。このオプションまたはサーバ定義adb_sql_exe_max_rthd_numオペランドの指定値と,コマンド実行時に使用する処理リアルスレッド数の関係を次の表に示します。

表14‒3 コマンド実行時に使用する処理リアルスレッド数

項番

このオプションまたはサーバ定義の値

コマンド実行時に使用する処理リアルスレッド数

1

このオプションの指定を省略した場合

サーバ定義adb_sql_exe_max_rthd_numオペランドの指定を省略した場合

サーバ定義adb_sql_exe_max_rthd_numオペランドのデフォルト値を使用します。

2

サーバ定義adb_sql_exe_max_rthd_numオペランドに02の値を指定した場合

3

サーバ定義adb_sql_exe_max_rthd_numオペランドに3以上の値を指定した場合

サーバ定義adb_sql_exe_max_rthd_numオペランドに指定した値を使用します。

4

このオプションに3以上の値を指定した場合

このオプションに指定した値を使用します。

(凡例)

-:adbexportコマンドがエラーとなります。

サーバ定義adb_sql_exe_max_rthd_numオペランドの詳細については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイド性能に関するオペランド(set形式)を参照してください。

adb_export_scan_buff_size = 表データの検索バッファサイズ

〜〈整数〉((1〜2,048))《16》(単位:メガバイト)

表データの検索結果を保持するバッファのサイズをメガバイト単位で指定します。指定値を大きくすると,表データを検索する際のオーバヘッドを削減できます。

検索結果のデータ長の10,000件分程度のサイズを指定値の目安としてください。

検索結果のデータ長の求め方については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドリソースの設計HADBサーバのメモリ所要量の見積もり通常運用時のメモリ所要量の求め方にある表各データ型のデータ長の一覧を参照してください。

なお,1つの検索バッファに格納された検索結果は,同じ出力データファイルに出力されます。

また,検索結果が1件も格納できないバッファサイズを指定した場合,adbexportコマンドがエラーとなります。

adb_export_wrktbl_blk_num = ローカル作業表用バッファのページ数

〜〈整数〉((5〜100,000,000))

通常はこのオプションを省略してください。このオプションを省略した場合,サーバ定義のadb_dbbuff_wrktbl_clt_blk_numオペランドに指定したローカル作業表用バッファのページ数が適用されます。

adbexportコマンドを実行する際に,ローカル作業表を作成するSQL文の実行時間を短縮したい場合は,このオプションにローカル作業表用バッファのページ数を指定します。このオプションで指定して確保されたローカル作業表用バッファは,adbexportコマンドでローカル作業表を作成するSQL文を実行したときだけ使用されます。このオプションとサーバ定義のadb_dbbuff_wrktbl_clt_blk_numオペランドを同時に指定すると,adbexportコマンド実行時には,このオプションに指定したローカル作業表用バッファのページ数が適用されます。

このオプションの指定値の見積もりについては,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドリソースの設計作業表に関する見積もりローカル作業表用バッファのページ数の見積もりを参照してください。

なお,このオプションを指定して確保されたローカル作業表用バッファのページ数は,adbmodbuffコマンドで変更できません。adbmodbuffコマンドについては,「35. adbmodbuff(バッファの変更)」を参照してください。

メモ

ローカル作業表とは,SQL文を処理するリアルスレッドごとに作成される作業表です。このため,このオプションで指定したページ数分のローカル作業表用バッファは,SQL文を処理するリアルスレッドごとに確保されます。ローカル作業表を作成するSQL文については,マニュアルHADB AP開発ガイドAPの性能向上に関する設計作業表が作成されるSQLを実行する際の考慮点SQLを実行した場合に作成される作業表についてを参照してください。

adb_export_hashtbl_area_size = ハッシュテーブル領域サイズ

〜〈整数〉((0〜4,194,304))(単位:メガバイト)

通常はこのオプションを省略してください。このオプションを省略した場合,サーバ定義のadb_sql_exe_hashtbl_area_sizeオペランドに指定したハッシュテーブル領域サイズが適用されます。

adbexportコマンドを実行する際に,ハッシュ検索が適用されるSQL文の実行時間を短縮したい場合は,このオプションにハッシュテーブル領域サイズをメガバイト単位で指定します。このオプションの指定値の見積もりについては,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドハッシュテーブル領域サイズの見直しによるSQL文の実行時間の短縮に関するチューニングを参照してください。

このオプションを指定して確保されたハッシュテーブル領域は,adbexportコマンドでハッシュ検索が適用されるSQL文を実行したときだけ使用されます。このオプションとサーバ定義のadb_sql_exe_hashtbl_area_sizeオペランドを同時に指定すると,adbexportコマンド実行時には,このオプションに指定したハッシュテーブル領域サイズが適用されます。サーバ定義のadb_sql_exe_hashtbl_area_sizeオペランドの詳細については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイド性能に関するオペランドを参照してください。

adb_export_hashflt_area_size = ハッシュフィルタ領域サイズ

〜〈整数〉((0〜419,430))(単位:メガバイト)

通常はこのオプションを省略してください。なお,エクスポートオプションadb_export_hashtbl_area_sizeを指定しているかどうかによって,このオプションを省略した場合に適用される値が変わります。

  • エクスポートオプションadb_export_hashtbl_area_sizeを指定している場合

    次に示す値が適用されます。

    エクスポートオプションadb_export_hashtbl_area_sizeの値÷10↑

  • エクスポートオプションadb_export_hashtbl_area_sizeを指定していない場合

    サーバ定義adb_sql_exe_hashflt_area_sizeオペランドの値が適用されます。

adbexportコマンドを実行する際に,ハッシュフィルタが適用されるSQL文の実行時間を短縮したい場合は,このオプションにハッシュフィルタ領域サイズをメガバイト単位で指定します。このオプションの指定値の見積もりについては,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドハッシュフィルタ領域サイズの見直しによるSQL文の実行時間の短縮に関するチューニングを参照してください。

このオプションを指定して確保されたハッシュフィルタ領域は,adbexportコマンドでハッシュフィルタが適用されるSQL文を実行したときだけ使用されます。このオプションとサーバ定義のadb_sql_exe_hashflt_area_sizeオペランドを同時に指定すると,adbexportコマンド実行時には,このオプションに指定したハッシュフィルタ領域サイズが適用されます。サーバ定義のadb_sql_exe_hashflt_area_sizeオペランドの詳細については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイド性能に関するオペランドを参照してください。

(b) 出力結果に関するオプション

adb_export_order_mode = {BYTE|ISO}

SQL記述ファイルにORDER BY句を指定した際の,文字データの並び替え順序を指定します。

このオプションは,サーバ定義のadb_sql_order_modeオペランドで指定した並び替え順序とは異なる順序で,検索結果をエクスポートしたい場合に指定します。

このオプションを省略した場合,SQL記述ファイルにORDER BY句を指定すると,サーバ定義のadb_sql_order_modeオペランドで指定した並び替え順序でエクスポートされます。adb_sql_order_modeオペランドについては,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドサーバ定義の設計サーバ定義のオペランドの内容SQL文に関するオペランド(set形式)を参照してください。

BYTE

文字データがバイトコード順で出力されます。

ISO

文字データがソートコード順(ISO/IEC14651:2011準拠)で出力されます。ただし,HADBサーバの環境変数ADBLANGSJISを指定している場合,ISOは指定できません。