2.2.2 APの状態監視に関するオペランド
- ●adb_clt_rpc_con_wait_time = HADBサーバへの接続処理の完了待ち時間
-
〜〈整数〉((1〜300))《300》(単位:秒)
HADBサーバへの接続処理の完了待ち時間を秒単位で指定します。ここで指定した待ち時間を超えてもHADBサーバへの接続処理が完了しない場合,HADBサーバへの接続処理を中止し,APにエラーリターンします。
通常は,このオペランドを指定する必要はありません。HADBサーバがビジー状態で接続に時間が掛かる場合に,タイムアウト時間を短くするときに指定してください。
- ■JDBCドライバのプロパティにadb_clt_rpc_con_wait_timeを指定している場合
-
JDBCドライバのプロパティのadb_clt_rpc_con_wait_timeには,0を指定することができます。0を指定した場合,デフォルト値が仮定されます。
- ●adb_clt_rpc_sql_wait_time = HADBサーバからの応答待ち時間
-
〜〈整数〉((0〜65,535))《0》(単位:秒)
HADBクライアントからHADBサーバに処理要求をしてから,応答が戻ってくるまでの待ち時間を秒単位で指定します。ここで指定した待ち時間を超えてもHADBサーバから応答がない場合,SQLCODEが-732(KFAA30732-E)のタイムアウトエラーがAPに返されます。このとき,SQL文の処理はキャンセルされ,トランザクションはロールバックされます。そのあと,HADBサーバからAPが切り離されます。
ただし,処理要求をキャンセルしたタイミングや,通信障害などの要因によっては,トランザクションがロールバックされないことがあります。そのため,HADBサーバのメッセージログに出力されるメッセージなどを参照して,結果を確認することを推奨します。
処理時間が長いSQLを監視する場合などに,このオペランドを指定してください。「4.5 APの無応答状態への対策」を参照して,このオペランドに指定する待ち時間を決めてください。
なお,このオペランドを省略した場合,または0を指定した場合,待ち時間は設定されません。
- ■JDBCドライバのプロパティにadb_clt_rpc_sql_wait_timeを指定している場合
-
JDBCドライバのプロパティにadb_clt_rpc_sql_wait_timeを指定している場合は,さらに次の待ち時間も監視対象になります。
-
同一コネクションで複数のSELECT文を同時実行した際に,処理リアルスレッド数不足が発生したときの処理リアルスレッドの確保処理の待ち時間
上記の待ち時間を超えた場合,SQLCODEが-1071570(KFAA71570-E)のタイムアウトエラーがAPに返されます。このとき,SQL文の処理はキャンセルされますが,トランザクションはロールバックされません。また,APはHADBサーバから切り離されません。
adb_clt_rpc_sql_wait_timeを指定する目的については,「7.4.1 データの検索方法」の「(4) 同一コネクションで複数のSELECT文を同時実行する際の注意事項」を参照してください。
-
- ●adb_clt_ap_name = AP識別子
-
〜〈文字列〉((1〜30バイト))《********》
HADBサーバに接続するAPの識別情報(AP識別子)を指定します。
ここで指定したAP識別子は,コネクションの状態を表示するコマンド(adbls -d cnct)の実行結果,メッセージ,およびSQLトレース情報などに表示されます。どのAPが実行されているかを確認するときに必要な情報になります。
AP識別子は環境変数ADBCLTLANGの指定に基づいて認識されるため,文字コードに依存しない半角英数字だけで構成される名称を指定することを推奨します。