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Hitachi Advanced Data Binder AP開発ガイド


6.1.1 アクセスパスとは

アクセスパスとは,HADBがSQL文を実行する際の実行計画のことです。アクセスパスを確認することで,実行するSQL文がどのように処理されるかを確認できます。

〈この項の構成〉

(1) アクセスパス情報の表示例

アクセスパス情報の表示例を次の図に示します。

図6‒1 アクセスパス情報の表示例

[図データ]

[説明]

アクセスパス情報には,ツリー表示,詳細表示,および特定情報表示が表示されます。

  • ツリー表示

    表の検索方式,表の結合方式,作業表に関する情報などがツリー形式で表示されます。関連する項目がツリー状に表示されます。

    問合せごとにアクセスパス情報が表示されます。各問合せには,問合せツリー番号が割り振られます。

    ツリー表示のヘッダとして<<Tree View>>が表示されます。

  • 詳細表示

    ツリー表示で表示された項目の詳細情報が表示されます。ツリー表示に表示されているツリー行番号と,詳細情報に表示されているツリー行番号が対応しています。上記の例では,ツリー表示に表示されているツリー行番号7の詳細情報が,詳細表示に表示されています。

    詳細表示のヘッダとして<<Detail >>が表示されます。

  • コスト情報表示

    SQL文中で参照される実表のうち,コスト情報が取得されている実表に関する情報(表コスト情報)が表示されます。

    コスト情報が取得されている実表の表名,コスト情報を取得したときのHADBサーバのバージョン,コスト情報を取得した日時が表示されます。

    コスト情報表示のヘッダとして<<COST Info>>が表示されます。

  • 特定情報表示

    特定情報表示には,SQL文の特定情報が表示されます。SQL文の特定情報には,アクセスパスの統計情報を取得したSQL文を特定するための情報が表示されます。ここに表示された情報を基に,アクセスパス情報の出力結果とアクセスパスの統計情報の出力結果を対応付けることができます。

    特定情報表示のヘッダとして<<SQL Info >>が表示されます。

    アクセスパスの統計情報については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドアクセスパスの統計情報の出力例と出力項目を参照してください。

メモ

詳細表示およびコスト情報表示は,該当する情報がない場合は出力されません。

■問合せツリー,問合せツリー番号,ツリー行番号

[図データ]

[説明]
  • 問合せツリー

    アクセスパス情報は,問合せ(問合せ指定および表値構成子)ごとに問合せツリーの形式で出力されます。

  • 問合せツリー番号

    各問合せツリーを識別するために,問合せツリーごとに番号(問合せツリー番号)が割り振られます。

    副問合せに対応する問合せツリーの場合は,問合せツリー番号が2以降になります。ただし,次のどちらかの条件を満たす場合は,副問合せに対応する問合せツリーであっても,問合せツリー番号が1以降になります。

    • INSERT文にVALUESを指定し,VALUES中に副問合せを指定した場合

    • PURGE CHUNK文中に副問合せを指定した場合

    メモ
    • 実行するSQL文によっては,問合せツリー番号は1,2,…の順に出力されないことがあります。

    • SQL文中の問合せに含まれない部分の問合せツリーの場合は,問合せツリー番号が0になります。

  • ツリー行番号

    ツリーで表示される行ごとに割り振られた番号です。

(2) アクセスパスの出力対象となるSQL文

アクセスパスの出力対象となるSQL文を次に示します。

上記のSQL文を実行するごとに,アクセスパスが出力されます。