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Hitachi Advanced Data Binder AP開発ガイド


5.11.4 スカラ演算に関する等価変換

探索条件の片方の項に,列指定※1を含むスカラ演算が指定されている場合,スカラ演算の部分が移項されます(片方の項が列指定※1だけになるように探索条件が等価変換されます)。次の条件をすべて満たす場合に,スカラ演算の移項が行われます。

注※1

列指定のほかに,配列値式が列指定でANYを指定した配列要素参照も該当します。配列要素参照の場合も列指定のときと同様に,スカラ演算の部分が移項されて,片方の項が配列要素参照だけになるように探索条件が等価変換されます。

注※2

配列要素参照の場合は,配列値式の結果のデータ型となります。

重要

索条件が等価変換された場合,検索時に使用されるインデクスは等価変換後の探索条件を基に決定されます。

等価変換の例を次に示します。例中のC1は列名を意味しています。

なお,以降では,列指定のときの等価変換の例を記載しています。配列要素参照の場合は,列指定を配列要素参照に置き換えてください。

〈この項の構成〉

(1) 等価変換される例

(a) 例1

[図データ]

[説明]

列指定を含む項に「+10」というスカラ演算があります。このスカラ演算が右辺に移項され,列指定だけの条件に等価変換されます。等価変換後,「列指定 比較演算子 定数」の形式になるため,検索時にインデクスが使用されます。

(b) 例2

[図データ]

[説明]

列指定を含む項に「+1 DAY」というスカラ演算があります。このスカラ演算が右辺に移項され,列指定だけの条件に等価変換されます。等価変換後,「列指定 比較演算子 定数」の形式になるため,検索時にインデクスが使用されます。

(c) 例3

[図データ]

[説明]

列指定を含む項に「+10」というスカラ演算があります。このスカラ演算が右辺に移項され,列指定だけの条件に等価変換されます。等価変換後,「列指定 BETWEEN 定数」の形式になるため,検索時にインデクスが使用されます。

(d) 例4

[図データ]

[説明]

列指定を含む項に「+10」というスカラ演算があります。このスカラ演算が右辺に移項され,列指定だけの条件に等価変換されます。等価変換後,「列指定 IN 定数」の形式になるため,検索時にインデクスが使用されます。

(2) 等価変換されない例

(a) 例1

[図データ]

[説明]

列指定を含むスカラ演算が入れ子になっているため,等価変換されません。

(3) 等価変換の規則

  1. 比較述語で次に示す形式の場合は,スカラ演算の部分が移項され,列指定だけの条件に等価変換されます。

    • 列指定を含むスカラ演算 比較演算子 定数

    • 定数 比較演算子 列指定を含むスカラ演算

    なお,次に示すすべての条件を満たす場合は,等価変換されません。

    • 列指定を含むスカラ演算に,ラベル付き間隔のYEARまたはMONTHが指定されている

    • 比較述語の比較演算子に,<>!=^=のどれかが指定されている

    注※

    列指定のほかに,配列値式が列指定でANYを指定した配列要素参照も該当します。

  2. BETWEEN述語で次に示すどちらかの形式の場合は,スカラ演算の部分が移項され,列指定だけの条件に等価変換されます。

    • 列指定を含むスカラ演算 BETWEEN 定数 AND 定数

    • 列指定を含むスカラ演算 NOT BETWEEN 定数 AND 定数

    なお,次に示すすべての条件を満たす場合は,等価変換されません。

    • 列指定を含むスカラ演算に,ラベル付き間隔のYEARまたはMONTHが指定されている

    • BETWEEN述語でNOT BETWEENが指定されている

    注※

    列指定のほかに,配列値式が列指定でANYを指定した配列要素参照も該当します。

  3. IN述語で次に示すどちらかの形式の場合は,スカラ演算の部分が移項され,列指定だけの条件に等価変換されます。

    • 列指定を含むスカラ演算 IN (定数,…)

    • 列指定を含むスカラ演算 NOT IN (定数,…)

    列指定を含むスカラ演算に,ラベル付き間隔のYEARまたはMONTHが指定されている場合は,等価変換されません。

    注※

    列指定のほかに,配列値式が列指定でANYを指定した配列要素参照も該当します。