18.29.1 監査証跡機能の環境設定
ここでは,監査証跡機能とマルチノード機能の両方を使用する際の環境設定に関する留意事項について説明します。監査証跡機能の環境設定方法については,「12.2 監査証跡機能の環境設定」を参照してください。
- ■監査証跡の出力先ディレクトリの作成
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各ノードに,監査証跡の出力先ディレクトリを作成してください。
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監査証跡の出力先ディレクトリは,各ノードのノードローカルのファイルシステムに作成することを推奨します。
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各ノードのサーバ定義に,adb_audit_log_pathオペランドを指定してください。このオペランドには,監査証跡の出力先ディレクトリを指定します。
- メモ
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監査証跡は,操作が実行されたノードに出力されます。そのため,監査証跡の出力先ディレクトリをノードごとに作成し,そのディレクトリ名をadb_audit_log_pathオペランドに指定する必要があります。
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- ■監査証跡の保存先ディレクトリを作成するファイルシステムの準備
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監査証跡を検索する際に使用するADB_AUDITREAD関数中に指定する監査証跡ファイルのパスが,全ノードから同じ絶対パスで参照できるように環境を構築してください。
- 重要
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全ノードから同じ絶対パスで監査証跡ファイルを参照できない場合,監査証跡を検索するSQL文を実行するトランザクションが割り当てられたノードによって,検索結果が異なることがあります。
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ADB_AUDITREAD関数中に,検索対象の監査証跡ファイルの絶対パスを指定する必要があります。
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全ノードで共有のファイルシステムに監査証跡の保存先ディレクトリを作成してください。例として,分散ファイルシステムの一つであるNFSを使用したときの環境設定方法を説明します。
手順
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NFSサーバを用意し,NFSサーバ上で監査証跡の保存先ディレクトリを作成してください。
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手順の1.で作成した監査証跡の保存先ディレクトリをエクスポートしてください。
この操作は,NFSサーバで実行します。
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手順の2.でエクスポートしたディレクトリを,全ノードで同じパスとなるようにマウントしてください。
この操作は,全ノードで実行します。
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各ノードの監査証跡の出力先ディレクトリ下に出力された監査証跡ファイルを,NFSサーバ上の監査証跡の保存先ディレクトリに移動してください。
この操作は,全ノードで実行します。
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監査証跡の保存先ディレクトリ下に格納されている監査証跡ファイルのパスを,ADB_AUDITREAD関数に指定して監査証跡を検索します。
NFSを使用したシステム構成例を次の図に示します。
図18‒13 NFSを使用したシステム構成例 - 注
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上記は,HAモニタありのマルチノード構成のシステム構成例です。HAモニタなしのマルチノード構成の場合は,セカンダリノードをワーカーノードに読み替えてください。