18.16.3 マルチノード構成へのノードの復帰
マルチノード構成から切り離されたノードを,マルチノード構成に復帰させる手順を説明します。
(1) マルチノード構成にノードを復帰させる際の留意事項
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サーバ定義の次のオペランドの指定値を変更することはできません。
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adb_sys_rthd_num
また,全ノードで指定値を同じにする必要があるオペランド,およびプライマリノードとセカンダリノードで指定値を同じにする必要があるオペランドについても,指定値を変更することはできません。全ノードで指定値を同じにする必要があるオペランド,およびプライマリノードとセカンダリノードで指定値を同じにする必要があるオペランドについては,「18.4.5 各ノードでのサーバ定義の作成」の「(2) 全ノードで指定値を同じにする必要があるオペランド」および「(3) プライマリノードとセカンダリノードで指定値を同じにする必要があるオペランド」を参照してください。
上記のオペランド以外についても,必要のない場合は指定値を変更しないでください。
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次に示す条件を1つでも満たす場合は,マルチノード構成にノードを復帰させることはできません。次に示す処理の完了後にノードの復帰操作を実行してください。
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マルチノード構成のHADBサーバの中に,終了処理中のHADBサーバが存在する場合
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プライマリノードの切り替え処理中の場合
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マルチノード構成に復帰処理中のノードが存在する場合
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マルチノード構成に追加処理中のワーカーノードが存在する場合
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HADBサーバに接続中のAPまたはコマンドが存在する場合
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(2) マルチノード構成にノードを復帰させる手順
マルチノード構成にノードを復帰させる手順を次に示します。
手順
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HAモニタのmonshowコマンドを復帰対象のノードで実行する
HAモニタの監視が停止していることを確認してください。
- 重要
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以降の手順は,HAモニタの監視が停止していることを確認してから実施してください。誤って,手順3.のadbstartコマンドを実行する前に,手順4.のHAモニタのmonbeginコマンドを実行してしまった場合は,HAモニタのmonendコマンドを実行してください(HAモニタの監視,および起動中のHADBサーバを停止してください)。そのあとに,マルチノード構成にノードを復帰させる手順を最初から実施してください。
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adbchgsrvmode --maintenanceコマンドをプライマリノードで実行する
プライマリノードのHADBサーバの稼働モードをメンテナンスモードに変更してください。または,実行中のトランザクションが存在しない状態にしてください。
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adbstartコマンドを復帰対象のノードで実行する
adbstartコマンドの実行後,HAモニタのmonbeginコマンドの実行を要求するKFAA91109-Iメッセージが出力されます。
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HAモニタのmonbeginコマンドを復帰対象のノードで実行する
KFAA91109-Iメッセージの出力を確認したあとに,別のターミナル(コマンド入力画面)から,monbeginコマンドを実行してください。
- 重要
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adbstartコマンドが終了する前に,monbeginコマンドを実行してください。
adbstartコマンドが正常終了すると,マルチノード構成へのノードの復帰処理が完了します。
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adbchgsrvmode --normalコマンドをプライマリノードで実行する
手順2.で,プライマリノードのHADBサーバの稼働モードをメンテナンスモードに変更した場合は,稼働モードを通常モードに戻してください。
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adbls -d nodeコマンドを任意のノードで実行する
コマンドの実行結果のNODE_TYPE欄を参照して,プライマリノードが1つ存在することを確認してください。もし,すべてのノードがセカンダリノードになっている場合は,プライマリノードにしたいノードでHAモニタのmonactコマンドを実行してください。monactコマンドを実行したノードがプライマリノードになります。
- メモ
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手順2.で,KFAA91109-Iメッセージの出力前にmonbeginコマンドを実行し,かつその瞬間にプライマリノードが停止した場合,すべてのノードがセカンダリノードになる可能性があります。
なお,マルチノード構成に復帰させたノードは必ずセカンダリノードになります。復帰させたノードをプライマリノードにしたい場合は,「(3) 復帰させたノードをプライマリノードに切り替える手順」を参照してください。
- 重要
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同義語検索を行っている場合は,ノードを復帰したあとに同義語辞書ファイルの同期を取る必要があります。同義語辞書ファイルの同期を取る方法については,「18.28.5 同義語辞書ファイルの同期を取る」を参照してください。
- メモ
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監査証跡機能が有効な場合は,ノードの復帰が完了したあとに,そのノードでの監査証跡の出力が自動的に再開されます。監査証跡機能が無効な場合は,復帰対象ノードのHADBサーバが前回稼働時に監査証跡機能が有効であっても,監査証跡機能が無効な状態でマルチノード構成に復帰します。
(3) 復帰させたノードをプライマリノードに切り替える手順
復帰させたノードをプライマリノードに切り替える手順を説明します。系のリセットを使用している場合と,共有ディスクのSCSIリザーブを使用している場合とで手順が異なります。
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手順(系のリセットを使用している場合)
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マルチノード構成から切り離されていたノード(元のプライマリノード)を,マルチノード構成に復帰させる
マルチノード構成に復帰させたノードはセカンダリノードになります。
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HAモニタのmonswapコマンドを現在のプライマリノードで実行する
現在のプライマリノードのHADBサーバは終了し,手順1.で復帰させたノードがプライマリノードに切り替わります。
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adbls -d nodeコマンドを任意のノードで実行する
コマンドの実行結果のNODE_TYPE欄を参照して,プライマリノードが切り替わったことを確認してください。プライマリノードの切り替えが完了しないと,次の操作ができません。
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手順2.で終了したノードをマルチノード構成に復帰させる
復帰手順については,「(2) マルチノード構成にノードを復帰させる手順」を参照してください。
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手順(共有ディスクのSCSIリザーブを使用している場合)
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マルチノード構成から切り離されていたノード(元のプライマリノード)を,マルチノード構成に復帰させる
マルチノード構成に復帰させたノードはセカンダリノードになります。
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adbstop --cancel --nodeコマンドをプライマリノードで実行する
プライマリノードが正常終了します。
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HAモニタのmonswapコマンドを実行する
手順2.で終了したノードで上記のコマンドを実行すると,手順1.で復帰させたノードがプライマリノードに切り替わります。
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adbls -d nodeコマンドを任意のノードで実行する
コマンドの実行結果のNODE_TYPE欄を参照して,プライマリノードが切り替わったことを確認してください。プライマリノードの切り替えが完了しないと,次の操作ができません。
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手順2.で終了したノードをマルチノード構成に復帰させる
復帰手順については,「(2) マルチノード構成にノードを復帰させる手順」を参照してください。
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