10.10.2 コネクションの稼働情報の運用方法
コネクションの稼働情報では,HADBサーバに接続しているコネクションごとの稼働状況を確認できます。
サーバ定義に指定したオペランドの値を変更したり,AP,コマンドおよびSQL文の実行方法を変更したりする場合などに,コネクションの稼働情報を利用できます。
(1) コネクションの稼働情報の出力と関連情報の取得
adbstatコマンドを実行すると,コネクションの稼働情報が出力されます。出力される情報は,前回出力した情報からの差分になります。HADBサーバに接続しているコネクションごとの稼働状況を時系列に確認したい場合,AP,コマンドおよびSQL文の実行中に,定期的にコネクションの稼働情報を出力することを推奨します。
- ■コネクションの稼働情報を出力する方法
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マニュアルHADB コマンドリファレンスのadbstat(HADBサーバの統計解析)の使用例の特定のAPの稼働状況を調べる場合を参照してください。
また,コネクションの稼働情報を出力するときに,次に示す関連情報もあわせて取得することを推奨します。
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サーバメッセージログファイル
OSのcpコマンドなどでコピーして取得してください。サーバメッセージログファイルの格納先は,「10.4.2 メッセージログの参照方法(メッセージログの出力先)」を参照してください。
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AP識別子
実行中のAPやコマンドに設定されたAP識別子は,adbls -d cnctコマンドで確認してください。APの場合,クライアント定義adb_clt_ap_nameオペランドで指定されたAP識別子が出力されます。
adbls -d cnctコマンドについては,マニュアルHADB コマンドリファレンスのadbls -d cnct(コネクションの状態表示)を参照してください。
クライアント定義adb_clt_ap_nameオペランドについては,マニュアルHADB AP開発ガイドのAPの状態監視に関するオペランドを参照してください。
- メモ
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複数のAPがある場合,各APが使用するクライアント定義adb_clt_ap_nameオペランドには,それぞれ異なるAP識別子を指定することを推奨します。
(2) コネクションの稼働情報と関連情報の利用方法
定期的に,コネクションの稼働情報と関連情報を取得しておくことで,HADBサーバに接続しているコネクションごとの稼働状況を確認できます。取得したコネクションの稼働情報と関連情報は,チューニングを実施するときに利用できます。
■コネクションの稼働情報と関連情報の利用方法
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コネクションの稼働情報を確認する
「コネクションの稼働情報」に出力される情報のうち,次に示す情報を確認してください。
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Timestamp(コネクションの稼働情報の出力日時)
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AP_name(AP識別子)
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サーバメッセージログファイルと突き合わせる
手順1.で確認したTimestampと,サーバメッセージログファイル内のメッセージの出力日時を突き合わせてください。Timestampと出力日時を突き合わせることで,対象のコネクションがどのような処理を行っていたかを確認できます。
また,手順1.で確認したAP_nameと,サーバメッセージログファイル内のKFAA81000-IメッセージのAP識別子を突き合わせてください。AP_nameとAP識別子を突き合わせることで,対象のAPやコマンドを確認できます。
コネクションの稼働情報と関連情報の利用イメージを,次の図に示します。
また,コネクションの稼働情報と関連情報は,次に示すチューニングを実施するときに利用できます。