8.2.4 HADBオプションのインストール手順
ここでは,HADBオプションのインストール手順について説明します。
- 重要
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HADBオプションをインストールする前に,HADBオプションのバージョンに対応するHADBサーバをインストールして,サーバディレクトリを作成しておく必要があります。HADBオプションのインストール時に,HADBオプションとHADBサーバのバージョンが対応しているかどうかのチェックが実行されます。バージョンが対応していない場合は,KFAA91581-Eメッセージが出力されてHADBオプションのインストールがエラーになります。
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HADBオプションのインストールは,HADBサーバを終了したあとに実施してください。
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HADBオプションのインストールの操作中にrootのパスワードの入力が必要になるため,rootのパスワードを事前に設定しておいてください。
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- 〈この項の構成〉
(1) HADBオプションのインストール前に実施する作業
/usr/local/lib64ディレクトリがあるかどうかを確認してください。
- ■/usr/local/lib64ディレクトリがない場合
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rootで/usr/local/lib64ディレクトリを作成してください。
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HADB管理者に対して,/usr/local/lib64ディレクトリに対する読み取り権限と実行権限を付与してください。
ただし,HADB管理者がrootのときは作業不要です。
rootで次のコマンドを実行してください。
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HADB管理者がその他のOSユーザの場合(HADB管理者がrootではない場合またはrootグループに所属していない場合)
chmod o+rx /usr/local/lib64
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HADB管理者がrootグループに所属しているOSユーザの場合
chmod g+rx /usr/local/lib64
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- ■/usr/local/lib64ディレクトリがある場合
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ファイルのバックアップを取得してください。
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AWS環境の場合
次のファイルのバックアップを取得してください。ただし,次のファイルがないときは作業不要です。
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libaws-cpp-sdk-s3-crt.so
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libaws-cpp-sdk-core.so
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Azure環境の場合
次のファイルのバックアップを取得してください。ただし,次のファイルがないときは作業不要です。
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libazure-storage-blobs.so
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libazure-storage-common.so
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libazure-identity.so
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libazure-core.so
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rootに対して,/usr/local/lib64ディレクトリへの読み取り権限,書き込み権限,および実行権限を付与してください。
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HADB管理者に対して,読み取り権限と実行権限を付与してください。
ただし,HADB管理者がrootのときは作業不要です。
rootで次のコマンドを実行してください。
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HADB管理者がその他のOSユーザの場合(HADB管理者がrootではない場合またはrootグループに所属していない場合)
chmod o+rx /usr/local/lib64
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HADB管理者がrootグループに所属しているOSユーザの場合
chmod g+rx /usr/local/lib64
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(2) HADBオプションのインストール手順(AWS環境の場合)
AWS環境でのHADBオプションのインストール手順について説明します。
手順
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HADB管理者のOSアカウントでOSにログインする
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インストールデータを格納するディレクトリを作成する
mkdir /home/adbmanager/install
上記の例では,HADBオプションのインストールデータを格納するディレクトリとして,/home/adbmanager/installを作成しています。
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インストールデータを格納するディレクトリに書き込み権限を付与する
chmod 755 /home/adbmanager/install
HADB管理者が書き込みできるように,インストールデータを格納するディレクトリ(この例では/home/adbmanager/install)に対して,書き込み権限を付与します。
-
CD-ROMファイルシステムをマウントする
HADBオプションのインストールデータが格納されているCD-ROMファイルシステムを自動マウントしてください。CD-ROMファイルシステムが自動マウントされない場合,次のコマンドを実行してCD-ROMファイルシステムをマウントしてください。
mount /dev/cdrom /media
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
- 重要
-
CD-ROMのディレクトリ名やファイル名は,ご使用の環境によっては,ここの説明内容と表示が異なることがあります。OSのlsコマンドを実行して,表示されたディレクトリ名をそのまま入力してください。
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インストールデータをコピーする
マウントしたCD-ROMファイルシステムに格納されている次のファイルを,手順2.で作成したインストールデータを格納するディレクトリにコピーしてください。
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tar.gz形式のファイル
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adboptinstallコマンドの実行形式ファイル
cp /media/hitachi_advanced_data_binder_s3option-$VER.tar.gz /home/adbmanager/install ...a cp /media/adboptinstall /home/adbmanager/install ...b
[説明]
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tar.gz形式のファイル(AWS用のHADBオプションのプログラムの圧縮ファイル)をコピーします。
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adboptinstallコマンドの実行形式ファイル(HADBオプションのインストールコマンド)をコピーします。
上記の例では,2つのファイルを/home/adbmanager/installディレクトリ下にコピーしています。
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
$VERは,HADBオプションのバージョンとリリース番号です。
- 重要
-
上記の2つのファイルは,必ず同じディレクトリにコピーしてください。同じディレクトリにコピーしないと,HADBオプションのインストールが実行できません。
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コピーしたファイルが破損していないことを確認する
手順5.でコピーしたファイルが破損していないことを確認します。次のコマンドを実行してください。
cd /home/adbmanager/install sha256sum -c /media/adbhashfile_s3option_sha256.txt
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
CD-ROMファイルシステムに格納されているadbhashfile_s3option_sha256.txtファイルを使用して,コピーした各ファイルのハッシュ値をチェックします。
ファイルが破損しているおそれがある(ファイルのハッシュ値が異なる)場合は,エラーを示すメッセージが出力されます。この場合,手順5.から作業をし直してください。
出力されるメッセージの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
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権限を付与する
HADB管理者がadboptinstallコマンド(HADBオプションのインストールコマンド)を実行できるように,adboptinstallコマンドに対する読み取り権限と実行権限を付与してください。
また,tar.gz形式のファイルに対する読み取り権限も付与してください。
chmod 500 /home/adbmanager/install/adboptinstall chmod 400 /home/adbmanager/install/hitachi_advanced_data_binder_s3option-$VER.tar.gz
$VERは,HADBオプションのバージョンとリリース番号です。
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HADBオプションをインストールする
adboptinstallコマンドを実行して,AWS用のHADBオプションをインストールしてください。
/home/adbmanager/install/adboptinstall s3option
下線部分には,手順2.で作成したインストールデータを格納するディレクトリを指定します。
環境変数ADBDIRに指定したサーバディレクトリ下にHADBオプションがインストールされます。
- 重要
-
adboptinstallコマンドを実行すると,OSのsuコマンドを使用してAWS SDK for C++ライブラリもインストールされます。このとき,rootのパスワードの入力を要求するOSのメッセージが出力されます。メッセージに従いパスワードを入力してください。なお,OSのsuコマンドの実行に失敗するとadboptinstallコマンドのリターンコードは8となります。
なお,rootのパスワードが設定できない環境の場合,suコマンドが実行された際にrootのパスワードが入力できないため,adboptinstallコマンドによるAWS SDK for C++ライブラリのインストールができません。そのため,KFAA91585-Qメッセージ(AWS SDK for C++ライブラリのインストールを実行するかどうかを応答するメッセージ)が出力されたときは,nまたはN(インストールを実行しない)を応答してください。この場合,「(4) AWS SDK for C++ライブラリのインストール手順」に示す手順に従って,AWS SDK for C++ライブラリを必ずインストールしてください。
- メモ
-
-
KFAA91581-Eメッセージが出力されて,adboptinstallコマンドがエラーになった場合は,「(6) インストールの操作中にKFAA91581-Eメッセージが出力された場合」を参照してください。
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adboptinstallコマンドを実行した際にKFAA91558-Wメッセージ(警告メッセージ)が出力された場合は,「(7) インストールの操作中にKFAA91558-Wメッセージが出力された場合」を参照してください。
-
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HADBオプションが正常にインストールされていることを確認する(その1)
次のファイルが格納されていることを確認してください。
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$ADBDIR/lib/libadbcldstge-aws.so
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/usr/local/lib64/libaws-cpp-sdk-s3-crt.so
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/usr/local/lib64/libaws-cpp-sdk-core.so
下線部分は,サーバディレクトリのパス名です。
-
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HADBオプションが正常にインストールされていることを確認する(その2)
サーバディレクトリ直下にadboptinst_s3option.logファイルが格納されていることを確認してください。
adboptinst_s3option.logファイルを開き,内容を確認してください。HADBオプションが正常にインストールされている場合は,次のどちらかの情報が記載されています。
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P-aaaa-bbbb Hitachi Advanced Data Binder vv-rr (yyyymmddhhmmss)
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P-aaaa-bbbb Hitachi Advanced Data Binder vv-rr-/s (yyyymmddhhmmss)
P-aaaa-bbbbは,HADBサーバのPP形名情報を示しています。
vv-rrまたはvv-rr-/sは,HADBサーバのバージョンを示しています。
yyyymmddhhmmssは,HADBオプションのインストールの実行日と時刻を示しています。
- メモ
-
-
adboptinst_s3option.logファイルがすでにある状態のときにadboptinstallコマンドを実行すると,adboptinst_s3option.logファイルの内容が更新されます。また,adboptinstallコマンドを複数回実行した場合,最後に実行した日付と時刻が記載されます。
-
adboptinstallコマンドのリターンコード(KFAA91552-Iメッセージに出力されるリターンコード)が0または4以外の場合,adboptinst_s3option.logファイルの内容は更新されません。
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(3) HADBオプションのインストール手順(Azure環境の場合)
Azure環境でのHADBオプションのインストール手順について説明します。
手順
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HADB管理者のOSアカウントでOSにログインする
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インストールデータを格納するディレクトリを作成する
mkdir /home/adbmanager/install
上記の例では,HADBオプションのインストールデータを格納するディレクトリとして,/home/adbmanager/installを作成しています。
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インストールデータを格納するディレクトリに書き込み権限を付与する
chmod 755 /home/adbmanager/install
HADB管理者が書き込みできるように,インストールデータを格納するディレクトリ(この例では/home/adbmanager/install)に対して,書き込み権限を付与します。
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CD-ROMファイルシステムをマウントする
HADBオプションのインストールデータが格納されているCD-ROMファイルシステムを自動マウントしてください。CD-ROMファイルシステムが自動マウントされない場合,次のコマンドを実行してCD-ROMファイルシステムをマウントしてください。
mount /dev/cdrom /media
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
- 重要
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CD-ROMのディレクトリ名やファイル名は,ご使用の環境によっては,ここの説明内容と表示が異なることがあります。OSのlsコマンドを実行して,表示されたディレクトリ名をそのまま入力してください。
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インストールデータをコピーする
マウントしたCD-ROMファイルシステムに格納されている次のファイルを,手順2.で作成したインストールデータを格納するディレクトリにコピーしてください。
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tar.gz形式のファイル
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adboptinstallコマンドの実行形式ファイル
cp /media/hitachi_advanced_data_binder_azoption-$VER.tar.gz /home/adbmanager/install ...a cp /media/adboptinstall /home/adbmanager/install ...b
[説明]
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tar.gz形式のファイル(Azure用のHADBオプションのプログラムの圧縮ファイル)をコピーします。
-
adboptinstallコマンドの実行形式ファイル(HADBオプションのインストールコマンド)をコピーします。
上記の例では,2つのファイルを/home/adbmanager/installディレクトリ下にコピーしています。
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
$VERは,HADBオプションのバージョンとリリース番号です。
- 重要
-
上記の2つのファイルは,必ず同じディレクトリにコピーしてください。同じディレクトリにコピーしないと,HADBオプションのインストールが実行できません。
-
-
コピーしたファイルが破損していないことを確認する
手順5.でコピーしたファイルが破損していないことを確認します。次のコマンドを実行してください。
cd /home/adbmanager/install sha256sum -c /media/adbhashfile_azoption_sha256.txt
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
CD-ROMファイルシステムに格納されているadbhashfile_azoption_sha256.txtファイルを使用して,コピーした各ファイルのハッシュ値をチェックします。
ファイルが破損しているおそれがある(ファイルのハッシュ値が異なる)場合は,エラーを示すメッセージが出力されます。この場合,手順5.から作業をし直してください。
出力されるメッセージの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
-
権限を付与する
HADB管理者がadboptinstallコマンド(HADBオプションのインストールコマンド)を実行できるように,adboptinstallコマンドに対する読み取り権限と実行権限を付与してください。
また,tar.gz形式のファイルに対する読み取り権限も付与してください。
chmod 500 /home/adbmanager/install/adboptinstall chmod 400 /home/adbmanager/install/hitachi_advanced_data_binder_azoption-$VER.tar.gz
$VERは,HADBオプションのバージョンとリリース番号です。
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HADBオプションをインストールする
adboptinstallコマンドを実行して,Azure用のHADBオプションをインストールしてください。
/home/adbmanager/install/adboptinstall azoption
下線部分には,手順2.で作成したインストールデータを格納するディレクトリを指定します。
環境変数ADBDIRに指定したサーバディレクトリ下にHADBオプションがインストールされます。
- 重要
-
adboptinstallコマンドを実行すると,OSのsuコマンドを使用してAzure SDK for C++ライブラリもインストールされます。このとき,rootのパスワードの入力を要求するOSのメッセージが出力されます。メッセージに従いパスワードを入力してください。なお,OSのsuコマンドの実行に失敗するとadboptinstallコマンドのリターンコードは8となります。
なお,rootのパスワードが設定できない環境の場合,suコマンドが実行された際にrootのパスワードが入力できないため,adboptinstallコマンドによるAzure SDK for C++ライブラリのインストールができません。そのため,KFAA91585-Qメッセージ(Azure SDK for C++ライブラリのインストールを実行するかどうかを応答するメッセージ)が出力されたときは,nまたはN(インストールを実行しない)を応答してください。この場合,「(5) Azure SDK for C++ライブラリのインストール手順」に示す手順に従って,Azure SDK for C++ライブラリを必ずインストールしてください。
- メモ
-
-
KFAA91581-Eメッセージが出力されて,adboptinstallコマンドがエラーになった場合は,「(6) インストールの操作中にKFAA91581-Eメッセージが出力された場合」を参照してください。
-
adboptinstallコマンドを実行した際にKFAA91558-Wメッセージ(警告メッセージ)が出力された場合は,「(7) インストールの操作中にKFAA91558-Wメッセージが出力された場合」を参照してください。
-
-
HADBオプションが正常にインストールされていることを確認する(その1)
次のファイルが格納されていることを確認してください。
-
$ADBDIR/lib/libadbcldstge-azure.so
-
/usr/local/lib64/libazure-storage-blobs.so
-
/usr/local/lib64/libazure-storage-common.so
-
/usr/local/lib64/libazure-identity.so
-
/usr/local/lib64/libazure-core.so
下線部分は,サーバディレクトリのパス名です。
-
-
HADBオプションが正常にインストールされていることを確認する(その2)
サーバディレクトリ直下にadboptinst_azoption.logファイルが格納されていることを確認してください。
adboptinst_azoption.logファイルを開き,内容を確認してください。HADBオプションが正常にインストールされている場合は,次のどちらかの情報が記載されています。
-
P-aaaa-bbbb Hitachi Advanced Data Binder vv-rr (yyyymmddhhmmss)
-
P-aaaa-bbbb Hitachi Advanced Data Binder vv-rr-/s (yyyymmddhhmmss)
P-aaaa-bbbbは,HADBサーバのPP形名情報を示しています。
vv-rrまたはvv-rr-/sは,HADBサーバのバージョンを示しています。
yyyymmddhhmmssは,HADBオプションのインストールの実行日と時刻を示しています。
- メモ
-
-
adboptinst_azoption.logファイルがすでにある状態のときにadboptinstallコマンドを実行すると,adboptinst_azoption.logファイルの内容が更新されます。また,adboptinstallコマンドを複数回実行した場合,最後に実行した日付と時刻が記載されます。
-
adboptinstallコマンドのリターンコード(KFAA91552-Iメッセージに出力されるリターンコード)が0または4以外の場合,adboptinst_azoption.logファイルの内容は更新されません。
-
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(4) AWS SDK for C++ライブラリのインストール手順
rootのパスワードが入力できないためにAWS SDK for C++ライブラリをインストールできなかった場合は,次の手順でAWS SDK for C++ライブラリをインストールしてください。
インストールCD-ROM中のHADBオプションのtar.gz形式のファイルに格納されているAWS SDK for C++ライブラリをインストールしてください。
手順
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rootユーザでログインする
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次のファイルのバックアップを取得する
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/usr/local/lib64/libaws-cpp-sdk-core.so
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/usr/local/lib64/libaws-cpp-sdk-s3-crt.so
-
-
インストールCD-ROMに格納されている次のファイルを解凍する
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hitachi_advanced_data_binder_s3option-$VER.tar.gz
$VERは,HADBオプションのバージョンとリリース番号です。
tar xvfp hitachi_advanced_data_binder_s3option-$VER.tar.gz
-
-
次のライブラリを/usr/local/lib64にコピーまたは上書きコピーする
-
libaws-cpp-sdk-core.so
-
libaws-cpp-sdk-s3-crt.so
<コピーの場合>
cp hitachi_advanced_data_binder_s3option_$VER/aws/lib/libaws-cpp-sdk-core.so /usr/local/lib64 cp hitachi_advanced_data_binder_s3option_$VER/aws/lib/libaws-cpp-sdk-s3-crt.so /usr/local/lib64
<上書きコピーの場合>
cp -f -p hitachi_advanced_data_binder_s3option_$VER/aws/lib/libaws-cpp-sdk-core.so /usr/local/lib64 cp -f -p hitachi_advanced_data_binder_s3option_$VER/aws/lib/libaws-cpp-sdk-s3-crt.so /usr/local/lib64
-
-
コピーしたファイルの所有者とグループをrootに変更する
chown root libaws-cpp-sdk-core.so chown root libaws-cpp-sdk-s3-crt.so chgrp root libaws-cpp-sdk-core.so chgrp root libaws-cpp-sdk-s3-crt.so
-
手順の3.で解凍したときに作成された次のディレクトリを削除する
-
hitachi_advanced_data_binder_s3option_$VER
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(5) Azure SDK for C++ライブラリのインストール手順
rootのパスワードが入力できないためにAzure SDK for C++ライブラリをインストールできなかった場合は,次の手順でAzure SDK for C++ライブラリをインストールしてください。
インストールCD-ROM中のHADBオプションのtar.gz形式のファイルに格納されているAzure SDK for C++ライブラリをインストールしてください。
手順
-
rootユーザでログインする
-
次のファイルのバックアップを取得する
-
/usr/local/lib64/libazure-storage-blobs.so
-
/usr/local/lib64/libazure-storage-common.so
-
/usr/local/lib64/libazure-identity.so
-
/usr/local/lib64/libazure-core.so
-
-
インストールCD-ROMに格納されている次のファイルを解凍する
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hitachi_advanced_data_binder_azoption-$VER.tar.gz
$VERは,HADBオプションのバージョンとリリース番号です。
tar xvfp hitachi_advanced_data_binder_azoption-$VER.tar.gz
-
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展開されたディレクトリ下のライブラリを/usr/local/lib64にコピーまたは上書きコピーする
<コピーの場合>
cp hitachi_advanced_data_binder_azoption_$VER/azure/lib/libazure-storage-blobs.so /usr/local/lib64 cp hitachi_advanced_data_binder_azoption_$VER/azure/lib/libazure-storage-common.so /usr/local/lib64 cp hitachi_advanced_data_binder_azoption_$VER/azure/lib/libazure-identity.so /usr/local/lib64 cp hitachi_advanced_data_binder_azoption_$VER/azure/lib/libazure-core.so /usr/local/lib64
<上書きコピーの場合>
cp -f -p hitachi_advanced_data_binder_azoption_$VER/azure/lib/libazure-storage-blobs.so /usr/local/lib64 cp -f -p hitachi_advanced_data_binder_azoption_$VER/azure/lib/libazure-storage-common.so /usr/local/lib64 cp -f -p hitachi_advanced_data_binder_azoption_$VER/azure/lib/libazure-identity.so /usr/local/lib64 cp -f -p hitachi_advanced_data_binder_azoption_$VER/azure/lib/libazure-core.so /usr/local/lib64
-
コピーしたファイルの所有者とグループをrootに変更する
chown root libazure-storage-blobs.so chown root libazure-storage-common.so chown root libazure-identity.so chown root libazure-core.so chgrp root libazure-storage-blobs.so chgrp root libazure-storage-common.so chgrp root libazure-identity.so chgrp root libazure-core.so
-
手順の3.で解凍したときに作成された次のディレクトリを削除する
-
hitachi_advanced_data_binder_azoption_$VER
-
(6) インストールの操作中にKFAA91581-Eメッセージが出力された場合
次のディレクトリに対する読み取り権限,書き込み権限,および実行権限がない場合,adboptinstallコマンドがエラーになり,KFAA91581-Eメッセージが出力されます。この場合,ディレクトリに対する読み取り権限,書き込み権限,および実行権限を付与してください。
-
環境変数ADBDIRに指定したサーバディレクトリ
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$ADBDIR/libディレクトリ
また,環境変数ADBDIRに指定したパスにサーバディレクトリが存在しない場合も,adboptinstallコマンドがエラーになり,KFAA91581-Eメッセージが出力されます。この場合,環境変数ADBDIRに正しいサーバディレクトリのパスを指定してください。
(7) インストールの操作中にKFAA91558-Wメッセージが出力された場合
HADB管理者のOSアカウントではなく,rootでadboptinstallコマンドを実行した場合は,警告メッセージ(KFAA91558-Wメッセージ)が出力されます。通常,HADB管理者のOSアカウントで,adboptinstallコマンドを実行します。そのため,KFAA91558-Wメッセージが出力された場合は,rootでadboptinstallコマンドを実行して問題がないかどうかを確認してください。
問題がある場合は,KFAA91558-Wメッセージが出力されたあとに出力されるKFAA91559-Qメッセージの入力要求に対して,n(またはN)を入力してください。そのあとで,HADB管理者のOSアカウントでadboptinstallコマンドを実行してください。
また,root以外のスーパユーザでadboptinstallコマンドを実行した場合は,KFAA91558-Wメッセージは出力されません。
- メモ
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rootは,OSのid -uコマンドを実行して表示される値が0のユーザを指します。また,OSのsuコマンドを使用して,ほかのOSユーザからrootに切り替えたあとで,OSのid -uコマンドを実行して表示される値が0のときも含みます。