7.2.4 状態監視に関するオペランド(set形式)
- [26] adb_sys_max_users_wrn_pnt = 最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機〔,警告メッセージの出力済み状態のリセット契機〕
-
このオペランドを指定すると,adb_sys_max_usersオペランドで指定した最大同時接続数の残り枠が少なくなったときに,警告メッセージKFAA40020-Wが出力されます。
- 最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機:
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~〈整数〉((0~100))《0》(単位:%)
警告メッセージKFAA40020-Wの出力契機を,adb_sys_max_usersオペランドの指定値(最大同時接続数)に対する比率で指定します。例えば,adb_sys_max_usersオペランドに200を指定している場合に,最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機に90を指定すると,HADBサーバへの接続数が180(200の90%の値)以上になったときに警告メッセージが出力されます。
なお,最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機に0を指定した場合,警告メッセージは出力されません。
- 警告メッセージの出力済み状態のリセット契機:
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~〈整数〉((0~99))(単位:%)
警告メッセージKFAA40020-Wの出力済み状態のリセット契機を,adb_sys_max_usersオペランドの指定値(最大同時接続数)に対する比率で指定します。警告メッセージは一度出力されると,警告メッセージ出力済み状態となり,HADBサーバへの接続数がある一定の値を下回らないかぎり警告メッセージは再出力されません。
- メモ
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adb_sys_max_users_wrn_pntオペランドの指定値と警告メッセージの出力の関係を次に示します。
adb_sys_max_users = 200 adb_sys_max_users_wrn_pnt = 90,70
上記のようにオペランドを指定した場合,HADBサーバへの接続数が180(200の90%の値)以上になったときに警告メッセージが出力されます。その後,HADBサーバへの接続数がいったん170に下がったあとに再度180以上になっても,警告メッセージは出力されません。
HADBサーバへの接続数が,140(200の70%の値)以下に下がった場合は,警告メッセージの出力済み状態がリセットされるため,HADBサーバへの接続数が再度180以上になったときに警告メッセージが出力されます。
警告メッセージの出力済み状態のリセット契機に関する留意事項を次に示します。
-
リセット契機の指定を省略した場合,「最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機-30」の値が仮定されます。その値がマイナスになる場合は,0が仮定されます。
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「最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機 > 警告メッセージの出力済み状態のリセット契機」となるように指定してください。この条件を満たさない場合,リセット契機の指定は無効になります(警告メッセージKFAA40022-Wが出力されます)。このとき,リセット契機には,「最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機-30」が仮定されます。
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最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機に0を指定した場合,リセット契機の指定は無効になります。
- [マルチノード機能]
-
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マルチノード機能を使用する場合は,全ノードのHADBサーバでこのオペランドの指定値を同じにしてください。
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警告メッセージKFAA40020-Wは,プライマリノードに出力されます。
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- [27] adb_sys_memory_limit_wrn_pnt = HADBサーバのメモリ使用量に関する警告メッセージの出力契機〔,警告メッセージの出力済み状態のリセット契機〕
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このオペランドを指定すると,HADBサーバが使用できるメモリの残容量が少なくなったときに,警告メッセージKFAA40021-Wが出力されます。
なお,adb_sys_memory_limitオペランドが指定されている場合に限り,adb_sys_memory_limit_wrn_pntオペランドの指定が有効になります。
- HADBサーバのメモリ使用量に関する警告メッセージの出力契機:
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~〈整数〉((0~100))《0》(単位:%)
警告メッセージKFAA40021-Wの出力契機を,adb_sys_memory_limitオペランドの指定値(HADBサーバが使用するメモリの最大サイズ)に対する比率で指定します。例えば,adb_sys_memory_limitオペランドに64,000メガバイトを指定している場合に,HADBサーバのメモリ使用量に関する警告メッセージの出力契機に90を指定すると,HADBサーバのメモリ使用量が57,600メガバイト(64,000の90%の値)以上になったときに警告メッセージが出力されます。
- 重要
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HADBサーバの開始直後にadbls -d mem -aコマンドを実行し,その実行結果に出力されるTOTAL_USE_PERの値を確認してください。このオペランドには,TOTAL_USE_PERの値を超える値を指定してください。TOTAL_USE_PERには,adb_sys_memory_limitオペランドの指定値に対する現在のHADBサーバのメモリ使用量の割合(単位:%)が表示されます。
TOTAL_USE_PERの値以下の値を指定すると,HADBサーバの開始時点で警告メッセージの出力条件を満たしてしまうことがあります。この場合,HADBサーバの開始時に警告メッセージが出力され,HADBの稼働中には警告メッセージが出力されません。
なお,HADBサーバのメモリ使用量に関する警告メッセージの出力契機に0を指定した場合,警告メッセージは出力されません。
- 警告メッセージの出力済み状態のリセット契機:
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~〈整数〉((0~99))(単位:%)
警告メッセージKFAA40021-Wの出力済み状態のリセット契機を,adb_sys_memory_limitオペランドの指定値(HADBサーバが使用するメモリの最大サイズ)に対する比率で指定します。警告メッセージは一度出力されると,警告メッセージ出力済み状態となり,HADBサーバのメモリ使用量がある一定の値を下回らないかぎり警告メッセージは再出力されません。
- メモ
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adb_sys_memory_limit_wrn_pntオペランドの指定値と警告メッセージの出力の関係を次に示します。
adb_sys_memory_limit = 64,000 adb_sys_memory_limit_wrn_pnt = 90,70
上記のようにオペランドを指定した場合,HADBサーバのメモリ使用量が57,600メガバイト(64,000の90%の値)以上になったときに警告メッセージが出力されます。その後,HADBサーバのメモリ使用量がいったん51,200メガバイト(64,000の80%の値)に下がったあとに再度57,600メガバイト以上になっても,警告メッセージは出力されません。
HADBサーバのメモリ使用量が,44,800メガバイト(64,000の70%の値)以下に下がった場合は,警告メッセージの出力済み状態がリセットされるため,HADBサーバのメモリ使用量が再度57,600メガバイト以上になったときに警告メッセージが出力されます。
警告メッセージの出力済み状態のリセット契機に関する留意事項を次に示します。
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リセット契機の指定を省略した場合,「HADBサーバのメモリ使用量に関する警告メッセージの出力契機-30」の値が仮定されます。その値がマイナスになる場合は,0が仮定されます。
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「HADBサーバのメモリ使用量に関する警告メッセージの出力契機 > 警告メッセージの出力済み状態のリセット契機」となるように指定してください。この条件を満たさない場合,リセット契機の指定は無効になります(警告メッセージKFAA40022-Wが出力されます)。このとき,リセット契機には,「HADBサーバのメモリ使用量に関する警告メッセージの出力契機-30」が仮定されます。
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HADBサーバのメモリ使用量に関する警告メッセージの出力契機に0を指定した場合,リセット契機の指定は無効になります。
- [マルチノード機能]
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警告メッセージKFAA40021-Wは,全ノードに出力されることがあります。
- [28] adb_dbarea_wrn_pnt_use_rate = データ用DBエリアの使用率〔,データ用DBエリアの使用率〔,データ用DBエリアの使用率〕〕
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〜〈整数〉((0〜99))《0》(単位:%)
データ用DBエリアの使用率を監視する場合にこのオペランドを指定します。データ用DBエリアの使用率がこのオペランドの指定値に達したときに,警告メッセージKFAA41230-Wがメッセージログファイルに出力されます。このオペランドの指定例を次に示します。
- (例)
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set adb_dbarea_wrn_pnt_use_rate = 70,80,90
上記のように指定した場合,データ用DBエリアの使用率が70%,80%,90%に達したときに警告メッセージが出力されます。
なお,このオペランドに「90,70,80」と指定しても,「70%,80%,90%」に達したときに警告メッセージが出力されます。
- 重要
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レギュラーファイルで構成されているデータ用DBエリアは,使用率の監視対象にはなりません。
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データ用DBエリア以外のDBエリア(ディクショナリ用DBエリアなど)は,使用率の監視対象にはなりません。
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なお,このオペランドを省略した場合,またはこのオペランドに0を指定した場合は,データ用DBエリアの使用率は監視されません。
データ用DBエリアの使用率は,次に示す計算式で算出されます。
データ用DBエリアの使用率=↓割り当て済みのセグメント数÷割り当て可能なセグメント数↓
割り当て可能なセグメント数は,HADBサーバの開始時にデータ用DBエリアを構成するデータ用DBエリアファイルの容量を基に算出されます。
- [マルチノード機能]
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HAモニタありのマルチノード構成の場合,プライマリノードのこのオペランドの指定値が適用されます。そのため,プライマリノードの切り替えを想定して,セカンダリノードにもこのオペランドを指定し,プライマリノードと同じ値を指定してください。プライマリノードとセカンダリノードでオペランドの指定値が異なると,プライマリノードの切り替えが発生したときに,監視対象とする使用率が変わります。
(例)
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ノードAの指定値:80,90
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ノードBの指定値:85,95
上記の場合,ノードAがプライマリノードのときは,使用率が80%,90%に達したときに警告メッセージが出力されます。プライマリノードの切り替えが発生してノードBがプライマリノードになったときは,使用率が85%,95%に達したときに警告メッセージが出力されます。
なお,ワーカーノードはプライマリノードに切り替わることがないため,このオペランドを指定する必要はありません。
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HAモニタなしのマルチノード構成の場合,プライマリノードにこのオペランドを指定してください。ワーカーノードにはこのオペランドを指定する必要はありません。
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警告メッセージKFAA41230-Wは,プライマリノードだけに出力されます。
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- [29] adb_dbarea_wrn_pnt_except_name = データ用DBエリア名〔,データ用DBエリア名〕…
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〜〈文字列〉((1〜30バイト))
データ用DBエリアの使用率の監視対象から外したいデータ用DBエリアがある場合にこのオペランドを指定します。
adb_dbarea_wrn_pnt_use_rateオペランドを指定すると,ブロックスペシャルファイルで構成されているすべてのデータ用DBエリア(クラウドストレージ機能を使用している場合は全データ用DBエリア)が使用率の監視対象になります。この場合,警告メッセージKFAA41230-Wが頻繁に出力されることがあります。出力される警告メッセージの量を減らしたい場合にこのオペランドを指定してください。
例えば,次の条件をすべて満たす場合,警告メッセージが頻繁に出力されることがあります。このようなときにこのオペランドを指定して,警告メッセージの出力を抑止してください。
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データ用DBエリアの使用率が常に安定している(例えば,80%くらいで安定しているとする)
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データの削除と追加を頻繁に繰り返す
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「adb_dbarea_wrn_pnt_use_rate = 70,80,90」と指定している
上記の場合,データを削除して追加するたびに,データ用DBエリアの使用率が80%を超えて警告メッセージが出力されます。
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- [マルチノード機能]
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HAモニタありのマルチノード構成の場合,プライマリノードのこのオペランドの指定値が適用されます。そのため,プライマリノードの切り替えを想定して,セカンダリノードにもこのオペランドを指定し,プライマリノードと同じデータ用DBエリアを指定してください。プライマリノードとセカンダリノードで指定したデータ用DBエリアが異なると,プライマリノードの切り替えが発生したときに,監視対象外とするデータ用DBエリアが変わります。
なお,ワーカーノードはプライマリノードに切り替わることがないため,このオペランドを指定する必要はありません。
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HAモニタなしのマルチノード構成の場合,プライマリノードにこのオペランドを指定してください。ワーカーノードにはこのオペランドを指定する必要はありません。
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- [30] adb_rpc_wait_time = 応答待ち時間の上限
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〜〈整数〉((0〜86,400))《1,800》(単位:秒)
HADBクライアントからの処理要求に応答してから,次の処理要求を受けるまでの待ち時間の上限を秒単位で指定します。
ここで指定した待ち時間を超えても,HADBクライアントから処理要求がなかった場合,HADBクライアントとの接続を切り離します。トランザクション処理中の場合は,そのトランザクションをロールバックしてからHADBクライアントとの接続を切り離します。
なお,このオペランドに0を指定した場合,待ち時間の上限は設定されません。
- [マルチノード機能]
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プライマリノードの切り替えが発生した時点で,HADBサーバに接続だけしていてトランザクションを実行していないAPは,HADBサーバから切り離されます。
- [31] adb_rpc_tcp_keepalive_time = KeepAliveプローブ開始までの無通信時間
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〜〈整数〉((0〜120))《10》(単位:分)
HADBクライアントと確立したコネクションについて,KeepAliveプローブによる生存確認を開始するまでの無通信時間を,分単位で指定します。
通常は,このオペランドの指定は不要です。このオペランドを指定すると,OSのKeepAlive制御(KeepAliveプローブを開始するまでの無通信時間)を変更できます。
KeepAliveプローブに対する応答がない場合は,生存確認を30秒ごとに4回繰り返します。それでも応答がない場合は,HADBクライアントとのコネクションを切断します。
なお,このオペランドに0を指定した場合は,KeepAliveプローブによる生存確認を行いません。
- メモ
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KeepAliveは,一定時間ごとに送信するプローブパケットに対する応答有無によって,コネクションの生存を確認する機能です。また,プローブパケットは,通信回線の生存を確認するために送信するパケットのことです。