6.12.1 マスタログファイルの容量の求め方
マスタログファイルにはイベントログが出力されます。HADBサーバの稼働中はイベントログが出力され続けるため,マスタログファイルの容量は増加し続けます。ただし,HADBサーバの稼働中に,次に示す条件をすべて満たす契機がある場合,マスタログファイルの容量が自動的に縮小されます。
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マスタログファイルの容量が2メガバイトを超えている場合
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ほかの更新トランザクションが存在しないときに更新トランザクションが決着した場合
また,HADBサーバを再起動したときには,前回稼働時に出力されたイベントログはマスタログファイルから削除されます。
- 重要
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マスタログファイルが作成されるディスクの空き容量が不足すると,トランザクションを決着または回復できなくなり,HADBサーバが異常終了することがあります。そのため,マスタログファイルの容量を正確に見積もって十分なディスク容量を確保するようにしてください。
マスタログファイルの容量は次に示す計算式から求めてください。
- ヒント
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計算式の変数の説明中に出てくる「見積もり期間」は,次のどちらかから求めてください。
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HADBサーバの稼働期間
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マスタログファイルの容量が自動的に縮小する契機が生じる期間
例えば,サーバのメンテナンスなどでHADBサーバを半年に一度停止することがある場合は,見積もり期間を半年としてください。マスタログファイルが自動的に縮小する契機が毎日ある場合は,見積もり期間を1日としてください。
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計算式(単位:キロバイト)
変数の説明
- tran_count
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見積もり期間中の更新トランザクションの実行回数
- arcdir_remove_count
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見積もり期間中に,アーカイブディレクトリ下のファイルが削除される回数
アーカイブマルチチャンク表に対して,対象のSQL文とコマンドを実行した場合に,アーカイブディレクトリ下が削除される回数を代入してください。アーカイブディレクトリ下が削除される回数を,次の表に示します。
表6‒21 アーカイブディレクトリ下が削除される回数 項番
実行するSQL文とコマンド
アーカイブディレクトリ下が削除される回数
1
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DROP SCHEMA文
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REVOKE文のSCHEMA
削除対象のスキーマに存在するアーカイブマルチチャンク表数を代入してください。
2
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ALTER TABLE文(アーカイブマルチチャンク表をレギュラーマルチチャンク表に変更する場合)
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DROP TABLE文
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TRUNCATE TABLE文
1を代入してください。
3
PURGE CHUNK文
削除対象のチャンク数を代入してください。
4
adbunarchivechunkコマンド
処理対象のチャンク数を代入してください。
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- utlexec_count
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見積もり期間中のコマンドの実行回数
次に示すコマンドを実行した回数の合計になります。
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adbimportコマンド
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adbidxrebuildコマンド
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adbmodareaコマンド
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adbmergechunkコマンド
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adbgetcstコマンド
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adbchgchunkcommentコマンド
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adbchgchunkstatusコマンド
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adbarchivechunkコマンド
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adbunarchivechunkコマンド
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adbreorgsystemdataコマンド
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adbsyndictコマンド
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- UTi
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見積もり期間中に実行したコマンドごとのデータベース更新スレッド数
コマンドごとのデータベース更新スレッド数は,次に示す計算式から求めてください。
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計算式(adbimportコマンドを実行したとき)
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計算式(adbidxrebuildコマンドを実行したとき)
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計算式(adbmodareaコマンドを実行したとき)
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計算式(adbmergechunkコマンドを実行したとき)
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計算式(adbgetcstコマンドを実行したとき)
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計算式(adbchgchunkcommentコマンドを実行したとき)
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計算式(adbchgchunkstatusコマンドを実行したとき)
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計算式(adbarchivechunkコマンドを実行したとき)
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計算式(adbunarchivechunkコマンドを実行したとき)
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計算式(adbreorgsystemdataコマンドを実行したとき)
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計算式(adbsyndictコマンドを実行したとき)
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- メモ
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各コマンドについては,マニュアルHADB コマンドリファレンスを参照してください。