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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


16.15.1 アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足したときの対処方法

adbreorgsystemdataコマンドの実行中に,-fオプションに指定したディレクトリにアンロードファイルが作成されます。

adbreorgsystemdataコマンドの実行中に,次に示すメッセージのどれかが出力された場合は,アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足したおそれがあります。

アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足したかどうかは,メッセージに出力された内容から判断できます。詳細については,「(1) アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足しているかどうかを確認する方法」を参照してください。

また,アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足した場合,次に示す原因が考えられます。該当する原因に従って,対処してください。

〈この項の構成〉

(1) アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足しているかどうかを確認する方法

アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足しているかどうかを確認するには,出力されたメッセージの内容を確認してください。出力されたメッセージの内容が,次に示す表の内容に一致している場合,アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足しています。

表16‒2 アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足した場合に出力されるメッセージと,メッセージに出力される内容

項番

メッセージID

メッセージに出力される内容

ファイル名

エラー番号

1

KFAA30959-E

ファイル名※1

28(ENOSPC)

2

KFAA40204-E

ファイルのパス名※2

3

KFAA40205-E

28(ENOSPC)

4

KFAA40214-E

28(ENOSPC)

5

KFAA41205-E

ファイルのパス名※2

28(ENOSPC)

6

KFAA41206-I

ファイルのパス名※2

28(ENOSPC)

(凡例)

−:該当するメッセージに,この内容は出力されません。

注※1

メッセージに出力されたファイル名のアンロードファイルが格納されているディレクトリを確認する必要があります。ファイルが格納されているディレクトリを確認する手順を次に示します。

  1. メッセージに出力されたファイル名のファイルを,OSのfindコマンドで検索してください。

    OSのfindコマンドの実行例を次に示します。

    ■OSのfindコマンドの実行例

    [図データ]

    [説明]

    メッセージに出力されたファイル名(xxxxx)を指定して,findコマンドを実行します。

  2. adbreorgsystemdataコマンドの実行結果で,アンロードファイルが格納されているディレクトリが,-fオプションに指定したディレクトリと一致しているかどうかを確認してください。

    一致している場合は,アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足しています。

注※2

メッセージに出力されたパス名から,アンロードファイルが格納されているディレクトリを確認する必要があります。

パス名に含まれるディレクトリが,adbreorgsystemdataコマンドの-fオプションに指定したディレクトリと一致しているかどうかを確認してください。

一致している場合は,アンロードファイルを格納するディスクの空き容量が不足しています。

(2) ディスクに不要なアンロードファイルが残っている場合

ディスクに残っているアンロードファイルは,すべて不要なファイルです。OSのrmコマンドなどを実行して,不要なアンロードファイルを削除してください。

そのあとで,adbreorgsystemdataコマンドを再実行してください。

(3) アンロードファイルを格納するディスク容量が小さい場合

アンロードファイルを格納するディスク容量が小さい場合は,アンロードファイルの格納先を,容量が大きい別のディスクに変更する必要があります。次に示す手順で対処してください。

手順

  1. アンロードファイルの容量を再度見積もる

    adbreorgsystemdataコマンドを実行したときに作成されるアンロードファイルの容量を見積もってください。アンロードファイルの容量見積もりについては,「6.20 アンロードファイルの容量見積もり」を参照してください。

    そのあとで,見積もった値よりも容量が大きいディスクにアンロードファイルを格納します。adbreorgsystemdataコマンドの-fオプションに指定したディレクトリを変更する場合は,手順2.に進んでください。-fオプションに指定したディレクトリを変更しない場合は,手順3.に進んでください。

  2. -fオプションに指定したディレクトリを変更する

    adbreorgsystemdataコマンドの-fオプションに指定したディレクトリパスファイル内の「アンロードファイルの格納先を指定したディレクトリ」を,容量が大きい別のディスクのディレクトリに変更してください。

    ディレクトリパスファイルに指定したディレクトリを変更する場合について,変更前および変更後のディレクトリパスファイルの指定例を次に示します。

    ■ディレクトリパスファイルの指定例(変更前)

    /mnt/disk1/xxxxx
    [説明]

    変更前のディレクトリパスファイルでは,容量不足のディスク('/mnt/disk1')のディレクトリを,アンロードファイルの格納先として指定しています。

    ■ディレクトリパスファイルの指定例(変更後)

    /mnt/largedisk1/xxxxx
    [説明]

    変更前に'/mnt/disk1'を指定していた個所に,容量が大きい別のディスク('/mnt/largedisk1')を指定して,アンロードファイルの格納先を変更します。

    そのあとで,adbreorgsystemdataコマンドを再実行してください。

  3. -fオプションに指定したディレクトリに対して,容量が大きい別のディスクのディレクトリをリンク先とするシンボリックリンクを作成する

    adbreorgsystemdataコマンドの-fオプションに指定したディレクトリパスファイル内の「アンロードファイルの格納先を指定したディレクトリ」で,OSのlnコマンドを実行します。lnコマンドで,容量が大きい別のディスクのディレクトリをリンク先に設定したシンボリックリンクを作成してください。

    このとき,シンボリックリンクのパス名として,-fオプションに指定したディレクトリパスファイル内の「アンロードファイルの格納先を指定したディレクトリ」を指定します。シンボリックリンクを作成する際の,OSのlnコマンドの実行例を次に示します。

    ■OSのlnコマンドの実行例

    ln  -s /mnt/largedisk1/xxxxx  /mnt/disk1/xxxxx
    [説明]

    容量が大きい別のディスクのディレクトリ('/mnt/largedisk1/xxxxx')をリンク先に設定して,-fオプションに指定したディレクトリ('/mnt/disk1/xxxxx')と同名のシンボリックリンク('/mnt/disk1/xxxxx')を作成します。

    そのあとで,adbreorgsystemdataコマンドを再実行してください。