18.22.7 データベースのバックアップ
ここでは,AWS環境でのバックアップの取得方法,およびバックアップを使用したデータベースの回復方法について説明します。
- <ここの操作説明の前提条件>
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「図18‒6 AWS環境でのコールドスタンバイ構成例」で示すとおり,hadb01が実行系で,hadb02が待機系であるとします。
■バックアップの取得方法
- メモ
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バックアップを取得する前に,「10.3.1 バックアップの取得方法」の「(1) バックアップを取得するタイミング」を参照して,バックアップ取得時の留意事項を確認してください。
- 手順
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HADBサーバの稼働モードを静止モードへ変更する
次のコマンドを実行系のHADBサーバで実行してください。
adbchgsrvmode --quiescence
実行系のHADBサーバの稼働モードが静止モードに変更されます。
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バックアップを取得する
バックアップを取得するファイルの一覧については,「10.3.1 バックアップの取得方法」の「(2) バックアップを取得する手順」を参照してください。
次のどちらかの方法でバックアップを取得します。
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バックアップ対象ファイルが格納されているすべてのEBSのEBSスナップショットを取得する
EBSスナップショットを取得する方法については,AWSのドキュメントのAmazon EBSスナップショットを参照してください。
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バックアップ対象のファイルをコピーする
ファイルをコピーする場合は,スパースファイルにしないでください。
- 重要
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バックアップ対象ファイルの格納ディレクトリ下にあるファイルがシンボリックリンクの場合は,リンク先のファイル,またはブロックスペシャルファイルのバックアップを取得してください。
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HADBサーバの稼働モードを元に戻す
次のコマンドを実行系のHADBサーバで実行してください。
adbchgsrvmode --normal
1.で変更した稼働モードを元に戻します。上記は,稼働モードを通常モードに戻す場合の例です。
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■バックアップからのデータベースの回復方法
- メモ
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バックアップからデータベースを回復する場合は,「10.3.2 バックアップからの回復方法」の内容も参照してください。
- 手順
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コールドスタンバイ構成を正常終了する
正常終了方法については,「18.4.2 コールドスタンバイ構成の終了方法」の「(1) コールドスタンバイ構成の終了手順」を参照してください。
コールドスタンバイ構成を正常終了しないでデータベースを回復した場合,データベースの内容が不整合となるおそれがあります。
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バックアップからファイルを回復する
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EBSスナップショットでバックアップを取得している場合
EBSスナップショットを使用してEBSを復元してください。復元方法については,AWSのドキュメントのスナップショットからのAmazon EBSボリュームの復元およびAmazon EBSボリュームの初期化を参照してください。
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バックアップ対象ファイルをコピーしている場合
コピーしたファイルを元の位置に戻してください。
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udevルールファイルを変更する
EBSスナップショットからEBSを復元した場合,実行系のudevルールファイルに指定したEBSスナップショットの作成元のディスクを,復元したEBSのディスクになるように変更してください。
この操作は,OSのスーパユーザで実行してください。
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実行系のOSを再起動する
変更したudevルールを反映させるために,実行系のOSを再起動してください。
この操作は,OSのスーパユーザで実行してください。
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待機系のDRBDのローカルデータを無効化する
待機系で,次のコマンドをOSのスーパユーザで実行してください。
drbdadm invalidate r0
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コールドスタンバイ構成を正常開始する
正常開始方法については,「18.4.1 コールドスタンバイ構成の開始方法」の「(1) コールドスタンバイ構成の開始手順」を参照してください。
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稼働モードを通常モードに変更する
静止モードでバックアップを取得した場合,データベースを回復したあとにHADBサーバを開始すると,HADBサーバが静止モードのままとなっています。この場合,実行系のHADBサーバでadbchgsrvmodeコマンドを実行し,HADBサーバの稼働モードを通常モードに戻してください。
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