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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


16.4.2 マルチノード構成のHADBサーバの終了方法

〈この項の構成〉

(1) マルチノード構成のHADBサーバの終了手順

(a) マルチノード構成のHADBサーバを正常終了させる場合

マルチノード構成のHADBサーバの正常終了手順を次に示します。

手順

  1. プライマリノードadbstopコマンドを実行する

    プライマリノードadbstopコマンドを実行すると,全ノードのHADBサーバが正常終了します。

  2. プライマリノードでHAモニタのmonendコマンドを実行する

    全ノードのHADBサーバが正常終了したことを確認してから,プライマリノードでHAモニタのmonendコマンドを実行してください。

メモ

上記の手順で,ワーカーノードを含めた全ノードのHADBサーバが終了します。

(b) マルチノード構成のHADBサーバを強制終了させる場合

マルチノード構成のHADBサーバの強制終了手順を次に示します。

手順

  1. 全セカンダリノードおよび全ワーカーノードで,adbstop --forceコマンドを実行する

    全セカンダリノードおよび全ワーカーノードで,adbstop --forceコマンドが終了したことを確認してください。

  2. プライマリノードadbstop --forceコマンドを実行する

    adbstop --forceコマンドが終了したことを確認してください。

  3. プライマリノードでHAモニタのmonendコマンドを実行する

(2) 特定のノードのHADBサーバの終了手順

(a) プライマリノードのHADBサーバだけを正常終了させる場合

系のリセットを使用している場合と,共有ディスクのSCSIリザーブを使用している場合とで,プライマリノードのHADBサーバだけを正常終了させる手順が異なります。

  • 系のリセットを使用している場合

    プライマリノードでHAモニタのmonswapコマンドを実行すると,プライマリノードのHADBサーバだけが正常終了します。このとき,プライマリノードの切り替えが発生し,優先度の最も高いセカンダリノードプライマリノードになります。

    なお,monswapコマンドを実行すると,プライマリノードで実行中のトランザクションはすべてキャンセルされ,そのトランザクションを実行していたコネクションはすべて終了します。また,トランザクション実行前のコネクションもすべて終了します。コネクションの終了処理が完了したあとに,プライマリノードのHADBサーバの終了処理が開始されます。

    重要

    adbstop --nodeコマンドで,プライマリノードのHADBサーバを誤って終了してしまった場合も,そのノードでmonswapコマンドを実行してください。

  • 共有ディスクのSCSIリザーブを使用している場合

    手順

    1. プライマリノードadbstop --cancel --nodeコマンドを実行する

    2. プライマリノードでHAモニタのmonswapコマンドを実行する

    上記の手順で,プライマリノードのHADBサーバだけが正常終了します。このとき,プライマリノードの切り替えが発生し,優先度の最も高いセカンダリノードプライマリノードになります。

(b) プライマリノードのHADBサーバだけを強制終了させる場合

プライマリノードadbstop --forceコマンドを実行すると,プライマリノードのHADBサーバだけが強制終了します。このとき,プライマリノードの切り替えが発生し,優先度の最も高いセカンダリノードプライマリノードになります。

メモ

強制終了したプライマリノードで実行されていた更新処理に対する回復処理(ロールバック)が,新しくプライマリノードになるセカンダリノードで実行されます。

(c) セカンダリノードのHADBサーバだけを正常終了させる場合

セカンダリノードadbstop --nodeコマンドを実行すると,コマンドを実行したセカンダリノードのHADBサーバが正常終了します。

(d) セカンダリノードのHADBサーバだけを強制終了させる場合

セカンダリノードadbstop --forceコマンドを実行すると,コマンドを実行したセカンダリノードのHADBサーバが強制終了します。

(e) ワーカーノードのHADBサーバだけを正常終了させる場合

ワーカーノードでadbstop --nodeコマンドを実行すると,コマンドを実行したワーカーノードのHADBサーバが正常終了します。

(f) ワーカーノードのHADBサーバだけを強制終了させる場合

ワーカーノードでadbstop --forceコマンドを実行すると,コマンドを実行したワーカーノードのHADBサーバが強制終了します。

(3) マルチノード構成のHADBサーバの終了形態

マルチノード構成のHADBサーバの終了形態を次の表に示します。

表16‒6 マルチノード構成のHADBサーバの終了形態

項番

終了形態

実行するコマンド

説明

1

マルチノード構成のHADBサーバの正常終了

adbstop

通常の終了形態です。プライマリノードadbstopコマンドを実行すると,マルチノード構成のHADBサーバが正常終了します。

なお,正常終了には4種類あり,指定するオプションによって終了処理が異なります。詳細については,「10.2.2 HADBサーバの終了方法」の「(2) オプションの指定と正常終了の種類」を参照してください。

2

特定のノードのHADBサーバの正常終了

  • プライマリノードの場合:monswap

  • セカンダリノードまたはワーカーノードの場合:adbstop --node

コマンドを実行したノードのHADBサーバだけを正常終了します。

  • プライマリノードのHADBサーバを正常終了した場合

    そのプライマリノードはマルチノード構成から切り離され,セカンダリノードの1つがプライマリノードに切り替わります。

  • セカンダリノードのHADBサーバを正常終了した場合

    そのセカンダリノードは,マルチノード構成から切り離されます。

  • ワーカーノードのHADBサーバを正常終了した場合

    そのワーカーノードは,マルチノード構成から削除されます。

3

特定のノードのHADBサーバの強制終了

adbstop --force

処理中のトランザクションの完了を待たないで,adbstopコマンドを実行したノードのHADBサーバを直ちに終了します。

  • プライマリノードのHADBサーバを強制終了した場合

    そのプライマリノードはマルチノード構成から切り離され,セカンダリノードの1つがプライマリノードに切り替わります。このとき,プライマリノードで実行されていた更新処理に対する回復処理(ロールバック)が,新しくプライマリノードになるセカンダリノードで実行されます。

    なお,セカンダリノードがない状態のときに,プライマリノードのHADBサーバを強制終了した場合,マルチノード構成のHADBサーバの再開始時に,更新処理に対する回復処理(ロールバック)が実行されます。

  • セカンダリノードのHADBサーバを強制終了した場合

    そのセカンダリノードは,マルチノード構成から切り離されます。このとき,プライマリノードでトランザクションのロールバックが実行されます。

  • ワーカーノードのHADBサーバを強制終了した場合

    そのワーカーノードは,マルチノード構成から削除されます。このとき,プライマリノードでトランザクションのロールバックが実行されます。

4

特定のノードのHADBサーバの異常終了

  • プライマリノードのHADBサーバが異常終了した場合

    異常終了したプライマリノードはマルチノード構成から切り離され,セカンダリノードの1つがプライマリノードに切り替わります。このとき,プライマリノードで実行されていた更新処理に対する回復処理(ロールバック)が,新しくプライマリノードになるセカンダリノードで実行されます。

    なお,セカンダリノードがない状態のときに,プライマリノードのHADBサーバが異常終了した場合は,マルチノード構成のHADBサーバの再開始時に,更新処理に対する回復処理(ロールバック)が実行されます。

  • セカンダリノードのHADBサーバが異常終了した場合

    異常終了したセカンダリノードはマルチノード構成から切り離されます。このとき,プライマリノードでトランザクションのロールバックが実行されます。

  • ワーカーノードのHADBサーバが異常終了した場合

    異常終了したワーカーノードはマルチノード構成から削除されます。このとき,プライマリノードでトランザクションのロールバックが実行されます。

(凡例)

−:該当しません。

注※

系のリセットを使用している場合に実行するコマンドです。

共有ディスクのSCSIリザーブを使用している場合は,adbstop --cancel --nodeコマンドを実行したあとに,monswapコマンドを実行します。