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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


12.3.4 監査証跡の参照(CSV形式に変換した監査証跡を参照する場合)

Microsoft Excelなどの表計算ソフトで監査証跡を参照することができます。adbexportコマンドを実行して監査証跡をCSV形式のデータに変換し,そのCSV形式のデータを表計算ソフトの入力情報にしてください。監査証跡をCSV形式のデータに変換する手順を次に示します。

例題

監査証跡の保存先ディレクトリ(/mnt/audittrail/savearea)下の全監査証跡ファイル中の監査証跡を,CSV形式のデータに変換します。

手順

  1. adbexportコマンドの出力データパスファイルを作成する

    出力データパスファイルには,出力データファイルのパス名(監査証跡をCSV形式で出力するファイルのパス名)を記述します。出力データパスファイルの記述例を次に示します。

    /home/auditviewer/audit/audit1.csv     ←このファイルに監査証跡がCSV形式で出力されます。

    出力データパスファイルを,/home/auditviewer/export/expf01.txtに保存します。

  2. adbexportコマンドのSQL記述ファイルを作成する

    SQL記述ファイルには,ADB_AUDITREAD関数を指定したSELECT文を記述します。SQL記述ファイルの記述例を次に示します。

    SELECT * FROM TABLE
        (ADB_AUDITREAD(MULTISET['/mnt/audittrail/savearea/*.aud'])) "T1"

    SQL記述ファイルを,/home/auditviewer/export/sel01.txtに保存します。

    ヒント

    この例の場合,SELECT文に探索条件を指定していないため,ADB_AUDITREAD関数の読み込み対象となる監査証跡ファイル中の全監査証跡が検索対象(CSV形式に変換される監査証跡)になります。監査証跡のうち,必要な情報だけをCSV形式で出力したい場合は,次のどちらかの方法を実行してください。

    • SQL記述ファイルに記述するSELECT文に,探索条件を指定する

    • SQL記述ファイルに,ビュー表を検索するSELECT文を記述する

      この場合,ADB_AUDITREAD関数を指定した表関数導出表を表参照に指定した問合せ指定に,探索条件を指定したビュー表を定義しておく必要があります。

  3. adbexportコマンドを実行する

    adbexport -u ADBAUDITOR -p '#HelloHADB_Aud01'
              -q /home/auditviewer/export/sel01.txt
              /home/auditviewer/export/expf01.txt

    -u-pオプションには,監査参照権限を持っているHADBユーザの認可識別子とパスワードを指定します。

    -qオプションには,手順2.で作成したSQL記述ファイルを指定します。

    /home/auditviewer/export/expf01.txtは,手順1.で作成した出力データパスファイルのパス名です。

重要

監査証跡をCSV形式のデータに変換する作業は,監査参照権限を持っているHADBユーザだけが実行できます。

出力データパスファイル,およびSQL記述ファイルの指定規則の詳細については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbexportコマンドの指定形式指定形式およびオプションの説明を参照してください。

重要
  • 監査証跡をCSV形式のデータに変換してファイルに保存した場合,そのファイルの取り扱いに注意してください。そのファイルを参照できるのは,監査の実行者だけとなるようにしてください。また,ファイルが更新されないように対策をする必要があります。

  • 監査証跡は,監査の実行者(監査参照権限を持っているHADBユーザ)だけが参照することを推奨しています。そのため,基本的には「12.3.3 監査証跡の参照(SELECT文で監査証跡を参照する場合)」で説明している方法で監査証跡を参照するようにしてください。