Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


11.17.1 システム表を再編成する理由

HADBユーザが,実表に対してSQL文やコマンドを実行した場合,HADBサーバによって自動的にシステム表(実表)も更新されることがあります。その際,システム表(実表)に無効な行データが増加することがあります。無効となった行データは,ディスクから削除されません。

システム表(実表)に無効な行データが増加し続けた場合,システム表(実表)を格納するディスクの空き容量が不足し,最終的にシステム表(実表)の更新が発生するような運用は実行できなくなります。例えば,バックグラウンドインポートによるデータインポートやチャンクのマージなどは実行できなくなります。

そのため,定期的にシステム表(実表)を再編成して,無効な行データを削除する必要があります。システム表(実表)の再編成は,adbreorgsystemdataコマンドで行います。

システム表(実表)に無効な行データが増加するタイミングを,次の表に示します。

表11‒9 システム表(実表)に無効な行データが増加するタイミング

項番

システム表(実表)の種類

システム表(実表)に無効な行データが増加する操作

1

  • STATUS_TABLES

  • STATUS_COLUMNS

  • STATUS_INDEXES

  • 定義系SQLによる表やインデクスの削除

  • adbgetcstコマンドによるコスト情報の収集や削除

  • ALTER TABLE文による表名の変更

  • ALTER TABLE文による列名の変更

2

STATUS_CHUNKS

  • 定義系SQLによるマルチチャンク表の削除

  • ALTER TABLE文によるマルチチャンク表の表名変更

  • PURGE CHUNK文によるチャンクの削除

  • TRUNCATE TABLE文によるマルチチャンク表に格納されているデータの一括削除

  • 作成モードによるマルチチャンク表へのデータインポート(adbimportコマンドに-dオプションを指定して実行したとき)

  • バックグラウンドインポートによるマルチチャンク表へのデータインポート(adbimportコマンドに-bオプションを指定して,かつ--status waitオプションを指定しないで実行したとき)

  • 追加モードによるマルチチャンク表へのデータインポート,かつチャンクコメントの変更(adbimportコマンドに-mオプションを指定して実行したとき)

  • adbidxrebuildコマンドによるインデクスの再作成(バックグラウンドインポートによるマルチチャンク表へのデータインポートが中断したあとに実行したとき)

  • adbmergechunkコマンドによるチャンクのマージ

  • adbchgchunkcommentコマンドによるチャンクのコメントの設定,変更および削除

  • adbchgchunkstatusコマンドによるチャンクの状態変更

  • adbarchivechunkコマンドによるチャンクのアーカイブ

  • adbunarchivechunkコマンドよるチャンクのアンアーカイブ

3

STATUS_SYNONYM_DICTIONARIES

adbsyndictコマンドによる同義語辞書の登録,更新および削除

注※

処理対象の表やインデクスに対して,コスト情報を収集している場合が対象です。