11.16.16 辞書情報登録ファイルの指定規則
辞書情報登録ファイルの指定規則について説明します。
(1) 辞書情報登録ファイルの指定例
同義語辞書Dictionary2を登録するときの辞書情報登録ファイルの指定例を説明します。
<辞書情報登録ファイルの指定例>
Dictionary2,/home/adbmanager/dictionary2_synonym.txt,CORRECTIONRULE,一般用語↓
(凡例)↓:改行
- [説明]
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辞書情報登録ファイル中には,次に示す4つの項目を指定します。各項目は,コンマ( , )で区切って指定します。
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同義語辞書名(1列目に指定します)
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同義語一覧定義ファイル名(2列目に指定します)
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表記ゆれ補正オプション(3列目に指定します)
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コメント(4列目に指定します)
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(2) 辞書情報登録ファイル中の各項目に指定する内容
- ■1列目
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同義語辞書名:〜〈文字列〉((1〜120バイト))
同義語辞書名を指定します。同義語辞書名はSQL文中に指定するため,わかりやすい名称を指定することを推奨します。
同義語辞書名に使用できる文字列は,半角英字(A〜Z,a〜z),半角数字(0〜9),および下線文字(_)になります。
- 重要
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すでに登録されている同義語辞書名を指定した場合,同義語辞書が再登録されてしまうため,同義語辞書を新規に登録するときは,すでに登録されている辞書名を指定しないように注意してください。登録済みの同義語辞書があるかどうかは,システム表を検索すると,確認できます。システム表の検索方法については,「11.16.4 同義語辞書の情報を確認する」の「(2) すべての同義語辞書の情報を確認する」を参照してください。
- ■2列目
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同義語一覧定義ファイル名:〜〈OSパス名〉((2〜510バイト))
同義語一覧定義ファイル名を絶対パス名で指定します。
同義語一覧定義ファイル名の指定規則を次に示します。
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制御文字(0x00〜0x1f,0x7f)は指定できません。
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- ■3列目
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表記ゆれ補正オプション:
表記ゆれ補正検索に対応する同義語辞書を作成するかどうかを指定します。次のどちらかを指定します。
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CORRECTIONRULEまたはCR
表記ゆれ補正検索に対応する同義語辞書を作成する場合に指定します。
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CASESENSITIVEまたはCS
表記ゆれ補正検索に対応しない同義語辞書を作成する場合に指定します。
CORRECTIONRULEを指定して作成した同義語辞書は,表記ゆれ補正検索をしない場合にも使用できます。そのため,表記ゆれ補正検索を行うかどうかが,同義語辞書の作成時に不明な場合は,CORRECTIONRULEを指定することを推奨します。
- メモ
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表記ゆれ補正検索を行うかどうかは,同義語検索の実行時にスカラ関数CONTAINSの指定で選択できます。
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表記ゆれ補正検索に対応しない同義語辞書を,表記ゆれ補正検索に対応する同義語辞書に変更する場合,同義語辞書を再登録する必要があります。
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- 重要
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HADBサーバで使用する文字コードがShift-JISの場合(環境変数ADBLANGの指定値がSJISの場合),表記ゆれ補正検索は実行できません。そのため,表記ゆれ補正オプションにCORRECTIONRULEを指定することはできません。
表記ゆれ補正オプションの指定を省略した場合,CASESENSITIVEが仮定されます。
(例)表記ゆれ補正オプションの指定を省略した場合の例
Dictionary3,/home/adbmanager/dictionary3_synonym.txt,,詳細用語
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- ■4列目
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コメント:〜〈文字列〉((0〜1,024バイト))
同義語辞書に対するコメントを指定します。
同義語検索時に使用する同義語辞書がわからなくなってしまった場合,同義語辞書の一覧を表示して,使用する同義語辞書を確認します。その際,ここで指定したコメントから同義語辞書が特定できるように,同義語辞書の内容と関連があるコメントを指定するようにしてください。
- メモ
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同義語辞書の一覧を表示するには,システム表を検索します。詳細については,「11.16.4 同義語辞書の情報を確認する」の「(2) すべての同義語辞書の情報を確認する」を参照してください。
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同義語辞書の一覧には,同義語辞書名とここで指定したコメントが表示されます。
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コメントの指定規則を次に示します。
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制御文字(0x00〜0x1f,0x7f)は指定できません。
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コメントを省略することもできます。
(例)コメントの指定を省略した場合の例
Dictionary2,/home/adbmanager/dictionary2_synonym.txt,CORRECTIONRULE,
(3) 辞書情報登録ファイルの指定規則
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辞書情報登録ファイルには,複数の同義語辞書に関する情報を指定できます。詳細は,「(4) 留意事項」を参照してください。
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登録できる同義語辞書の数は最大50個です。
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1つの同義語辞書に関する情報を1行に記述します。
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各行の終わりに改行を入力してください。また,辞書情報登録ファイルの最後の行にも改行を入力してください。改行コードは,X'0A'(LF),X'0D0A'(CRLF),またはX'00'のどれかにしてください。
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改行だけの行がある場合,その行を読み飛ばして処理が実行されます。
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環境変数ADBLANGに指定した文字コードで辞書情報登録ファイルを作成してください。
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二重引用符(")を囲み文字として指定することができます。コメントなど,指定する文字列中に「,」がある場合は,囲み文字を指定してください。
(例)
Dictionary3,/home/adbmanager/dictionary2_synonym.txt,CORRECTIONRULE,"一般用語,法律関連"
(4) 留意事項
辞書情報登録ファイルには,次に示すように複数の同義語辞書の辞書情報を指定できます。この場合,一度のadbsyndictコマンドの実行で,複数の同義語辞書を登録することができます。
(例)
Dictionary1,/home/adbmanager/dictionary2_synonym.txt,CORRECTIONRULE,一般用語↓ Dictionary2,/home/adbmanager/dictionary3_synonym.txt,CASESENSITIVE,詳細用語↓
(凡例)↓:改行
例えば,次のような運用をする場合は,上記のように複数の同義語辞書を指定してください。
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Dictionary1の同義語を追加,変更,または削除する場合,Dictionary2の同義語も同様に追加,変更,または削除する必要がある場合
このような運用をしない場合は,1つの辞書情報登録ファイルには,1つの同義語辞書の辞書情報だけを指定することを推奨します。