Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


11.14.2 クライアント定義の集中管理機能で必要なファイル

クライアント定義の集中管理機能を使用する場合,次に示すファイルを作成する必要があります。

HADBサーバで作成が必要なファイル
  • クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイル

  • クライアント管理定義ファイル

HADBクライアントで作成が必要なファイル
  • HADBクライアントで管理するクライアント定義ファイル

〈この項の構成〉

(1) クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイル

クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイルには,クライアント定義の集中管理機能で管理する認可識別子に適用したいクライアント定義のオペランドの値を指定します。クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイルの内容に従って,対象の認可識別子はHADBサーバに接続します。

クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイルのひな形(client.def)は,サーバディレクトリの$ADBDIR/sample/confディレクトリに格納されています。ひな形をコピーして,クライアント定義の各オペランドを指定してください。クライアント定義の指定規則は,サーバ定義と同じです。サーバ定義の指定規則については,「7.3 サーバ定義の文法規則」を参照してください。

メモ
  • クライアント定義の各オペランドについては,マニュアルHADB AP開発ガイドクライアント定義のオペランドの内容を参照してください。

  • クライアント定義の集中管理機能の適用対象外となるクライアント定義のオペランドについては,指定不要です。適用対象外となるクライアント定義のオペランドについては,マニュアルHADB AP開発ガイドクライアント定義の集中管理機能を使用する場合の留意事項を参照してください。

重要

クライアント定義のオペランドのうち,指定を省略したオペランドには,デフォルト値が仮定されます。そのため,HADBクライアントが管理しているクライアント定義ファイルの指定内容を適用したい場合は,クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイルにも同じ内容を指定してください。

クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイルを作成したら,サーバディレクトリの$ADBDIR/confディレクトリ下に格納してください。クライアント定義ファイルのファイル名は,ひな形(client.def)から変更できます。

なお,複数の認可識別子に対して,別々のクライアント定義ファイルの内容を適用したい場合は,クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイルを必要な分だけ作成してください。

(2) クライアント管理定義ファイル

クライアント管理定義ファイルには,クライアント管理定義のadbclientmangオペランドを指定します。adbclientmangオペランドには,次の2つを指定して関連づけます。

クライアント管理定義のadbclientmangオペランドに指定する内容
  • クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイルのファイル名

  • クライアント定義ファイルの指定内容を適用したいHADBユーザの認可識別子

クライアント管理定義ファイルのひな形(adbclientdefmang.def)は,サーバディレクトリの$ADBDIR/sample/confディレクトリに格納されています。ひな形をコピーして,クライアント管理定義のadbclientmangオペランドを指定してください。

クライアント管理定義ファイルを作成したら,サーバディレクトリの$ADBDIR/confディレクトリ下に格納してください。ファイル名は,ひな形(adbclientdefmang.def)のままとしてください。

なお,次に示す場合は,クライアント定義の集中管理機能は適用されません。

上記に該当する場合は,HADBクライアントが管理するクライアント定義ファイルの指定内容が適用されます。

(a) クライアント管理定義の指定形式

{{
  〔adbclientmang
     -f クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイル
     -i 認可識別子〔,認可識別子〕…〕
}}

クライアント管理定義の指定規則は,サーバ定義と同じです。サーバ定義の指定規則については,「7.3 サーバ定義の文法規則」を参照してください。

(b) クライアント管理定義の指定形式の説明

-f クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイル

〜〈文字列〉((1〜255バイト))

クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイルのファイル名を指定します。

このオプションには,サーバディレクトリの$ADBDIR/confディレクトリ下に格納されているクライアント定義ファイルのファイル名だけを指定してください。指定例を次に示します。

指定例(クライアント定義ファイル名がclient01.defの場合)
-f client01.def

また,複数のadbclientmangオペランドの-fオプションに,同じファイル名を指定することもできます。指定例を次に示します。指定例1と指定例2は,どちらも同じ指定内容として扱われます。

指定例1
adbclientmang -f client01.def -i ADBUSER01,ADBUSER02
指定例2
adbclientmang -f client01.def -i ADBUSER01
adbclientmang -f client01.def -i ADBUSER02

なお,-fオプションの指定内容について,次のどれかに該当する場合は,エラーとなります。

  • $ADBDIR/confディレクトリ下に存在しないファイル名を指定した場合

  • ファイル名以外にディレクトリ名も指定した場合

  • このオプションに指定したクライアント定義ファイルの内容に誤りがある場合

-i 認可識別子

〜〈文字列〉((1〜100バイト))

-fオプションに指定したクライアント定義ファイルの内容を適用して,HADBサーバに接続するHADBユーザの認可識別子を指定します。

このオプションに指定する認可識別子は,1~100バイトの範囲で指定してください。ただし,認可識別子を囲む二重引用符は,1~100バイトには含みません。

このオプションには,コンマで区切ることで,複数の認可識別子を指定できます。指定例を次に示します。

指定例(HADBユーザの認可識別子がADBUSER01とADBUSER02の場合)
-i ADBUSER01,ADBUSER02
重要

認可識別子の文字列中に英小文字がある場合は,認可識別子の指定規則を必ず確認してください。認可識別子の指定規則については,「9.4.2 認可識別子の指定規則」を参照してください。

なお,-iオプションの指定内容について,次のどれかに該当する場合は,エラーとなります。

  • -iオプションに,同じ認可識別子が複数指定されている場合

  • 複数のadbclientmangオペランドの-iオプションに,同じ認可識別子がそれぞれ指定されている場合

  • すべての-iオプションに指定した認可識別子の総数が,30,000を超えた場合

(3) HADBクライアントで管理するクライアント定義ファイル

クライアント定義の集中管理機能を使用する場合でも,HADBクライアントで管理するクライアント定義ファイルを作成する必要があります。

メモ

HADBクライアントで管理するクライアント定義ファイルの作成方法については,マニュアルHADB AP開発ガイドクライアント定義の作成方法を参照してください。

HADBクライアントで管理するクライアント定義ファイルには,クライアント定義の集中管理機能の適用対象外となるクライアント定義のオペランドを指定します。接続先のHADBサーバのホスト名やポート番号などです。クライアント定義の集中管理機能の適用対象外となるクライアント定義のオペランドについては,マニュアルHADB AP開発ガイドクライアント定義の集中管理機能を使用する場合の留意事項を参照してください。

なお,HADBクライアントで管理するクライアント定義ファイルには,クライアント定義の集中管理機能の適用対象となるクライアント定義のオペランドは,指定不要です。

クライアント定義の集中管理機能の適用対象となるクライアント定義のオペランドは,クライアント定義の集中管理機能で使用するクライアント定義ファイルに指定してください。オペランドの指定を省略した場合は,デフォルト値が仮定されます。