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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


10.11.6 SQLトレース情報を出力しているときの運用

SQLトレース情報を出力しているときの運用について説明します。

(1) SQLトレースファイルのバックアップを取得する」は,SQLトレース情報を出力しているときに行う定期的な運用を説明しています。「(2) SQLトレース情報の出力情報を確認したい場合」以降は,必要時に行う運用を説明しています。

〈この項の構成〉

(1) SQLトレースファイルのバックアップを取得する

SQLトレース情報が出力された結果,SQLトレースファイルの容量が満杯になった場合,別のSQLトレースファイルに出力先を切り替えます。SQLトレースファイルは全部で8つあり,すべてのSQLトレースファイルが満杯になった場合は,いちばん古いファイルから順次上書きされていきます。そのため,SQLトレース情報を保存しておきたい場合は,SQLトレースファイルのバックアップを取得してください。

SQLトレースファイルの出力先が切り替わったときに,KFAA81004-Iメッセージがメッセージログファイルに出力されます。このメッセージが出力されたときに,切り替え元のSQLトレースファイルのバックアップを取得するようにしてください。

(2) SQLトレース情報の出力情報を確認したい場合

SQLトレース情報に何の情報が出力されているかを確認したい場合は,adbchgsqltrcコマンドを実行してください。

■コマンドの実行例

adbchgsqltrc -d
 
sqltrace param    accesspath level
ACTIVE   ACTIVE   INACTIVE   SQL
[説明]
  • sqltrace

    SQLトレース情報が出力されているかどうかが表示されます。この例では,ACTIVE(SQLトレース情報が出力されている)が表示されています。

  • param

    ?パラメタの情報が出力されているかどうかが表示されます。この例では,ACTIVE(?パラメタの情報が出力されている)が表示されています。

  • accesspath

    アクセスパス情報およびアクセスパスの統計情報が出力されているかどうかが表示されます。この例では,INACTIVE(アクセスパス情報およびアクセスパスの統計情報が出力されていない)が表示されています。

  • level

    SQLトレース情報の出力単位が表示されます。この例では,SQL(SQL文単位でSQLトレース情報を出力する)が表示されています。

adbchgsqltrcコマンドの実行結果の詳細については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbchgsqltrc(SQLトレース情報の出力開始・停止)を参照してください。

(3) SQLトレース情報の出力情報を変更したい場合

SQLトレース情報の出力情報を変更したい場合は,adbchgsqltrcコマンドを実行してください。

■コマンドの実行例

(例1)?パラメタの情報の出力を停止します。

adbchgsqltrc -n param
[説明]
  • -n param

    ?パラメタの情報の出力を停止する指定です。

(例2)アクセスパス情報およびアクセスパスの統計情報の出力を開始します。出力単位はコール単位にします。

adbchgsqltrc -y accesspath -l call
[説明]
  • -y accesspath

    アクセスパス情報およびアクセスパスの統計情報の出力を開始する指定です。

  • -l call

    出力単位をコール単位にする指定です。

adbchgsqltrcコマンドを実行する際のオプションの指定については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbchgsqltrc(SQLトレース情報の出力開始・停止)を参照してください。

なお,adbchgsqltrcコマンドによるSQLトレース情報の出力情報の変更は,次回のHADBサーバの開始時には適用されません。次回のHADBサーバの開始時には,サーバ定義の指定が適用されます。

(4) SQLトレース情報の出力を停止したい場合

SQLトレース情報の出力を停止したい場合は,adbchgsqltrcコマンドを実行してください。

■コマンドの実行例

adbchgsqltrc -e

adbchgsqltrcコマンドを実行する際のオプションの指定については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbchgsqltrc(SQLトレース情報の出力開始・停止)を参照してください。

なお,adbchgsqltrcコマンドによるSQLトレース情報の出力停止は,次回のHADBサーバの開始時には適用されません。次回のHADBサーバの開始時には,サーバ定義の指定が適用されます。

(5) 停止していたSQLトレース情報の出力を開始したい場合

停止していたSQLトレース情報の出力を開始したい場合は,adbchgsqltrcコマンドを実行してください。

■コマンドの実行例

adbchgsqltrc -s

adbchgsqltrcコマンドを実行する際のオプションの指定については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbchgsqltrc(SQLトレース情報の出力開始・停止)を参照してください。

なお,adbchgsqltrcコマンドによるSQLトレース情報の出力開始は,次回のHADBサーバの開始時には適用されません。次回のHADBサーバの開始時には,サーバ定義の指定が適用されます。

(6) SQLトレース情報の出力先ファイルを確認したい場合

SQLトレース情報がどのSQLトレースファイルに出力されているかは,SQLトレースファイルの更新日時で判断してください。ファイルの更新日時が最も新しいSQLトレースファイルが,現在のSQLトレース情報の出力先になります。OSのlsコマンドなどを使用して,SQLトレースファイルの更新日時を確認してください。

なお,SQLトレースファイルをテキストエディタなどで更新し,ファイルの更新日時を変更してしまった場合は,更新日時から現在の出力先を判断することはできません。この場合,各SQLトレースファイル内に出力されているSQL文の終了日時を確認してください。SQL文の終了日時が最も新しいファイルが出力先となります。