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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


3.1.1 構築するHADBサーバのシステム構成

HADBサーバの体験環境を構築するマシン環境は,次に示す環境を前提としています。

体験環境で構築するHADBサーバのシステム構成を次の図に示します。

図3‒2 構築するHADBサーバのシステム構成

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) インストールデータを格納するディレクトリ

CD-ROMファイルシステムに格納されているHADBサーバのインストールデータのコピー先となるディレクトリです。インストールデータを格納するディレクトリには,次のインストールデータを格納します。

$VERは,HADBのバージョンおよびリリース番号を示します。

(2) サーバディレクトリ

サーバディレクトリとは,HADBサーバを運用するために必要な定義ファイルや各種コマンドなどが格納されるディレクトリです。

HADBサーバのインストール時にインストールコマンド(adbinstallコマンド)で,サーバディレクトリとして使用するディレクトリ(/home/adbmanager/server)を指定します。サーバディレクトリ下には,HADBサーバのプログラムの圧縮ファイルhitachi_advanced_data_binder_server-$VER.tar.gzファイル)が展開され,ディレクトリおよびファイルが格納されます。

体験環境を構築するときに使用するファイルを次の表に示します。

表3‒1 体験環境で使用するサーバディレクトリ内のファイルの一覧

項番

ファイル名

説明

1

サーバ定義ファイル

HADBサーバを稼働するために必要な定義が設定されているファイルです。

2

クライアント定義ファイル

APやコマンドを実行するために必要な定義が設定されているファイルです。

3

初期設定オプションファイル

DBエリアを作成するために必要なオプションが設定されているファイルです。

4

サンプルデータファイル

体験環境の表に格納するデータが入力されているテキストファイルです。

5

インポートオプションファイル

表にデータを格納するために必要なオプションが設定されているファイルです。

(3) DBディレクトリ

DBディレクトリとは,データベースの初期設定をしてDBエリアを作成する際,DBエリアを格納するディレクトリです。データベースの初期設定をする前に,ユーザがDBディレクトリ(/home/adbmanager/db)を作成します。

データベースの初期設定をすると,5つのDBエリアが作成されます。作成されるDBエリアを次の表に示します。ユーザが明示的に作成するDBエリアはデータ用DBエリアだけです。それ以外のDBエリアは自動的に作成されます。

表3‒2 作成されるDBエリアの一覧

項番

DBエリア名

説明

1

データ用DBエリア

表やインデクスを格納するDBエリアです。

2

作業表用DBエリア

SQL文の実行時にHADBが作成する作業表を格納するDBエリアです。

3

マスタディレクトリ用DBエリア

システムの内部情報を格納するDBエリアです。

4

ディクショナリ用DBエリア

ディクショナリ表,およびディクショナリ表のB-treeインデクスを格納するDBエリアです。

5

システム表用DBエリア

システム表,およびシステム表のB-treeインデクスを格納するDBエリアです。

(4) 通信情報ファイルを格納するディレクトリ

通信情報ファイルを格納するディレクトリとは,HADBサーバを運用するために必要な通信情報ファイルが格納されるディレクトリです。

HADBサーバをインストールする前に,ユーザが手動で,通信情報ファイルを格納するディレクトリを作成します。通信情報ファイルを格納するディレクトリは,サーバマシンのOSのバージョンによって異なります。

サーバマシンのOSがRHEL 6の場合
  • /dev/HADB/pth

  • /lib/udev/devices/HADB/pth

サーバマシンのOSがRHEL 7以降の場合
  • /dev/HADB/pth

また,次に示す設定ファイルを作成する必要があります。

  • /etc/tmpfiles.d/dev-HADB-pth.conf