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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


2.19.1 マルチノード機能とは

マルチノード機能とは,複数のHADBサーバを連携することによって,検索系SQLSELECT文)の処理の負荷分散を実現する機能のことです(スケールアウトによる負荷分散)。

マルチノード機能を使用した負荷分散の例を次の図に示します。

図2‒68 マルチノード機能を使用した負荷分散の例

[図データ]

[説明]

上記の例では,5つのHADBサーバで検索系SQLの処理を実行し,負荷分散を行っています。

  1. HADBクライアントからのAPの接続要求は,プライマリノードのHADBサーバが受け付けます。

  2. プライマリノードのHADBサーバが,負荷分散の制御を行います。プライマリノードのHADBサーバが負荷の少ないセカンダリノードまたはワーカーノードのうちの1つのノードを選択し,そのノードで検索系SQLを実行します。検索系SQLの処理をセカンダリノードまたはワーカーノードに振り分けることで負荷分散を実現しています。

上記の図中に出てくる用語について説明します。

メモ
  • セカンダリノードおよびワーカーノードの負荷が高い場合は,プライマリノードでも検索系SQLが実行されます。

  • セカンダリノードおよびワーカーノードのHADBサーバでは,データベースの更新が発生する処理を実行することはできません。そのため,更新系SQL,定義系SQL,およびデータベースの更新が発生するコマンド(adbimportコマンドなど)は,セカンダリノードおよびワーカーノードのHADBサーバでは実行されません。データベースの更新が発生しない一部のコマンドについては,セカンダリノードおよびワーカーノードのHADBサーバで実行できます。

メモ

HADBサーバがインストールされているサーバマシンと,そのサーバマシンにインストールされているOS,HADBサーバ,およびHAモニタを包括したものをノードといいます。

マルチノード機能使用時の処理性能は,ハードウェア環境や処理件数に依存します。また,マルチノード機能を使用する場合は,マルチノード機能を使用しない場合に比べて,ノード間の通信処理や同期処理のオーバヘッドによって,SQL文およびコマンドの実行処理に時間が掛かることがあります。