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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


2.7.8 HADBユーザに権限を付与する例

ここでは,HADBユーザに権限を付与する流れを,例を使って説明します。

〈この項の構成〉

(1) HADBユーザの役割と運用例

HADBユーザに権限を付与する前提となる運用例を次の図に示します。この例では,HADBユーザを4種類作成します。

図2‒28 各HADBユーザの役割と運用例

[図データ]

表2‒8 作成するHADBユーザの役割分担

項番

HADBユーザの役割

説明

1

ユーザ管理者

HADBユーザの管理を担当するHADBユーザです。ユーザ管理者は,次に示す役割のHADBユーザを作成します。

  • データベース構築者

  • データベース運用者

  • AP利用者

また,作成したHADBユーザに,CONNECT権限やスキーマ定義権限を付与します。

この例では,データベースの初期設定時に作成される最初(1人目)のHADBユーザを,ユーザ管理者とします。

2

データベース構築者

データベースの構築を担当するHADBユーザです。データベース構築者は,次に示す作業を行います。

  • スキーマ,表およびインデクスの定義

  • データのインポート

  • データベース運用者とAP利用者に,作成した表へのアクセス権限の付与

3

データベース運用者

データベースの運用を担当するHADBユーザです。データベース構築者が作成した表に対して,次に示す作業を行います。

  • データのインポート

  • インデクスの再作成

  • コスト情報の収集

  • SELECT文によるデータの検索

4

AP利用者

APを利用して,データベースを検索・更新するHADBユーザです。データベース構築者が作成した表に対して,次に示す作業を行います。

  • SELECT文によるデータの検索

  • INSERT文,UPDATE文およびDELETE文によるデータの追加・更新・削除

メモ

ここで説明する例には,監査証跡機能を使用する際に必要となる監査人は登場しません。監査証跡機能,および監査人の役割については,「2.18 監査証跡機能」を参照してください。

(2) HADBユーザに権限を付与する流れ

(1) HADBユーザの役割と運用例」で示したHADBユーザの役割を基に,HADBユーザに権限を付与する流れについて説明します。

まず,ユーザ管理者が,各HADBユーザを作成して権限を付与する流れについて,次の図に示します。

図2‒29 権限の付与の流れ(その1)

[図データ]

[説明]

OSユーザであるHADB管理者が,データベースの初期設定を実行します。その際,最初(1人目)のHADBユーザとして,ユーザ管理者が作成されます。

そのあとで,ユーザ管理者が,各HADBユーザを作成して,CONNECT権限やスキーマ定義権限を付与します。

次に,データベース構築者が定義した表へのアクセス権限を,データベース運用者とAP利用者に付与する流れについて,次の図に示します。

図2‒30 権限の付与の流れ(その2)

[図データ]

[説明]
  • データベース構築者が,表を定義します。そのあとで,データベース運用者とAP利用者に対して,表へのアクセス権限をそれぞれ付与します。データベース運用者とAP利用者は,データベース構築者が定義した表に対してアクセスできるようになり,持っているアクセス権限に従って作業を行うことができます。

  • データベース運用者が複数人いる場合,2. アクセス権限を付与で,データベース運用者の代表者に付与権付きのアクセス権限を付与すれば,データベース運用者の代表者が,ほかのデータベース運用者にアクセス権限を付与できるようになります。

  • 3. 各AP利用者にアクセス権限を付与で,AP利用者の代表者に付与権付きのアクセス権限を付与すれば,AP利用者の代表者が,ほかのAP利用者にアクセス権限を付与できるようになります。

メモ
  • HADBユーザに,権限を付与したり,付与した権限を取り消したりする場合は,定義系SQLのGRANT文およびREVOKE文を実行します。

  • データベースの初期設定時に,最初(1人目)のHADBユーザが作成されます。最初(1人目)のHADBユーザには,DBA権限およびCONNECT権限が自動的に付与されます。