2.19.3 HAモニタによるノードの管理
マルチノード機能を使用する場合,HAモニタが必要になります。HAモニタは,ノードの状態を監視し,障害が発生した場合にノードの切り離しを実行する製品です。
ここでは,マルチノード機能でのHAモニタの役割(機能)について説明します。HAモニタの詳細については,マニュアルHAモニタ Linux(R)(x86)編を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) ノード種別の決定
プライマリノードにするノードを,HAモニタの環境設定定義のserversファイルの指定に従ってHAモニタが決定します。serversファイルのinitialオペランドにonlineを指定すると,そのノードはプライマリノード(HAモニタの実行系)になり,standbyを指定すると,そのノードはセカンダリノード(HAモニタの待機系)になります。
プライマリノードおよびセカンダリノードとHAモニタの実行系および待機系の関係を次の図に示します。
マルチノード構成のHADBサーバを開始する際に,initialオペランドの指定に従ってプライマリノードとセカンダリノードが決まります。
- メモ
-
マルチノード構成のHADBサーバを開始するには,adbstartコマンドの実行後,HAモニタのmonbeginコマンドを実行します。その際,adbstartコマンドの処理が完了する前にmonbeginコマンドを実行する必要があります。
(2) 障害の監視
HAモニタは,次に示す障害が発生していないかを監視しています。これらの障害の発生を検知した場合,障害が発生したノードをマルチノード構成から切り離します。
項番 |
HAモニタが監視している障害 |
---|---|
1 |
ハードウェア障害 |
2 |
ハードウェアの電源断 |
3 |
カーネル障害 |
4 |
HAモニタの異常終了 |
5 |
HADBサーバの異常終了(サーバプロセスの異常終了) |
上記の表に示す障害をノード障害といいます。
- ■マニュアルHAモニタ Linux(R)(x86)編を読む際のポイント
-
HAモニタの監視対象となる障害には,系障害(上記の表の項番1〜4の障害)とサーバ障害(上記の表の項番5の障害)があります。マルチノード機能は,HAモニタのモニタモードで動作するため,サーバ障害を検知する場合は,サーバの監視コマンドの作成が必要になります。サーバの監視コマンドの作成方法については,「16.3.4 HAモニタの環境設定」の「(4) コマンド用環境変数定義およびコマンドの作成」の「(e) サーバの監視コマンドの作成」を参照してください。
(3) 障害発生時のノードの切り離し
「(2) 障害の監視」で説明したノード障害が発生した場合,HAモニタの機能を使用して,障害が発生したノードをマルチノード構成から切り離し,残ったノードで業務を継続します。
ノード障害発生時のノードの切り離し処理は,HAモニタが管理しています。詳細については,「2.19.4 マルチノード構成からのノードの切り離し」を参照してください。