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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド


1.3 各処理方式の特徴

リアルタイムSANレプリケーションの処理方式を全同期方式,全非同期方式,ハイブリッド方式,またはログ同期方式のどれにするかを検討してください。各処理方式の特徴を次の表に示します。

表1‒6 全同期方式,全非同期方式,ハイブリッド方式,およびログ同期方式の特徴

大分類

小分類

リアルタイムSANレプリケーションの処理方式

全同期方式

全非同期方式

ハイブリッド方式

ログ同期方式

HiRDBファイルの配置

同期ペアボリュームに配置するファイル

あり

なし

あり

あり

非同期ペアボリュームに配置するファイル

なし

あり

あり

なし

SMPLペアボリュームに配置するファイル

なし

なし

なし

あり

データ欠損※1

なし

あり

なし

なし

トランザクション処理性能

更新コピー待ち合わせ時間による性能劣化

あり

なし

あり

あり

性能比較※2

44

100

88

88

コスト

初期導入

やや高い

高い

高い

低い

運用

高い

高い

高い

低い

ほかの機能との組み合わせ

同時に実行できない機能

なし

なし

なし

あり※4

ログレスモード,または更新前ログ取得モードでのUAP,SQL実行時の影響

なし

なし

トランザクション性能が劣化※3

システムログ適用化が必要

運用

災害対策用のサイトのHiRDB運用

災害時だけ稼働

災害時だけ稼働

災害時だけ稼働

常に稼働

運用手順

簡単

簡単

やや複雑

複雑

注※1

障害や,HiRDB管理者の操作の誤りによって,リモートサイトへの反映が正しく行われなかった場合,データ欠損が発生するか,またはリモートサイトでHiRDBが再開始できないことがあります。

注※2

サイト間伝送距離1500km,通信速度1ギガbpsの環境下で,リアルタイムSANレプリケーションを使用しないときのトランザクション性能を100とした場合の,おおよその相対値です。なお,相対値はメインサイトとリモートサイト間の減衰率に依存します。

注※3

詳細については,「運用時の注意事項(ハイブリッド方式限定)」を参照してください。

注※4

詳細については,「ほかの機能との関連」を参照してください。