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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)


2.87.1 pdorchgの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

カレントRDエリアを,オンライン再編成閉塞(一時的にコマンド閉塞となっているRDエリアも含む)のオリジナルRDエリアからオンライン再編成閉塞のレプリカRDエリアに切り替えます。

pdorchgコマンドの完了後,オンライン再編成閉塞のオリジナルRDエリアにアクセスしていたトランザクションの待ち状態は解除され,オンライン再編成閉塞のレプリカRDエリアにアクセスします。

pdorchgコマンドは,HiRDB Staticizer Optionが組み込まれていて,かつシステム定義のpd_max_reflect_process_countオペランド及びpd_inner_replica_controlオペランドを指定している場合に実行できます。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

 pdorchg 〔-s サーバ名〔,サーバ名〕…〕〔-W 実行監視時間〕

(4) オプション

(a) -s サーバ名〔,サーバ名〕… 〜<識別子>((1〜8))

レプリカRDエリアに対する更新処理をオリジナルRDエリアに反映する,レプリカグループのあるサーバの名称を指定します。

<規則>

  1. -sオプションを省略した場合,オンライン再編成閉塞のRDエリアがあるすべてのサーバに対してカレントRDエリアの切り替えをします。

  2. サーバ名を重複して指定した場合,重複排除されます。

  3. 指定できるサーバの数は最大128個です。129個以上指定した場合,129個目以降のサーバ名は無視されます。

  4. pdorbeginコマンドで-tオプションにサーバ間横分割表を指定してオンライン再編成閉塞にした場合,サーバ間で一括して処理をするため,カレント切り替え処理をするサーバを限定したいときだけ,-sオプションを指定してください。

  5. 処理対象RDエリアに共用RDエリアがある場合,全バックエンドサーバで一括して処理をします。そのため,-sオプションを指定するとエラーになります。

  6. 次の条件を二つとも満たす場合,-sオプションを指定してpdorchgコマンドを実行してください。-sオプションを省略して実行するとエラーになります。

    • -tオプション指定のpdorbeginコマンドを実行している(共用表を指定している場合を除く)。

    • HiRDBの一部のユニット若しくはサーバが停止している,又は停止処理中である。

(b) -W 実行監視時間 〜<符号なし整数>((0〜3600))

pdorchgコマンドの実行時間を監視する場合に,その監視時間を分単位で指定します。このオプションに指定する値の目安や動作については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム定義」のシステム共通定義pd_cmd_exec_timeオペランドの説明を参照してください。

なお,このオプションに0を指定した場合は,監視を行いません。

また,このオプションを省略した場合は,システム共通定義のpd_cmd_exec_timeオペランドの指定値に従います。

(5) 規則

  1. pdorchgコマンドは,HiRDBが稼働中のときだけ実行できます。

  2. pdorchgコマンドは,シングルサーバ又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。

  3. pdorchgコマンドを実行する場合,データディクショナリ用RDエリアが次のどちらかの状態でなければなりません。

    • オープン状態,かつ閉塞解除状態

    • オープン状態,かつコマンド閉塞状態

  4. pdorchgコマンドは,pdorbeginコマンドでRDエリアを指定したか,又は表を指定したかによって,処理単位が変わります。

    RDエリアを指定した場合:

    サーバごとに処理をします。そのため,同一サーバ内のすべてのオンライン再編成閉塞のオリジナルRDエリアからレプリカRDエリアにカレントRDエリアを切り替えられない場合,そのサーバに対する処理はエラーとなり,次のサーバの処理をします。

    表を指定した場合:

    指定した表に関連するすべてのRDエリアを,一括して処理します。したがって,処理対象となるすべてのオンライン再編成閉塞のオリジナルRDエリアからレプリカRDエリアにカレントRDエリアを切り替えられない場合,エラーとなります。

  5. RDエリアの状態によってpdorchgコマンドの実行可否が変わります。詳細については,「RDエリアの状態遷移」を参照してください。

  6. 処理対象RDエリアに共用RDエリアがある場合,全バックエンドサーバが処理対象となります。処理対象となるすべてのオンライン再編成閉塞のオリジナルRDエリアからレプリカRDエリアにカレントRDエリアを切り替えられない場合,エラーとなります。

(6) 注意事項

  1. pdorchgコマンドの結果は,pdls -d orgコマンド,又はリターンコードで確認できます。リターンコードを次に示します。

    0:正常終了

    4:警告終了(一部のサーバで処理が成功)

    8:異常終了

    12:異常終了(コマンドがエラーメッセージを表示できない事象が発生)

    リターンコードが12の場合,シングルサーバ又はディクショナリサーバがあるホストのsyslogfileのエラーメッセージを参照し,エラーの要因を取り除いた後,再度コマンドを実行してください。syslogfileにエラーメッセージが出力されていない場合は,保守員に連絡してください。

  2. pdorchgコマンドは,ペアボリュームの解除後に実行してください。