Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)


2.32.1 pdfchfsの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

HiRDBファイルシステム領域の最大増分回数(pdfmkfsの-eオプションの指定値)を変更します。

プロセス固有領域不足が発生した際,pdfmkfsコマンドの-eオプションに見積もり値以上の不当に大きな値を指定していた場合は,これを適切な値に変更することで,プロセス固有領域のメモリ所要量を削減できます。

pdfchfsコマンドは,次のどちらかに該当するときに実行します。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

 pdfchfs -e 最大増分回数 HiRDBファイルシステム領域名

(4) オプション

(a) -e 最大増分回数 〜<符号なし整数>((0〜60000))

pdfmkfsコマンドの-eオプションで指定した,HiRDBファイルシステム領域の最大増分回数を変更します。最大増分回数は,pdfstatfsコマンド実行結果の[available expand count]に表示される値で確認できます。ただし,pdfmkfsコマンドの-eオプションの指定値を超える値は指定できません。

pdfmkfsコマンドの-eオプションに指定していた値が見積もりで算出した値以上の場合,最大増分回数を小さくすることで,各HiRDBサーバプロセスが使用するプロセス固有領域のメモリ所要量を削減できます。

メモリ所要量の削減量の目安を次に示します。

  • pdfmkfsコマンドの-nオプション指定値が2048以上の場合:

    ↑{(24×a)÷b}↑×b [単位:バイト]
  • pdfmkfsコマンドの-nオプション指定値が2047以下の場合:

    ↑{(16×a)÷b}↑×b [単位:バイト]
可変記号の説明

a:pdfmkfs -eオプションの指定値

b:pdfmkfs -sオプションの指定値(pdfstatfs -bコマンド実行結果の[sector size]に表示される値。省略した場合,キャラクタ型スペシャルファイルのときは1024,通常ファイルのときは512)

サーバプロセスが使用するプロセス固有領域の詳細は,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「メモリ所要量の計算式」を参照してください。

<注意事項>

  1. 指定値が次の条件を満たさない場合,コマンドはKFPI21604-Eを出力しエラー終了します。

    • 下限:現時点での使用増分回数

    • 上限:pdfmkfsコマンド実行時の-eオプション指定値

  2. 変更前と同じ値を指定した場合,コマンドは正常終了します。

  3. 次の値より小さい値を指定した場合,HiRDBファイルの作成又は拡張時に,HiRDBファイルの増分限界に達する前に領域の最大増分回数に達してエラーになるおそれがあります。

    23×増分を使用するHiRDBファイル数の累計

    HiRDBファイルシステム領域の使用目的ごとに,「pdfmkfs(HiRDBファイルシステム領域の初期設定)」を参照してください。

(5) コマンド引数

(a) HiRDBファイルシステム領域名 〜<パス名>((165文字以内))

HiRDBファイルシステム領域名を指定します。

<注意事項>

  1. 次のすべての条件を満たすHiRDBファイルシステム領域に対しては実行できません。実行した場合,コマンドはKFPI21603-Eを出力しエラー終了します。

    • pdfmkfsコマンドに-aオプションを指定して,HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張する指定をしている場合

      自動的に拡張する指定をしているかどうかはpdfstatfsコマンド実行結果の[area auto expand]に表示される値で確認できます。

    • pdfmkfsコマンドの-kオプションで指定した,HiRDBファイルシステム領域の使用目的がDB,SDB,又はSYSの場合

      使用目的はpdfstatfsコマンド実行結果の[initialize area kind]に表示される値で確認できます。

(6) 規則

  1. pdfchfsコマンドは,HiRDBの稼働状況に関係なく実行できます。ただし,HiRDBファイルシステム領域の使用目的がSVRの場合を除きます。

    HiRDB停止中に実行する場合の制限はありません。HiRDB稼働中に実行する場合は,pdfmkfsコマンドの-kオプションで指定した,HiRDBファイルシステム領域の使用目的ごとに,次に示す手順で実行してください。

    項番

    使用目的

    pdfchfsコマンド実行時の手順

    1

    DB又はSDB

    1. 対象RDエリアを閉塞かつクローズ状態にします。コマンド実行対象のHiRDBファイルシステム領域に格納しているHiRDBファイルを構成ファイルとするすべてのRDエリアが対象です。

    2. プロセスのリフレッシュ(pdpfresh)をします。

    3. pdfchfsコマンドを実行します。

    4. RDエリアの閉塞かつクローズ状態を解除します。

    <注意事項>

    • マスタディレクトリ用RDエリアの構成ファイルを格納しているHiRDBファイルシステム領域は適用できません。適用するには,HiRDBを停止して実行する必要があります。

    • プロセスをリフレッシュする際,HiRDBファイルにアクセスしているプロセスを強制的にリフレッシュしてよい場合にはpdpfreshコマンドの-fオプションを指定して実行します。そうでない場合にはこのプロセスが実行中のジョブが終了するまで待つか,そのジョブを終了させてからコマンドを実行してください。HiRDBファイルにアクセスしているプロセスの確認方法及び,pdpfreshの使用方法については,「pdpfresh(サーバプロセスのリフレッシュ)」を参照してください。

    2

    SYS

    1. 対象のHiRDBファイルをクローズします。コマンド実行対象のHiRDBファイルシステム領域に格納しているHiRDBファイルすべてが対象です。

    2. pdfchfsコマンドを実行します。

    3. HiRDBファイルをオープンします。

    <注意事項>

    • HiRDBファイルシステム領域内に現用のHiRDBファイルが存在する場合,別領域のHiRDBファイルにスワップした後に実行してください。

    • 全世代を同じHiRDBファイルシステム領域に格納している場合は適用できません。適用するには,HiRDBを停止して実行してください。HiRDB/パラレルサーバでサーバ用HiRDBファイルだけを格納している場合は,サーバ単位の終了でも実行できます。

    • 監査証跡ファイルを格納しているHiRDBファイルシステム領域は適用できません。適用するには,HiRDBを停止して実行してください。

    3

    WORK

    1. 作業表を使用するトランザクションの運用をいったん停止します。

    2. pdfchfsコマンドを実行します。

    <留意事項>

    コマンド実行中にトランザクションを実行した場合,pdfchfsコマンド終了までトランザクションは実行待ちになり,pdfchfsコマンド実行後に動作を再開します。

    4

    UTL

    1. 対象HiRDBファイルシステム領域を指定するユティリティの運用をいったん停止します。

    2. pdfchfsコマンドを実行します。

    <留意事項>

    コマンド実行中にユティリティを実行した場合,pdfchfsコマンド終了までユティリティは実行待ちになり,pdfchfsコマンド実行後に動作を再開します。

    5

    SVR

    HiRDB稼働中に実行はできません。HiRDBを停止してから実行してください。

    この手順に従わないでpdfchfsコマンドを実行した場合,対象のHiRDBファイルシステム領域を使用中のプロセスが存在すると,コマンドはKFPI21528-Eを出力してエラー終了します。エラー終了した場合はこの手順に従ってコマンドを再実行してください。

  2. pdfchfsコマンドは,HiRDBファイルシステム領域があるサーバマシンごとに実行してください。

  3. 共用RDエリアとして使用しているHiRDBファイルシステム領域に対して実行する場合,更新可能バックエンドサーバがあるサーバマシンから実行してください。

(7) 注意事項

  1. pdfchfsコマンドでは,pdfmkfsコマンド実行時に作成した管理情報のサイズは変更できません。管理部に使用しない無駄な領域ができるため,pdfmkfsコマンド再実行による変更を推奨します。