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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)


2.19.1 pdclibsyncの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

Cライブラリファイルに対して次に示す操作ができます。

このコマンドは,Cストアドプロシジャ又はCストアドファンクションを使用するときに使用します。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

(a) HiRDB/シングルサーバの場合

 pdclibsync 〔{-I|-R|-D|-L}〕
 
           〔-u 認可識別子〔,認可識別子〕…〕
 
           〔-f Cライブラリファイル名〕

(b) HiRDB/パラレルサーバの場合

 pdclibsync 〔{-I|-R|-D|-L|-S}〕
 
           〔-x ホスト名〔,ホスト名〕…〕
 
           〔-u 認可識別子〔,認可識別子〕…〕
 
           〔-f Cライブラリファイル名〕

(4) オプション

(a) {-I|-R|-D|-L|-S}

pdclibsyncコマンドで実行する処理を指定します。

-I

CライブラリファイルをHiRDBに新規登録します。Cライブラリファイルは,pd_c_library_directoryオペランドで指定したディレクトリ下に格納されます。

このオプションを指定した場合は,-u及び-fオプションを必ず指定してください。

-fオプションで指定したCライブラリファイルが既に登録されている場合に,このオプションを指定してコマンドを実行するとエラーになります。

-R

CライブラリファイルをHiRDBに再登録します(登録済みのCライブラリファイルを上書きします)。

このオプションを指定した場合は,-u及び-fオプションを必ず指定してください。

-D

Cライブラリファイルを削除します。

このオプションを指定した場合は,-u及び-fオプションを必ず指定してください。

-fオプションで指定したCライブラリファイルがHiRDBに登録されていない場合に,このオプションを指定してコマンドを実行するとエラーになります。

-L

HiRDBに登録されているCライブラリファイルの一覧を表示します。

-S

このオプションは,HiRDB/パラレルサーバ限定のオプションです。

-xオプションで指定したサーバマシンのCライブラリファイルをコピー元とし,HiRDB/パラレルサーバを構成する全サーバマシンにそのCライブラリファイルを再登録します。-xオプションを省略した場合,ディクショナリサーバが定義されているサーバマシンのCライブラリファイルをコピー元とします。

例えば,サーバマシンを追加したときにこのオプションを使うと,追加したサーバマシンにCライブラリファイルを登録できます。

pdclibsyncコマンドに指定するオプションの関係を次の表に示します。

表2‒1 pdclibsyncコマンドに指定するオプションの関係

Cライブラリファイルの

操作種別のオプション

ほかのオプション

-x

-u

-f

-I

-R

-D

-L

-S

(凡例)

◎:必ず指定してください。

○:任意に指定できます。

注※

-xオプションを指定する場合は,ホスト名を一つだけ指定してください。

(b) -x ホスト名〔,ホスト名〕…

このオプションは,HiRDB/パラレルサーバ限定のオプションです。

・-Sオプションを指定した場合

コピー元のCライブラリファイルがあるサーバマシンのホスト名を指定します。ホスト名を二つ以上指定することはできません。

このオプションを省略した場合は,ディクショナリサーバが定義されているサーバマシンのホスト名が仮定されます。

・-Sオプション以外を指定した場合

pdclibsyncコマンドの処理対象となるホストを限定する場合に指定します。

例えば,-Dオプションを指定してCライブラリファイルを削除する場合に,-xオプションを指定すると,指定したホストにあるCライブラリファイルだけが削除されます。

(c) -u 認可識別子〔,認可識別子〕…

認可識別子を指定します。認可識別子にMASTER又はHiRDBを指定することはできません。

-I,-R,及び-Dオプションを指定した場合は,このオプションを必ず指定してください。

・-Iオプションを指定した場合

Cライブラリファイルの所有者となる認可識別子を指定します。Cストアドプロシジャ又はCストアドファンクションの所有者となる認可識別子を指定してください。

HiRDB管理者とここで指定した認可識別子のユーザだけが,登録したCライブラリファイルを操作できます。

・-Iオプション以外を指定した場合

指定した認可識別子のユーザが所有するCライブラリファイルがコマンドの処理対象になります。

(d) -f Cライブラリファイル名

操作対象のCライブラリファイルの名称を指定します。

-I,-R,及び-Dオプションを指定した場合は,このオプションを必ず指定してください。

-S,-Lオプション指定時にこのオプションを省略した場合は,登録されているすべてのCライブラリファイルが操作対象になります。

(5) 規則

  1. pdclibsyncコマンドは,HiRDBの稼働に関係なく実行できます。

  2. pdclibsyncコマンドは,任意のサーバマシンから実行できます。

  3. pdclibsyncコマンドは,複数同時に実行しないでください。

(6) リターンコード

pdclibsyncコマンドのリターンコードを次に示します。

0:正常終了

4:異常終了

Cライブラリファイルに対する処理を実行する前に異常終了したときに返されるリターンコードです。

例えば,新規登録を行った場合にCライブラリファイルが既に登録されている,削除を行った場合に該当するCライブラリファイルがないときにこのリターンコードが返されます。

8:異常終了

Cライブラリファイルに対する処理の実行中に異常終了したときに返されるリターンコードです。

この場合,出力されたメッセージを参照し,障害原因を取り除いた後にコマンドを再実行してください。なお,このリターンコードが返された場合,Cライブラリファイルが壊れている可能性があるため,Cライブラリファイルの一覧を表示してください。ファイルサイズが通常と異なるCライブラリファイルがある場合,そのファイルが壊れている可能性があります。この場合,Cライブラリファイルを再登録するなどの対処を取ってください。

(7) 注意事項

  1. トランザクションの実行中に,そのトランザクション中で実行されるCストアドルーチンが使用するC関数を含むCライブラリファイルを再登録及び削除しないでください。

(8) 出力形式

pdclibsyncコマンドのオプションに-Lを指定,又はオプションを省略した場合は,次の情報が表示されます。

 HOSTNAME(aabbcc)  DATE        TIME       SIZE    OWNER   FILE
 dd...d            eeee/ff/gg  hh:ii:jj   kk...k  ll...l  mm...m
    :                :            :         :       :       :

[説明]

aabbcc:

pdclibsyncコマンドを実行した時刻が表示されます。

dd...d:

pdclibsyncコマンドを実行したホスト名が表示されます。

eeee/ff/gg:

Cライブラリファイルの日付が表示されます。

hh:ii:jj:

Cライブラリファイルの時刻が表示されます。

kk...k:

Cライブラリファイルの大きさが表示されます(単位:バイト)。

ll...l:

Cライブラリファイルの所有者名が表示されます。

mm...m:

Cライブラリファイルの名称が表示されます。

注※

SQL文(INSTALL CLIB,REPLACE CLIB)でCライブラリファイルを新規登録又は再登録した場合は,SQL文を実行した日付及び時刻となります。pdclibsyncコマンドでCライブラリファイルを新規登録又は再登録した場合は,新規登録又は再登録したCライブラリファイルの日付及び時刻となります。