ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)
HiRDBシステムで障害が発生した場合,障害の原因を調査するために障害情報の取得,及び取得する情報の容量見積もりをします。
HiRDB管理者が実行できます。なお,HiRDBが出力する情報ファイルやOSの情報ファイルへの参照権限が必要です。
pdinfoget -e 初期情報ファイル出力先ディレクトリ名 -d 詳細情報ファイル出力先ディレクトリ名 〔-w ワークディレクトリ名〕 〔-n〕 〔-s syslogfile名〕 |
pdinfoget -m 〔-n〕 〔-s syslogfile名〕 |
初期情報ファイル(障害原因の切り分けに必要な情報をまとめたファイル)を出力する既存のディレクトリ名を絶対パスで指定します。ディレクトリ名の長さの上限値を次に示します。
指定したディレクトリが存在しない,又は書き込み権限がない場合は,エラーメッセージを出力して処理を打ち切ります。
初期情報ファイル出力先ディレクトリには,初期情報ファイルと実行ログが出力されます。初期情報ファイルはアーカイブファイルであり,複数のファイルが格納されています。それぞれのファイル名を次に示します。
初期情報ファイルに取得される障害情報については,表「pdinfogetコマンドで取得する障害情報一覧」を参照してください。
詳細情報ファイル(障害原因の切り分け後,さらに詳細な調査に必要な情報をまとめたファイル)を出力する既存のディレクトリ名を絶対パスで指定します。ディレクトリ名の長さの上限値を次に示します。
指定したディレクトリが存在しない,又は書き込み権限がない場合は,エラーメッセージを出力して処理を打ち切ります。
詳細情報ファイルはアーカイブファイルであり,複数のファイルが格納されています。詳細情報ファイル名を次に示します。
詳細情報ファイルに取得される障害情報については,表「pdinfogetコマンドで取得する障害情報一覧」を参照してください。
pdinfogetは障害情報を取得した後,HiRDB・OSコマンドを実行して障害情報をアーカイブ,又は圧縮します。このとき,一時的に作成する作業用のファイルを格納する領域として,既存のディレクトリ名を絶対パスで指定します。ディレクトリ名の長さの上限値を次に示します。
指定したディレクトリが存在しない,又は書き込み権限がない場合は,エラーメッセージを出力して処理を打ち切ります。
作業用のファイルは,指定したディレクトリ下にワークディレクトリ「pdinfoget_work_日時」を作成し,そこに格納します。既に「pdinfoget_work_日時」ディレクトリが存在する場合は,エラー終了します。
このオプションを省略した場合,次に示すディレクトリが仮定されます。
| -wオプションの指定 | システム定義のpd_tmp_directoryオペランドの指定 | ||
|---|---|---|---|
| あり | なし | ||
| 環境変数TMPDIR※の指定 | |||
| あり | なし | ||
| あり | -wオプションに指定したディレクトリ | ||
| なし | pd_tmp_directoryに指定したディレクトリ | TMPDIRに指定したディレクトリ | /tmpディレクトリ |
これらのファイルは,処理の終了時に削除されます。
ただし,処理中にエラーが発生した場合,ファイルが削除されないことがあります。この場合は,ファイルを手動で削除する必要があります。
pdinfogetがデフォルトで取得すると設定しているsyslogfileと異なるsyslogfileを取得する必要がある場合,ファイル名を絶対パスで指定します。
pdinfogetがデフォルトで取得するsyslogfileを次に示します。
| プラットフォーム | デフォルトで取得するファイル |
|---|---|
| HP-UX | /var/adm/syslog/syslog.log |
| AIX | /tmp/syslog.out |
| Linux | /var/log/messages |
-sオプションで取得するファイルを指定する必要があると考えられるのは,次のような場合です。
取得する障害情報に必要な容量の見積もり値を出力する場合に指定します。見積もり値は標準出力に次の形式で出力されます。
| ファイルの種類 | 表示形式(単位:メガバイト) |
|---|---|
| 初期情報ファイル | init_directory = xxx Mbyte |
| 詳細情報ファイル | detail_directory = yyyy Mbyte |
| PRFトレース情報ファイル | prf_directory = wwww Mbyte※ |
(凡例)xxx,yyyy,zzzz,wwww:数値
-sオプションを指定して障害情報を取得する場合,それらの容量も見積もり値に含めるため,-sオプションを同時に指定する必要があります。なお,-s以外のオプションが同時に指定されている場合は,エラー終了します。
PRFトレース情報ファイルの容量の見積もり,取得を行わない場合に指定します。次の場合に指定してください。
表2-10 pdinfogetコマンドで取得する障害情報一覧
| 取得する情報項目 | 取得の有無 | 初期情報 | 詳細情報 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| HiRDBコマンド | HiRDBの状態を知るため,HiRDBコマンドを実行して取得した情報 | ユニット,及び内部コンポーネントの状態 | ○ | ○ | × | |
| サーバプロセスの状態 | ○ | ○ | × | |||
| HiRDBサーバのスケジュール状態 | ○ | ○ | × | |||
| HiRDBサーバの設定情報 | ○ | ○ | × | |||
| ユニット内のHiRDBサーバの状態 | ○ | ○ | × | |||
| 実行中トランザクション情報 | ○ | ○ | × | |||
| ユーザ識別子情報 | ○ | ○ | × | |||
| 排他情報 | ○ | ○ | × | |||
| 排他制御用プール使用状況 | ○ | ○ | × | |||
| 内部ロック情報 | ○ | ○ | × | |||
| セマフォ情報 | ○ | ○ | × | |||
| メッセージキュー情報 | ○ | ○ | × | |||
| ユニット及びサーバの状態 | ○ | ○ | × | |||
| 共用メモリ情報 | ○ | ○ | × | |||
| HiRDBのバージョン情報 | ○ | ○ | × | |||
| サーバプロセスの通信制御情報 | ○ | ○ | × | |||
| グローバルバッファの使用情報 | ○ | ○ | × | |||
| RDエリアの状態表示 | ○ | ○ | × | |||
| SQLオブジェクト情報 | ○ | ○ | × | |||
| リアルタイムSANレプリケーションの情報 | ○ | ○ | × | |||
| 系切り替え機能の情報 | ○ | ○ | × | |||
| HiRDB情報ファイル | HiRDBが参照する定義や,結果として出力したファイル | $PDDIR/spool下の全ディレクトリとファイル | ○ | × | ○ | |
| $PDDIR下の構成情報 | ○ | ○ | × | |||
| $PDDIR/spool下のファイル | コマンドログファイル | ○ | ○ | × | ||
| メッセージログファイル | ○ | ○ | × | |||
| エラーログファイル | ○ | ○ | × | |||
| 障害時スナップ情報ファイル | ○ | ○ | × | |||
| アボート情報ファイル | ○ | ○ | × | |||
| cwaitover情報ファイル | ○ | ○ | × | |||
| PRFトレース情報ファイル | ○ | × | ○ | |||
| システム定義情報(conf/*,%PDCONFPATH%) | ○ | ○ | × | |||
| 簡易セットアップツール情報(pdistup/*) | bin | × | × | × | ||
| conf | × | × | × | |||
| ini | × | × | × | |||
| sample | ○ | ○ | × | |||
| tmp | ○ | ○ | × | |||
| spool | ○ | ○ | × | |||
| pdi_log.txt | ○ | ○ | × | |||
| HiRDBデータベース環境情報($PDDIR/.dbenv/*) | ○ | ○ | × | |||
| HiRDB内部用ワークディレクトリ下($PDDIR/tmp/*) | ○ | × | ○ | |||
| クライアントトレース情報($PDCLTPATH下のファイル) | SQLトレース情報 | ○ | ※1 | ※1 | ||
| エラーログファイル | ○ | ○ | × | |||
| pdess*ファイル | ○ | ○ | × | |||
| UAP統計情報 | ○ | ○ | × | |||
| PRFトレース情報ファイル(pd_prf_output_directoryオペランドに指定したディレクトリに出力されたファイル) | ○ | × | ○ | |||
| PRFトレース情報ファイルの構成情報(pd_prf_output_directoryオペランドに指定したディレクトリの構成情報) | ○ | ○ | × | |||
| OSコマンド | OS下の状況を知るため,コマンドを実行して取得した情報 | プロセス情報 | ○ | ○ | × | |
| ディスク情報 | ○ | ○ | × | |||
| プロセス間通信機能のステータス情報 | ○ | ○ | × | |||
| CPU利用率,及びディスク状況 | ○ | ○ | × | |||
| プロセスのCPU稼働及びメモリ状態 | ○ | ○ | × | |||
| 仮想メモリ状態 | ○ | ○ | × | |||
| カーネルパラメタ | ○ | ○ | × | |||
| ホスト名称 | ○ | ○ | × | |||
| システムリソースの上限情報 | ○ | ○ | × | |||
| OSのパフォーマンス情報 | ○ | ○ | × | |||
| OS情報ファイル | OSが参照する定義や,結果として出力したファイル | OSのバージョン情報 | ○ | ○ | × | |
| マシン情報 | ○ | ○ | × | |||
| プロセッサ情報 | ○ | ○ | × | |||
| メモリ実装情報 | ○ | ○ | × | |||
| 環境変数情報 | ○ | ○ | × | |||
| ネットワーク情報 | ○ | ○ | × | |||
| ネットワークステータス情報 | ※2 | ○ | × | |||
| DISK情報 | ※2 | ○ | × | |||
| syslogfile | ○ | ○ | × | |||
| バックトレース情報 | ○ | ○ | × | |||
表2-11 出力先ディレクトリ下にあるとエラーになるディレクトリ
| 出力先ディレクトリ | 出力先ディレクトリ下にあるとエラーになるディレクトリ |
|---|---|
| 初期情報ファイル出力先ディレクトリ | CLTDIR PDDIR spool conf .dbenv pdistup OSFILE SYSLOG COREINF PRF |
| 詳細情報ファイル出力先ディレクトリ | PDDIR spool tmp CLTDIR PRF |
KFPN10403-I init information file output, file=初期情報ファイルパス名 |
| リターンコード | 終了状態 | 意味と対処方法 |
|---|---|---|
| 0 | 正常終了 | 正常に終了しました。 なお,KFPN10451-Iが出力されている場合,障害情報のアーカイブ,又は圧縮が完了していません。
|
| 4 | 警告終了 |
|
| 8 | 異常終了 | エラーが発生したため,処理を打ち切りました。
|
| 12 | 割り込み(シグナル発生)による終了 | 割り込み(シグナル発生)によって処理を打ち切りました。 |
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