ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)
指定したハードディスクのパーティション(キャラクタ型スペシャルファイル)又は通常ファイルをHiRDBファイルシステム領域用に初期設定します。
HiRDB管理者が実行できます。
pdfmkfs -n HiRDBファイルシステム領域サイズ 〔-l 最大ファイル数〕 〔-k 使用目的〕 〔-e 最大増分回数〕 〔-s セクタ長〕 〔-i〕 〔-a〕 キャラクタ型スペシャルファイル名 |
pdfmkfs -n HiRDBファイルシステム領域サイズ 〔-l 最大ファイル数〕 〔-k 使用目的〕 〔-e 最大増分回数〕 〔-i〕 〔-r〕 〔-a〕 通常ファイル名 |
HiRDBファイルシステム領域として割り当てる容量をメガバイト単位で指定します。このオプションは,必ず指定してください。指定範囲を次に示します。
| ファイルの種類 | HP-UX | AIX | Linux | |
|---|---|---|---|---|
| 通常ファイル | 1〜2,047 | 1〜2,047 | 1〜2,047 | |
| キャラクタ型スペシャルファイル | 1〜2,047 | 1〜2,047 | 1〜2,047 | |
| ラージファイル | 通常ファイル | 1〜1,048,575 | 1〜65,411※ | 1〜1,048,575 |
| キャラクタ型スペシャルファイル | 1〜1,048,575 | 1〜1,048,575 | 1〜1,048,575 | |
このオプションと同時に-k DB -a,-k SDB -a,-k SYS -a,又は-k WORK -aを指定すると,このオプションで指定したHiRDBファイルシステム領域の容量を使い切ったときに自動的に領域を拡張します。
なお,HiRDBファイルシステム領域の管理で使用する管理領域も,-nオプションの指定値に含まれます。したがって,実際にHiRDBファイルに割り当てられる容量は,(-nオプションの指定値)−(管理領域の容量)となります。管理領域の容量の求め方については,注意事項を参照してください。実際にHiRDBファイルに割り当てられる容量は,pdfstatfsコマンドで確認できます。
HiRDBファイルシステム領域内に作成するHiRDBファイル数の上限を指定します。
領域内のHiRDBファイル数は,少ない方が性能が向上します。
-aオプションを指定しない場合は,このオプションを必ず指定してください。
なお,ここで指定した値は,pdfmkfsコマンド実行後には変更できません。したがって,使用するHiRDBファイル数と,今後の拡張予定などを考慮して値を決める必要があります。最大ファイル数の計算式については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の最大ファイル数の見積もり(pdfmkfs -lコマンド)を参照してください。
このオプションと同時に-k DB -a,-k SDB -a,又は-k SYS -aは指定できません。
HiRDBファイルシステム領域の使用目的を指定します。
このオプションを指定すると,HiRDBファイルの容量が不足した場合,自動的にHiRDBファイルの容量が増分されます。このオプションには容量を増分する回数の上限値を指定します。
HiRDBファイルシステム領域内の全HiRDBファイルの容量増分回数がカウント対象になります。例えば,HiRDBファイルシステム領域内に二つのHiRDBファイルがあり,それぞれ増分した回数が5回,3回の場合,増分回数は8回とカウントされます。
使用目的がSYSの場合,指定した値は無効となり0が仮定されます。増分回数に応じてHiRDBファイルシステム領域を使用するプロセスのメモリ所要量が増加するため,指定値の求め方に記載した値より大きい値を指定しないでください。指定値の求め方に記載した値より大きい値を指定した場合,メモリ不足の原因になります。例えば,最大値60000と最小値0では,メモリ所要量が約1.8メガバイト異なります。メモリ所要量の計算式については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「メモリ所要量の計算式」を参照してください。
なお,1HiRDBファイルの容量増分回数の上限が23回のため,このオプションに最大ファイル数(-lオプションの指定値)×23以上の値を指定しても無効になります。この場合,最大増分回数には最大ファイル数×23が仮定されます。1領域1ファイルにする場合(-lの指定値に1を指定する場合)は,上限が23回という条件は適用されません。領域内で,増分によってファイル構成データが分断されることがないため,1を指定すればHiRDBファイルシステム領域サイズ(-n指定値)まで増分ができます。ただし,HiRDBファイルの上限サイズを超えることはできません。
このオプションと同時に-k DB -a,-k SDB -a,又は-k SYS -aは指定できません。
| -kオプション | 増分回数の指定値 |
|---|---|
| DB※1 | Min(60000,23×増分対象ファイル数の累計※2) なお,RDエリアの削除,再初期化(割り当てサイズの縮小,又はwith reconstruction指定),及び統合を頻繁に行う場合は,次の値を指定することをお勧めします。 Min(60000,23×RDエリアの構成ファイル数の累計) |
| SDB※1 | |
| SYS※1 | 0 |
| WORK | Min(60000,23×-lオプションの指定値) |
| UTL | |
| SVR | Min(60000,23×増分を適用するファイル数の累計) 増分を適用するファイルは,作業表用ファイル,及び増分対象ファイルです。※2 |
DVD-RAM装置などの,物理セクタ長が2,048バイト及び4,096バイトの媒体を扱う装置でHiRDBファイルシステム領域としてキャラクタ型スペシャルファイルを使用する場合,最小入出力単位をセクタ長(キャラクタ型スペシャルファイルに対応する媒体の物理セクタ長)で指定します。媒体の物理セクタ長については,媒体のマニュアルを参照してください。
-nオプションで指定したHiRDBファイルシステム領域サイズ分の領域を最初から初期化する場合に指定します。ただし,-aオプションを指定して,HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張する場合は,ファイル種別や-kオプションの指定値などによって増分領域の初期化可否が異なります。詳細は,-aオプションの説明を参照してください。
-iオプションを省略した場合,HiRDBファイルシステム領域の管理情報だけを作成します(最大約3.5メガバイトの領域が確保されます)。実際にHiRDBファイルシステム領域を使用したときに,-nオプションで指定したサイズまで拡張していきます。また,キャラクタ型スペシャルファイルで,HDP機能を使用していない場合,-nオプションに指定した容量の領域が保証されるため,ディスクが容量不足になりません。
通常ファイルの初期設定の場合に,確認メッセージを表示しないで初期設定するときに指定します。省略した場合,指定した通常ファイルが既にあるときは,初期設定するかどうかの確認メッセージが表示されます。確認メッセージに対してg以外の文字を入力した場合は,初期設定されません。
RDエリアの自動増分や作業表を使用するSQLの実行などでHiRDBファイルシステム領域内の空き領域がなくなった場合,HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張したいときに指定します。このオプションを指定すると,HiRDBファイルシステム領域サイズが-nオプションで指定した値に達したとき,自動的にHiRDBファイルシステム領域を拡張します。また,システムログファイルの自動拡張機能を適用するシステムログファイルのHiRDBファイルシステム領域を作成する場合もこのオプションを指定します。RDエリアの自動増分及びシステムログファイルの自動拡張機能については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。
なお,自動的に拡張したHiRDBファイルシステム領域の初期化可否を,次の表に示します。
表2-3 自動的に拡張したHiRDBファイルシステム領域の初期化可否
| 項番 | ファイル種別 | -kオプションの指定値 | pd_rdarea_expand_formatオペランドの指定値※ | 増分領域の初期化可否 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 通常ファイル | DB又はSDB | Y | ○ |
| 2 | N | × | ||
| 3 | WORK | − | × | |
| 4 | SYS | ○ | ||
| 5 | キャラクタ型スペシャルファイル | DB又はSDB | − | × |
| 6 | WORK | |||
| 7 | SYS |
表2-4 HiRDBファイルシステム領域の上限
| -kオプションの指定値 | HiRDBファイルシステム領域の上限(単位:メガバイト) |
|---|---|
| DB | 65536 |
| SDB | |
| SYS | 102400 |
| WORK | 「-n HiRDBファイルシステム領域サイズ」で示したラージファイルの場合の値を参照してください。 |
初期化するキャラクタ型スペシャルファイルの名称を指定します。ここで指定した名称が,HiRDBファイルシステム領域名となります。
初期化する通常ファイルの名称を指定します。ここで指定した名称が,HiRDBファイルシステム領域名となります。
HiRDBファイルシステム領域内に作成するHiRDBファイルは,ファイル名として30文字まで指定できます。HiRDBファイルシステム領域名/HiRDBファイル名の上限は167文字のため,HiRDBファイルシステム領域名が136文字を超える場合は,HiRDBファイル名の最大長が小さくなるので注意してください。
HiRDBが自動的に生成するHiRDBファイルについては,次のHiRDBファイルシステム領域の最大長を超えないようにしてください。
| HiRDBが自動的に生成するHiRDBファイル | HiRDBファイルシステム領域の最大長(単位:文字) |
|---|---|
| 作業表用ファイル(システム定義のpdworkオペランドで指定) | 141 |
| 監査証跡ファイル(システム定義のpd_aud_file_nameオペランドで指定) | 150 |
| プラグインインデクスの遅延一括作成でのインデクス情報ファイル(システム定義のpd_plugin_ixmk_dirオペランドで指定) | 136 |
| システムログの自動ログアンロード機能でのアンロードログファイル(システム定義のpd_log_auto_unload_pathオペランドで指定) | 136 |
また,パス名はシンボリックリンクで指定できます。
HiRDBファイルシステム領域には,管理領域が割り当てられます。割り当てる管理領域の大きさは,OSの種別,-n,-l,-e,-sオプション,使用するファイル種別などによって変わります。管理領域の計算式を次に示します。なお,固定管理部と可変管理部は,該当するHiRDBファイルシステム領域を使用している間は,メモリに読み込まれるため,各プロセスのメモリ消費量が増えることがあります。
管理領域(バイト) =固定管理部+可変管理部+HiRDBファイル管理部×a +4096(AIX版の場合)
表2-5 割り当てられる管理領域の大きさ(-k DB,-k SDB,又は-k SYSの場合)
| ファイルの種類 | OS | セクタ長(-s指定値) | 管理領域サイズ(単位:キロバイト) |
|---|---|---|---|
| 通常ファイル | AIX | 512 | 9.5 |
| AIX以外 | 512 | 5.5 | |
| キャラクタ型スペシャルファイル | AIX | 1024 | 11 |
| 2048 | 14 | ||
| 4096 | 20 | ||
| AIX以外 | 1024 | 7 | |
| 2048 | 10 | ||
| 4096 | 16 |
次のHiRDBファイルシステム領域を初期設定します。
pdfmkfs -n 25 ............1
-l 10 ............2
-e 5 .............3
/svr01 ...........4
pdfmkfs -n 30 ............5
-l 15 ............6
/prdb/ios001 ....7
|
All Rights Reserved. Copyright (C) 2010, 2017, Hitachi, Ltd.