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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


27.1.1 MIBパフォーマンス情報監視機能とは

ネットワーク上の管理対象オブジェクト(ルータ,プリンタ,データベースなど)を管理するプロトコルにSNMPがあります。このSNMPを利用してHiRDBの稼働情報(パフォーマンス情報)をSNMPエージェントMIBを使用し,一定の間隔で収集します。収集した稼働情報は管理フレームワークに送られて管理されます。これをMIBパフォーマンス情報監視機能といいます。

管理フレームワークには,収集した稼働情報をグラフ化する機能があり,HiRDBの稼働情報を時系列に認識できます。また,監視対象の稼働情報の値が一定値を超えた場合に警告を出すなどのイベントを設定できます。これによって,HiRDBの稼働状況の変化を事前に察知でき,障害が発生する前にネットワーク管理者によって対応ができます。

MIBにはHiRDBが提供するHiRDBの稼働情報が記述されます。また,MIBにはHiRDBの稼働情報を取得する方法が記載されていて,管理フレームワークからの要求に応じてpdbuflsコマンドなどのHiRDBのコマンド又はユティリティを実行し,HiRDBの稼働情報を取得します。

参考

収集したHiRDBの稼働情報の管理,ユーザへの通知,及び原因を調査する資料の作成は,管理フレームワークが行います。

MIBパフォーマンス情報監視機能の概要を次の図に示します。

図27‒1 MIBパフォーマンス情報監視機能の概要

[図データ]

〔説明〕

SNMPエージェントであるJP1/ESAが,MIBコマンドを使用して一定の間隔でHiRDBの稼働情報を取得します。その稼働情報を管理フレームワークで管理します。

MIB:

ASN.1表記法で書かれたテキストファイルに,SNMPでアクセス可能な情報を含む変数が記述されています。

MIBコマンド:

HiRDBの稼働情報を取得するためのコマンドです。JP1/ESAからHiRDBに対して実行されます。MIBコマンドの延長でHiRDBのコマンド又はユティリティが実行されて,コマンドの実行結果をJP1/ESAへ返します。

SNMP:

ネットワーク上の管理対象オブジェクト(ルータ,プリンタ,データベースなど)をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコルです。

SNMPエージェント:

管理フレームワークからの要求に従ってHiRDBの稼働情報を管理フレームワークに渡したり,HiRDBの稼働情報を取得したりするプログラムです。SNMPエージェントには次に示す製品を使用します。

  • JP1/Cm2/Extensible SNMP Agent

管理フレームワーク:

SNMP対応の管理プログラムのことです。推奨する管理フレームワークを次に示します。

  • JP1/Cm2/Network Node Manager,JP1/Performance Management/SNMP System Observer,及びJP1/Performance Management/SNMP System Observer for Database Server

  • 他社管理フレームワーク

参考

MIBを使用したパフォーマンス情報の監視以外にも,JP1/PFM-Agent for HiRDBを使用してパフォーマンス情報を監視できます。MIBパフォーマンス情報監視機能を使用するか,又はJP1/PFM-Agent for HiRDBを使用するかは,システム環境に応じて選択してください。