26.8.6 1:1スタンバイレス型系切り替え機能使用時の注意事項
- 〈この項の構成〉
(1) 代替BESユニット又は代替部を再度開始する必要がある操作
次の表に示す操作内容を実施したあと,実行系サーバを配置しているユニットの再起動を実施したかどうか※1で,代替部を再度開始する必要があります。代替部を再度開始しないと,系切り替えが発生したときに代替部が異常終了します。
分類 |
条件 |
代替BESユニット(代替部)を再度開始する必要の有無 |
||
---|---|---|---|---|
操作内容 |
実行系サーバを配置しているユニットの再起動の有無※1 |
|||
SQLの実行 |
定義系SQLの実行 |
なし |
− |
|
あり |
○ |
|||
HiRDBシステム構築後最初の抽象データ型の 定義(CREATE TYPE文の実行) |
なし |
○ |
||
あり |
○ |
|||
運用コマンド 又は ユティリティの 実行 |
構成変更ユティリティ(pdmod)の実行 |
HiRDBファイルシステム領域 の世代登録 |
なし |
− |
あり |
− |
|||
HiRDBファイルシステム領域 の世代削除 |
なし |
− |
||
あり |
− |
|||
監査人の登録 |
なし |
− |
||
あり |
− |
|||
RDエリアの属性変更 |
なし |
○ |
||
あり |
○ |
|||
監査証跡表の作成 |
なし |
− |
||
あり |
○ |
|||
上記以外の操作 |
なし |
○※2 |
||
あり |
○※2 |
|||
pddbchgコマンドの実行 |
なし |
− |
||
あり |
○ |
|||
オンライン再編成の実行 (pdorbegin,pdorendコマンドの実行) |
なし |
− |
||
あり |
○ |
|||
HiRDBシステム構築後最初のpdplgrgst コマンドの実行(CREATE TYPE文の実行) |
なし |
○ |
||
あり |
○ |
|||
システム 共通定義の変更 |
次のどれかの定義の変更
|
なし |
− |
|
あり |
○ |
代替部が異常終了した場合は,pdstart -q -cコマンドで代替部を開始してください。
なお,代替中に前記の操作をした場合は,正規BESユニットを一度終了してから再度開始してください。正規BESユニットを再度開始しないと,系切り替え(系の切り戻し)が発生したときに正規BESユニットが異常終了します。正規BESユニットが異常終了した場合は,正規BESユニットをpdstart -qコマンド又はpdstart -uコマンドで開始してください。
(2) RDエリアのオープン契機について
1:1スタンバイレス型系切り替え機能では系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えの発生時に全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,正規BES下のRDエリアのオープン契機は次のようになります。
-
系切り替えが発生した場合,系の切り戻し時に代替部の全プロセスが終了しないかぎり系を切り戻せないため,代替部のRDエリアのオープン契機はSCHEDULE属性になります。
-
障害が回復して正規BESに系を切り戻した場合,正規BES下のINITIAL又はDEFER属性のRDエリアのオープン契機はDEFER属性になります。SCHEDULE属性のRDエリアはSCHEDULE属性のままです。
RDエリアのオープン契機については,「RDエリアのオープン契機を変更する方法(RDエリアの属性変更)」を参照してください。
(3) 運用コマンド実行時の制限
-
HiRDBの停止中に運用コマンドを実行する場合は,実行系と待機系の両方のHiRDBが終了している必要があります。ただし,pdstartコマンドを除きます。
-
HiRDBの稼働中に待機系HiRDBで実行できる運用コマンドはありません。
(4) HiRDBシステム定義の変更及びHiRDBの構成変更時の注意事項
HiRDBのシステム定義の変更及びHiRDBの構成変更をする場合,クラスタソフトウェアのコマンドでHiRDBを終了しないでください。pdstopコマンドでHiRDBだけを正常終了して,HiRDBシステム定義の変更又はHiRDBの構成変更をしてください。その後,pdstartコマンドでHiRDBだけを正常開始してください。
(5) 共有ディスク上に作成したHiRDBファイルにアクセスできないときの対処方法
クラスタソフトウェアの制御によってHiRDB停止中は,両方の系から共有ディスク上に作成したHiRDBファイルを操作できなくなることがあります。この場合,OSのコマンドでディスクを活性化する必要があります。
(6) Hitachi HA Toolkit Extension使用時の注意事項
Hitachi HA Toolkit Extensionでは待機系ユニットは実行系ユニットの開始を待ち合わせません。このため,待機系ユニットが開始していない実行系ユニットにコマンドを発行した場合,エラーとなって待機系ユニットがアボート(Phi1012)することがあります。したがって,待機系ユニットは実行系ユニットの開始完了を待ってから開始してください。実行系ユニットの開始完了を待たないで,待機系ユニットを開始すると待機系ユニットがアボート(Phi1012)することがあります。
(7) UAPに関する注意事項
-
PDFESHOSTオペランドに指定しているフロントエンドサーバのユニットが系切り替え中の場合,そのUAPはHiRDBに接続(CONNECT)できません。
-
HiRDBのサービスを開始してから,HiRDBのトランザクション受け付けが開始状態になるまで時間差があります。この間に接続した場合,接続がエラーとなります。pdlsコマンドでHiRDBの状態を確認して再接続してください。
-
系切り替えが発生した場合,クライアントとの接続が終了してデータベースの状態はトランザクションを開始する前の状態に戻ります。必要に応じて処理を再実行してください。
(8) pdsetupコマンド実行時の注意事項
HiRDBの強制終了中,及び異常終了中にpdsetup -dコマンドを実行するときは注意が必要です。このコマンドの応答にYを指定しないでください。Yを応答すると,その後HiRDBを開始できなくなることがあります。
(9) HAモニタ使用時の注意事項
HAモニタ使用時の注意事項を次に示します。
-
サーバ※1の起動時,現用系(HAモニタのserver定義文のinitオペランドにonlineを指定した系)を含むすべての系で実行サーバの起動待ち状態※2になった場合,HAモニタのmonactコマンドを実行し,現用系を※3実行系として起動してください。
- 注※1
-
1:1スタンバイレス型系切り替え機能を適用したユニットの場合は,サーバをユニットと読み替えてください。
- 注※2
-
HAモニタのmonshowコマンドを実行したとき,*SBY*と表示される状態のことです。
- 注※3
-
予備系(HAモニタのservers定義のinitオペランドにstandbyを指定した系)のサーバをmonactコマンドで実行系として起動した場合,実行系の起動が完了するまで,次に示すメッセージが現用系で繰り返し出力されることがあります。実行系の起動が完了するとこれらのメッセージは出力されなくなります。
-
KFPS05608-I
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KAMN305-E
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KAMN222-I
KAMN305-E及びKAMN222-IはHAモニタが出力するメッセージです。
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(10) 現用系と待機系のOSの時刻が大きくずれているときの注意事項
現用系マシンと待機系マシンのOSの時刻が大きくずれている(待機系マシンの時刻の遅れが系切り替えに掛かる時間よりも大きい)場合,HiRDBは,時刻を遅らせた場合に行う対処を誤ったときと同じ影響を受けます。
OSの時刻を変更する方法については,「OSの時刻を変更する方法」を参照してください。