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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


26.4.4 HAモニタに関する準備

クラスタソフトウェアにHAモニタを使用している場合にこの項をお読みください。ここでは,次に示すHAモニタの定義ファイルのうち,HiRDBに関連するオペランドの指定値の目安について説明します。

これらの定義文の各オペランド,これらの定義文を格納するファイルのパス名,及びHAモニタの環境設定については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) sysdef定義ファイル

(a) servmaxオペランド

このオペランドはHAモニタのバージョンが01-08以降の場合に指定できます。

HAモニタの系切り替え対象のサーバで,一つのサーバマシン上で同時に実行又は待機状態として起動できるサーバの最大数を16又は64で指定します。

16:同時に起動できるサーバの最大数を16に設定します。

64:同時に起動できるサーバの最大数を64に設定します。

一つのサーバマシン上で系の切り替え単位であるサーバ数が16を超える場合は64を指定してください。

HAモニタの系切り替え対象のサーバ数は,HiRDB以外の系切り替え対象製品を含めた値です。HiRDBでは系切り替え対象のサーバ数を次の計算で求めます。

  • 一つのサーバマシン上で動作するスタンバイ型系切り替えの実行系ユニット数と待機系ユニット数の合計数

  • 一つのサーバマシン上で動作する1:1スタンバイレス型系切り替えの正規BESユニット数と代替BESユニット数の合計数

  • 一つのサーバマシン上で動作する影響分散スタンバイレス型系切り替えのホストBES数とゲスト用領域数の合計数

(2) servers定義ファイル

(a) acttypeオペランド

サーバモードの場合はこのオペランドにserverを指定してください。

(b) switchtypeオペランド

このオペランドにはサーバ障害を検出したときの処理を指定します。

switch:

ユニットが異常終了すると系を切り替えて切り替え先の系でHiRDBを再開始します。

代替BESユニットに作成する代替部用のservers定義ファイルにはswitchを指定することをお勧めします。switchを指定すると,代替中に代替BESユニットで障害が発生した場合,代替部から正規BESユニットに系が切り替わるため,再開始後の代替BESユニットの負荷を減らせます。

restart:

障害が発生した系でユニットを再開始します。障害が発生した系でHiRDBを再開始できないときに,系を切り替えて切り替え先の系でHiRDBを再開始します(KFPS00715-Eメッセージが出力された時点で系を切り替えます)。

代替BESユニットに作成する代替部用のservers定義ファイルにはrestartを指定しないことをお勧めします。restartを指定すると,代替中に代替BESユニットで障害が発生した場合,ユニットの再開始後も代替BESユニットで正規BESユニットの代替処理を継続するため,再開始後の代替BESユニットの負荷が減りません。

manual:

ユニットを再開始できなくても自動的に系を切り替えません。そのため,通常はmanualを指定しないでください。

ポイント

1:1スタンバイレス型系切り替え機能で相互代替構成の場合,代替BESユニットと代替部のswitchtypeオペランドには同じ値を指定してください。

(c) nameオペランド

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合は,HiRDB識別子(pd_system_idオペランドの指定値)と正規BESユニットのユニット識別子(pd_unit_idオペランドの指定値)を「/」で組み合わせて指定します。HiRDB識別子がDB01で,正規BESユニットのユニット識別子がUNT1の場合は次のように指定します。

 DB01/UNT1

(d) aliasオペランド

HAモニタを適用したシステムで一意となる識別名を指定します。現用系と予備系とで同じ識別名にする必要があります。

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合は,正規BESユニットのユニット識別子を推奨します。

(e) diskオペランド

HiRDBファイルシステム領域を作成したDISK領域(ボリュームグループ及びパーティション)の名称を指定します。詳細については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」を参照してください。

(f) lan_updownオペランド

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合,正規BESユニット及び代替BESユニットの開始前に,pdunitオペランドの-x及び-cオプションに指定したIPアドレスを起動しておいてください。

HAモニタ用のaliasオペランドの値.upファイルや,aliasオペランドの値.downファイルには,pdunitオペランドの-x又は-cオプションに指定したIPアドレスを指定しないでください。

(g) groupオペランド

連動系切り替えをする場合にこのオペランドを指定します。系切り替え対象のサーバがHiRDBだけの場合はこのオペランドを指定する必要はありません。このオペランドにはサーバグループ名称を指定します。指定の目安を次に示します。

  • OpenTP1と連動系切り替えをする場合は,同じ系のOpenTP1について指定したサーバ対応の環境を設定する定義ファイルと同じ値を指定します。

  • HiRDB Datareplicatorと連動系切り替えをする場合は,同じ系のHiRDB Datareplicatorについて指定したサーバ対応の環境を設定する定義ファイルと同じ値を指定します。

(h) initialオペランド

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合は,正規BESユニットにはonlineを代替BESユニットにはstandbyを指定します。