26.1.2 スタンバイ型系切り替え機能
業務処理中のHiRDBのほかに待機用のHiRDBを準備して,業務処理中のHiRDBに障害が発生した場合,待機用のHiRDBに業務処理を自動的に切り替えます。これをスタンバイ型系切り替え機能といいます。
スタンバイ型系切り替え機能は複数のサーバマシンを使用したクラスタシステムの構成で実現します。HiRDB/シングルサーバの場合はシステム単位で系を切り替えます。ただし,ユティリティ専用ユニットは系切り替えできません。HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット単位で系を切り替えます。なお,ユーザサーバホットスタンバイ,又は高速系切り替え機能を使用すると,系切り替えに掛かる時間が短縮できます。ユーザサーバホットスタンバイ,高速系切り替え機能については,「系の切り替え時間の短縮(ユーザサーバホットスタンバイ,高速系切り替え機能)」を参照してください。
なお,業務処理中の系を実行系,待機中の系を待機系といい,系の切り替えが発生するたびに実行系と待機系が入れ替わります。また,システム構築時や環境設定時に二つの系を区別するため,最初に実行系として起動する系を現用系,待機系として起動する系を予備系といいます。系が切り替わると実行系と待機系は変わりますが,現用系と予備系は変わりません。系切り替え機能(スタンバイ型系切り替え機能)の概要を次の図に示します。
- 注※
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共有ディスク装置については,次の箇所を参照してください。
・スタンバイ型系切り替え(モニタモード)の場合:「共有ディスク装置の準備」
・スタンバイ型系切り替え(サーバモード)の場合:「共有ディスク装置の準備」
・1:1スタンバイレス型系切り替えの場合:「共有ディスク装置の準備」
・影響分散スタンバイレス型系切り替えの場合:「共有ディスク装置の準備」
- 〔説明〕
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業務処理中の実行系に障害が発生すると,待機系に障害の発生が通知されて系が切り替わり,待機系が実行系になって業務処理を続行します。
- DataKeeperによる複製ディスクを使用した系切り替え構成
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LifeKeeper使用時は,DataKeeperによる複製ディスクを使用できます。複製ディスクとは,DataKeeperのデータレプリケーション機能によって実行系の更新内容を待機系に複製するディスクのことです。DataKeeperによる複製ディスク使用時の系切り替え機能の概要を次の図に示します。
図26‒3 DataKeeperによる複製ディスク使用時の系切り替え機能(スタンバイ型系切り替え機能)の概要 - 〔説明〕
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業務処理中の実行系に障害が発生すると,待機系が障害を検知して系が切り替わり,待機系が実行系になって業務処理を続行します。
実行系のディスク装置に対して更新すると,DataKeeperは更新内容を待機系に送信し,待機系のディスク装置に複製します。そのため,実行系の障害によって系が切り替わった場合,障害発生直前の状態から業務を続行できます。
DataKeeperによる複製ディスクを使用した系切り替え構成の設定方法は,「LifeKeeperに関する準備」を参照してください。