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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


24.11.1 自動データロード実行中に障害が発生した場合

自動データロード実行中に障害が発生した場合のHiRDBの動作と,HiRDB管理者又は監査人の取る対処方法を次の表に示します。

表24‒38 自動データロード実行中の障害内容と対処方法

障害内容

障害原因

HiRDBの動作

機能の継続

HiRDB管理者又は監査人の対処方法

監査証跡表が存在しない場合

監査証跡表を作成する前に,監査証跡ファイルのスワップが発生しました。

KFPL15029-Eメッセージを出力し,データロードを中止します。

×

【管理者】

pdmodコマンドを実行し,監査証跡表を作成してください。

pdloadの最大同時実行数が超過した場合

pd_utl_exec_modeに0を指定している場合,自動データロード以外で実行しているpdloadコマンドが32個を超えました。

実行中のpdloadコマンドが終了した後に,データロードを開始します。

【管理者】

pdloadコマンドの最大同時実行数を見直し,必要であればpd_utl_exec_modeの値を1に変更してください。

pdloadの最大同時接続数が超過した場合

pdloadコマンドの最大同時接続数が,pd_max_usersで指定している値を超えました。

KFPA11932-Eメッセージを出力します。データロードはいったん中止しますが,時間を置いて再実行します。

【管理者】

pdloadコマンドの最大同時接続数を見直し,必要であればpd_max_usersの値を大きくしてください。

排他確保エラーが発生した場合

監査証跡表をNOWAIT検索以外の方法で参照しているUAPが存在しています。

KFPA11770-Iメッセージを出力し,データロードを中止します。

【監査人】

監査証跡表の参照に時間が必要な場合は,pdaudatld -tコマンドで一時的に自動データロード機能を停止するか,NOWAIT検索による参照を検討してください。

RDエリアへアクセスできない場合

監査証跡表を格納したRDエリアが閉塞又はクローズしています。

KFPL23500-Eメッセージを出力し,データロードを中止します。

×

【管理者】

監査証跡表が格納されているRDエリアの状態をオープンにしてください。

監査証跡ファイルの読み込みエラーが発生した場合

監査証跡ファイル(HiRDBファイル)の内容を読み込みできません。

KFPS05704-Eメッセージを出力し,データロードをロールバックして処理を中止します。

×

【管理者】

メッセージの内容を参照して,障害を取り除いてください。

監査証跡ファイルの書き込みエラーが発生した場合※3

監査証跡ファイルのステータス変更(データロード済み状態への変更)に失敗しました。

KFPS05704-Eメッセージを出力し,データロードをロールバックして処理を中止します。

×

【監査人】

次の手順で対処してください。

1. syslogfileを参照し,自動データロード中に異常終了した監査証跡ファイルを特定します※1

2. 1.で特定したファイル名を指定し,pdloadコマンドを手動で実行します※2

3. pdaudatld -bコマンドを実行して,自動データロード機能を再開始します。

データロード待ち状態の監査証跡ファイルが存在しない場合

監査人が監査証跡表へのデータロードを手動で行いました。

KFPL23201-Wメッセージを出力します。

対策は不要です。

RDエリアの容量が不足している場合

監査証跡表のデータを退避又は削除しなかったため,RDエリアの容量が不足しました。

KFPA11756-Eメッセージを出力し,データロードをロールバックして処理を中止します。

×

【監査人】

監査証跡表に不要なデータがある場合は,削除してください。又は,HiRDB管理者にRDエリアの拡張を依頼してください。

【管理者】

監査人から依頼があった場合,RDエリアを拡張してください。

監査証跡表が更新できない場合

監査証跡表にデータロードできません。

障害の原因をSQLメッセージに出力し,データロードをロールバックして処理を中止します。

×

【管理者】

SQLメッセージの内容を参照して,障害を取り除いてください。

通信エラー(サーバ起動)が発生した場合

pdloadからのサーバ起動ができません。サーバやユニットがダウンしているおそれがあります。

KFPL20000-Eメッセージを出力し,データロードを中止します。

×

【管理者】

メッセージの内容を参照して,障害を取り除いてください。

通信エラー(データ送受信)が発生した場合

監査証跡ファイルのあるユニットから,監査証跡表のあるユニットにデータが送信できません。

KFPL20000-Eメッセージを出力してアボートします。これに伴いデータロードをロールバックして,処理を中止します。

×

【管理者】

メッセージの内容を参照して,障害を取り除いてください。

プロセスがダウンした場合※3

自動データロードを行うpdloadがキャンセルされたか,サーバがダウンしました。

KFPS01820-Eメッセージを出力してアボートします。

×

【管理者】

自動データロードを行うpdloadのプロセスに対して,pdcancelコマンドを実行しないでください。

上記の要因に当てはまらない場合は,メッセージの内容を参照して,障害を取り除いてください。対処できない場合は,保守員に連絡してください。

(凡例)

○:自動データロード機能は停止しません。

×:自動データロード機能は停止します。障害の原因を取り除いた後,pdaudatld -b コマンドで機能を再開始する必要があります。

【管理者】:HiRDB管理者が行う対処方法

【監査人】:監査人が行う対処方法

注※1

ユニットダウンでsyslogfileが参照できない場合は,監査証跡表に対してデータベース状態解析ユティリティ(pddbst)をDBA権限所有者に実行してもらい,その実行結果から特定してください。

注※2

ここで実行するpdloadコマンドは,監査証跡ファイルの状態をデータロード済みに変更する処理を行うだけで,データロードは行いません。

注※3

監査証跡ファイルの状態を「データロード済み」に変更できなかった場合に発生する障害です。