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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


23.3.3 シンクポイント処理時間を短縮する方法

シンクポイント処理時間を短縮するには,次に示す三つの方法があります。

〈この項の構成〉

(1) デファードライトトリガの実行間隔を短くする

デファードライトトリガの実行間隔を短くして,シンクポイント時の更新バッファ数を減らしてください。更新バッファ数が減ると,シンクポイント時の更新ページ反映処理時間が短縮できるため,シンクポイント処理時間を短縮できます。

デファードライトトリガの実行間隔のチューニング手順を次に示します。

<手順>
  1. グローバルバッファに関する統計情報,及びデファードライト処理に関する統計情報を取得してください。

  2. グローバルバッファに関する統計情報の実行結果から,シンクポイント出力ページ数(SYNCW)が多いグローバルバッファを確認してください。

  3. デファードライトトリガの開始条件を次に示すオペランドで指定してください。

    ・pd_dbbuff_rate_updpageオペランド

    ・pdbufferオペランドの-yオプション

    グローバルバッファに関する統計情報を参照し,次に示す条件式を満たすようにオペランドの値を変更してください。

    TRGUP(デファードライトトリガ時の出力契機となる更新バッファ数)<SYNCW(シンクポイント出力ページ数)÷2

    なお,TRGUPの値を小さくし過ぎると,書き込み処理の回数が増加し,トランザクション性能に影響を与えることがあります。その場合は,オペランドの値を元に戻してください。

  4. シンクポイント処理時間がシンクポイントの取得間隔の10%以内であるか確認してください。10%を超えている場合は,10%以内になるまで1〜3の作業を繰り返してください。

シンクポイント処理時間は,デファードライト処理に関する統計情報の実行時間(DWTOTAL)で確認してください。

シンクポイントの取得間隔は,次に示すメッセージの出力時間の差分から求めてください。

(2) デファードライトトリガ時の更新ページの出力比率を高くする

デファードライトトリガ時の更新ページの出力比率を高くして(デファードライトトリガ処理で反映する更新ページ数を多くして),シンクポイント時の更新バッファ数を減らしてください。更新バッファ数が減ると,シンクポイント時の更新ページ反映処理時間が短縮できるため,シンクポイント処理時間を短縮できます。

デファードライトトリガ時の更新ページの出力比率のチューニング手順を次に示します。

<手順>
  1. デファードライト処理に関する統計情報を取得してください。

  2. pdbufferオペランドの-wオプションの値を大きくしてください。

    なお,-wオプションの値を大きくし過ぎると,書き込み処理の回数が増加し,トランザクション性能に影響を与えることがあります。その場合は,オプションの値を元に戻してください。

  3. シンクポイント処理時間がシンクポイントの取得間隔の10%以内であるか確認してください。10%を超えている場合は,10%以内になるまで1〜2の作業を繰り返してください。

シンクポイント処理時間は,デファードライト処理に関する統計情報の実行時間(DWTOTAL)で確認してください。

シンクポイントの取得間隔は,次に示すメッセージの出力時間の差分から求めてください。

(3) デファードライト処理用並列WRITEプロセス数を多くする

デファードライト処理用並列WRITEプロセス数を多くして,デファードライト処理時間を短縮してください。デファードライト処理用並列WRITEプロセス数のチューニング手順を次に示します。

<手順>
  1. デファードライト処理に関する統計情報を取得してください。

  2. pd_dfw_awt_processオペランドの値を大きくして,デファードライト処理用並列WRITEプロセス数を多くしてください。

    なお,pd_dfw_awt_processオペランドの値を大きくすると,デファードライト処理用並列WRITEプロセス数が増加するため,CPUの使用負荷が高くなります。そのため,OSの機能などで,CPUの使用負荷を監視してください。

  3. シンクポイント処理時間がシンクポイントの取得間隔の10%以内であるか確認してください。10%を超えている場合は,10%以内になるまで1〜2の作業を繰り返してください。

シンクポイント処理時間は,デファードライト処理に関する統計情報の実行時間(DWTOTAL)で確認してください。

シンクポイントの取得間隔は,次に示すメッセージの出力時間の差分から求めてください。

デファードライト処理用並列WRITEプロセス数を多くしても,並列WRITE時間(DWPARA,DWPARAM)が短縮されない場合,次に示す原因が考えられます。