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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


22.1.5 アプリケーションからHiRDBにアクセスする場合

ここでは,UAP又はOLTPシステムのアプリケーションからHiRDBにアクセスする場合の,統計情報の取得タイミング及び統計解析ユティリティの編集単位について示します。

〈この項の構成〉

(1) UAPからHiRDBにアクセスする場合

HiRDBにアクセスするUAPに関する統計情報の取得タイミングを,次の表に示します。

表22‒3 HiRDBにアクセスするUAPに関する統計情報の取得タイミング

統計情報の

種別

統計ログの

出力タイミング

統計解析ユティリティの

編集単位

DAT出力

ファイル解析

UAPに関する統計情報

コネクションごと

UAP名ごと

  • UAP実行回数,UAP平均実行時間,各SQL文の実行回数など

  • 1回のUAP実行ごとの各項目の合計,平均値

UAP名をキーに解析できる

SQLに関する統計情報

SQLごと

UAP名ごと

  • SQLオブジェクト長の合計,平均値

  • フロントエンドサーバからバックエンドサーバへのオブジェクト送信数合計,平均

  • SQL実行回数,処理時間,処理した行数

UAP名をキーに解析できる

SQL最適化情報に関する統計情報

SQLごと

UAP名ごと

  • 回数,実行時間などの平均値

UAP名をキーに解析できる

SQLオブジェクト実行に関する統計情報

SQLごと

UAP名ごと

  • 回数,実行時間などの平均値

UAP名をキーに解析できる

(2) OpenTP1と連携している場合

OpenTP1と連携している場合,統計情報の取得タイミング及び統計解析ユティリティの編集単位が変わります。ただし,統計情報の取得タイミング及び統計解析ユティリティの編集単位が変わるのは(a)に示す運用形態のときだけです。

なお,ここでいうOpenTP1との連携とは,TP1/Server Base及びTP1/Message Control(バージョン03-06以降)のアプリケーションからHiRDBにアクセスすることを表しています。

(a) クライアント/サーバ形態のUAPでサーバUAP内のサービス実行に伴いアクセスする形態

OpenTP1のSPP(サービス提供プログラム)やMHP(メッセージ処理プログラム)の1サービスからHiRDBにアクセスするような形態のアプリケーションです。

[図データ]

この形態の場合,OpenTP1のUAPでは1UAP内で複数のサービスを形成でき,それぞれのサービスからそのサービスの用途に合ったHiRDBへのアクセスができます。このような形態のときの統計情報には,SPP又はMHPのUAP名(SPP又はMHPに関するOpenTP1のユーザサーバ定義上で指定したPDCLTAPNAMEの指定値)に加え,SPP又はMHPに要求したサービス(HiRDBアクセスを伴うトランザクション内での最初のサービス)のサービス名を付けます。このサービス名はSUP又はTP1/Message ControlがRPCを使用して要求するときに指定するサービス名で,SPP又はMHPを構成するサービスに付けたサービス名です。

このサービス名によって,どのサービスの延長でアクセスされたものかの識別ができます。また,OpenTP1のトランザクション統計情報とサービス名で対応がとれます。OpenTP1と連携している場合の統計情報の取得タイミングを次の表に示します。

表22‒4 OpenTP1と連携している場合の統計情報の取得タイミング

統計情報の種別

統計ログの

出力タイミング

統計解析ユティリティの

編集単位

DAT出力

ファイル解析

UAPに関する統計情報

サービス名なし

通常インタフェース

コネクションごと

UAP名ごと

  • UAP実行回数,UAP平均実行時間,各SQL文の実行回数など

  • 1回のUAP実行ごとの各項目の合計,平均値

トランザクション,UAP名をキーに解析できる

XAインタフェース

トランザクションごと

サービス名あり

通常インタフェース

コネクションごと

  • ログ出力時,コネクション内1stサービス名を付加

UAP内のサービス名ごと

  • 各SQL文の実行回数など

トランザクション,UAP名,サービス名をキーに解析できる

XAインタフェース

トランザクションごと

  • ログ出力タイミング内1stアクセス時のサービス名を付加

SQLに関する統計情報

サービス名なし

SQLごと

UAP名ごと

  • SQLオブジェクト長の合計,平均値

  • フロントエンドサーバからバックエンドサーバへのオブジェクト送信数合計,平均

  • SQL実行回数,処理時間,処理した行数

UAP名をキーに解析できる

サービス名あり

SQLごと

  • ログ出力時,トランザクション内1stサービス名を付加

UAP内のサービス名ごと

  • 上記情報をサービスごとに集計

UAP名,サービス名をキーに解析できる

SQL最適化情報に関する統計情報

サービス名なし

SQLごと

UAP名ごと

  • SQL実行回数,実行時間などの平均

UAP名をキーに解析できる

サービス名あり

SQLごと

  • ログ出力時,トランザクション内1stサービス名を付加

UAP内のサービス名ごと

  • 上記情報をサービスごとに集計

UAP名,サービス名をキーに解析できる

SQLオブジェクト実行に関する統計情報

サービス名なし

SQLごと

UAP名ごと

  • SQL実行回数,実行時間などの平均

UAP名をキーに解析できる

サービス名あり

SQLごと

  • ログ出力時,トランザクション内1stサービス名を付加

UAP内のサービス名ごと

  • 上記情報をサービスごとに集計

UAP名,サービス名をキーに解析できる

(b) メインルーチンから直接アクセスする形態

OpenTP1のSUP(サービス利用プログラム)から直接HiRDBをアクセスするような形態のアプリケーションです。

[図データ]

この形態は,OpenTP1と接続していない通常のアプリケーションと統計情報の差はありません。統計情報上のUAP名は,SUPに関するOpenTP1のユーザサーバ定義上で指定したPDCLTAPNAMEの指定値となります。

(3) TPBroker for C++,又はTUXEDOと連携している場合

TPBroker for C++又はTUXEDOと連携している場合,統計情報の取得タイミング及び統計解析ユティリティの編集単位が変わります。TPBroker for C++又はTUXEDOと連携している場合の統計情報の取得タイミングを次の表に示します。

表22‒5 TPBroker for C++,TUXEDO,又はWebLogic Serverと連携している場合の統計情報の取得タイミング

統計情報の種別

統計ログの

出力タイミング

統計解析ユティリティの

編集単位

DAT出力

ファイル解析

UAPに関する統計情報

通常インタフェース

コネクションごと

UAP名ごと

  • UAP実行回数,UAP平均実行時間,各SQL文の実行回数など

  • 1回のUAP実行ごとの各項目の合計,平均値

トランザクション,UAP名をキーに解析できる

XAインタフェース

トランザクションごと

SQLに関する統計情報

通常インタフェース

SQLごと

UAP名ごと

  • SQLオブジェクト長の合計,平均値

  • フロントエンドサーバからバックエンドサーバへのオブジェクト送信数合計,平均

  • SQL実行回数,処理時間,処理した行数

UAP名をキーに解析できる

XAインタフェース

SQL最適化情報に関する統計情報

通常インタフェース

SQLごと

UAP名ごと

  • 回数,実行時間などの平均値

UAP名をキーに解析できる

XAインタフェース

SQLオブジェクト実行に関する統計情報

通常インタフェース

SQLごと

UAP名ごと

  • 回数,実行時間などの平均値

UAP名をキーに解析できる

XAインタフェース