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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


21.3.4 例題4(RDエリア単位に回復する場合:マスタディレクトリ用RDエリアを含む)

マスタディレクトリ用RDエリアを含む,複数のRDエリアを障害発生直前の最新の同期点に回復します。

なお,処理対象のRDエリアだけではなく,関連のあるRDエリアについても同時に回復する必要があります。回復対象となるRDエリアについては,「同時にバックアップを取得する必要があるRDエリア」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 回復対象のRDエリアに関連のあるRDエリアを確認します

この操作は,ユーザ用RDエリア,及びユーザLOB用RDエリア(インナレプリカ機能を使用している場合は,ユーザ用RDエリアのオリジナルRDエリア,及びユーザLOB用RDエリアのオリジナルRDエリア)に対してだけ実行します。また,横分割表を定義している場合は,pdrdreflsコマンドの-tオプションを実行し,横分割表を構成するRDエリアを確認します。

回復対象のRDエリアが不足している場合は,追加します。

pdrdrefls -k chk -e org -c ref
-r rdarea01,rdarea02

(2) pdloglsコマンドで現用のシステムログファイルを調べます

HiRDB/パラレルサーバの場合は,ディクショナリサーバ及びバックエンドサーバのシステムログファイルを調べてください。

pdlogls -d sys

(3) pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップします

現用ファイルの内容をアンロードするため,システムログファイルをスワップします。HiRDB/パラレルサーバの場合は,ディクショナリサーバ及びバックエンドサーバのシステムログファイルをスワップしてください。

pdlogswap -d sys -w

(4) 現用だったファイルの内容をpdlogunldコマンドでアンロードします

(2)で調べた現用ファイルの内容をアンロードしてください。HiRDB/パラレルサーバの場合は,ディクショナリサーバ及びバックエンドサーバの現用ファイルの内容をアンロードしてください。

pdlogunld -d sys -s bes1 -g log01 -o /unld/unldlog02
●自動ログアンロード機能を使用している場合

この操作は必要ありません。pdlogatulコマンドで自動ログアンロード機能が動作していることを確認してください。また,pdloglsコマンドでアンロード処理が終了したかどうかを確認してください。

(5) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します

pdstop

HiRDBを正常終了,又は計画停止する必要があります。既にHiRDBが異常終了している場合,又は正常終了できない状態の場合は,一度再開始したあとに,正常終了させてください。

正常終了させる理由は,データベース回復ユティリティで回復しないRDエリアに対する,ディレードリランによる回復を不要とするためです。

(6) pdstart -rコマンドでHiRDBを開始します

pdstart -r

(7) pdrstrコマンドでRDエリア(関連するRDエリアも含む)を最新の同期点に回復します

回復するRDエリアと,それに関連するRDエリアを回復します。関連するRDエリアは,前回のバックアップ取得以降に実行した処理に応じて異なります。関連するRDエリアについては,「同時にバックアップを取得する必要があるRDエリア」を参照して確認してください。例えば,前回のバックアップ取得以降にCREATE TABLEを実行したときには,表「同時にバックアップを取得する必要があるRDエリア」のCREATE TABLEを参照してください。

pdrstr -m /rdarea/mast/mast01 -b /pdcopy/backup01 -r MASTER,DDIC,USER1,LOB11
-l /rdarea/jnldir/unload_log01
〔説明〕

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-b:バックアップファイル名を指定します。

-r:回復するRDエリア名を指定します。

  MASTER:マスタディレクトリ用RDエリア

  DDIC:データディクショナリ用RDエリア

  USER1:ユーザ用RDエリア(表を追加したRDエリア)

  LOB11:ユーザLOB用RDエリア(BLOB属性の列を格納するRDエリア)

-l:バックアップファイルの取得時点以降のアンロードログファイルの名称を指定します。

(8) pdcopyコマンドで全RDエリアのバックアップを取得します

次回,データベースを回復するときに備えて,バックアップを取得します。

pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M x -b /pdcopy/backup02 -a
〔説明〕

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-M:バックアップ取得モードを指定します。

-b:バックアップファイル名を指定します。

-a:全RDエリアのバックアップを取得する際に指定します。

(9) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します

pdstop

(10) pdstartコマンドでHiRDBを開始します

pdstart