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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


20.1.7 グローバルバッファ制御情報トレース取得機能

グローバルバッファの障害調査に必要な資料を取得するための機能です。

通常は,この機能を適用する必要はありません。障害発生時に,保守員の指示に従って適用してください。

〈この項の構成〉

(1) シンクポイント出力同期制御情報取得機能

(a) 概要

この機能を適用した場合,次の情報の出力,及び各項目のチェックを実行します。

●デファードライトプロセス,HiRDBサーバプロセス共通の実行内容

モジュールトレースに,次の情報を出力します。

  • セマフォ値

  • 内部フラグ(管理テーブル状態フラグ)の履歴

  • セマフォ発行履歴

●デファードライトプロセスの実行内容

次の二つの情報をチェックします。

  • セマフォ発行時の値

  • 内部フラグ(管理テーブル状態フラグ)をONに変更した回数

これらの内容が一致しない場合,KFPH23203-Eメッセージを出力します。

●HiRDBサーバプロセスの実行内容

次の二つの情報をチェックします。

  • トランザクション終了時及びセマフォ発行時に内部フラグ(管理テーブル状態フラグ)をOFFに変更した回数

  • セマフォ発行回数

これらの内容が一致しない場合,HiRDBは次の処理を行います。

  • KFPH23204-Eメッセージを出力します。

  • デファードライトプロセスを強制終了してcoreを取得し,HiRDBサーバプロセスを停止します。

(b) 準備作業

この機能を適用する場合は,次の手順でモジュールトレース領域サイズを拡張してください。

  1. HiRDBを正常終了します。

  2. システム共通定義$PDCONFPATH/pdsysに,次のオペランドを追加します。

     set pd_module_trace_max = 16383

    指定値はモジュールトレースのエントリ数を示します(1エントリ当たり48バイト)。

  3. HiRDBを正常開始します。

注 モジュールトレース領域サイズを拡張すると,拡張した分のメモリ量がHiRDBサーバプロセスごとに増えます(デフォルトでは,126エントリが設定されます)。

(c) メッセージ出力時の対処方法

メッセージが出力された場合は,次の方法で対処してください。

●出力メッセージがKFPH23203-Eの場合

デファードライトプロセスで内部矛盾を検知したことを示します。保守員の指示に従って,システム情報を採取してください。

●出力メッセージがKFPH23204-Eの場合

HiRDBサーバプロセスで内部矛盾を検知したことを示します。$PDDIR/spoolディレクトリに出力されるトラブルシュート情報を採取してください。

(d) 注意事項

  • デファードライト処理の並列WRITE機能を使用していない場合,デファードライトプロセス一つにつき,次のメモリ所要量が増えます。

    《32ビットの場合》

      320バイト×サーバに定義したグローバルバッファ数

    《64ビットの場合》

      640バイト×サーバに定義したグローバルバッファ数

  • デファードライト処理の並列WRITE機能を使用している場合,並列WRITE機能を使用しているサーバ一台につき,次の共用メモリ所要量が増えます。

    《32ビットの場合》

      320バイト×サーバに定義したグローバルバッファ数

    《64ビットの場合》

      640バイト×サーバに定義したグローバルバッファ数