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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


12.1.10 例題5(固定長文字データの列の定義長を拡張して,表を移行する場合)

HiRDBシステムAの表(TABLE1)をHiRDBシステムBに移行します。

なお,移行先システムには,同じ名称のRDエリア(RDAREA1〜RDAREA4)が作成されているとします。

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) pdholdコマンドでRDAREA1〜RDAREA4を閉塞します

pdhold -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4

(2) pdrorgコマンドの制御文ファイルを作成します

制御文ファイル(/pdrorg/rorg01)の内容を次に示します。

(a) HiRDB/シングルサーバの場合

unload /pdrorg/unfile1
〔説明〕

アンロードデータファイルの名称を指定します。

(b) HiRDB/パラレルサーバの場合

unload bes1:/pdrorg/unfile1
〔説明〕

アンロードデータファイル(bes1用)の名称を指定します。

(3) pdrorgコマンドでTABLE1のデータをアンロードします

pdrorg -k unld -g -W bin -t TABLE1 /pdrorg/rorg01
〔説明〕

-k:アンロードをするためunldを指定します。

-g:HiRDB/パラレルサーバで,TABLE1をサーバ間横分割している場合に指定してください。アンロードデータファイルが一つになります。

-W:pdload用の入力データファイルを作成する場合に指定します。この場合,バイナリ形式の入力データファイルを作成するため,binを指定します。

-t:アンロードする表の名称を指定します。

/pdrorg/rorg01:(2)で作成したpdrorgコマンドの制御文ファイル名を指定します。

(4) pdrelsコマンドでRDAREA1〜RDAREA4の閉塞を解除します

pdrels -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4

(5) アンロードデータファイル及び搬出ファイルをCMTなどの媒体に格納します

(3)で作成したアンロードデータファイルをCMTなどの媒体に格納します。

移行元システム(HiRDBシステムA)での作業はこれで終わりです。

(6) 移行先システムにアンロードデータファイル及び搬出ファイルを格納します

これ以降は移行先システム(HiRDBシステムB)での作業になります。

CMTなどの媒体に格納したアンロードデータファイル及び搬出ファイルを移行先システムに格納します。

(7) TABLE1を所有するユーザのスキーマをpddefコマンドで定義します

pddef
   CREATE SCHEMA AUTHORIZATION USR01;

(8) システムログファイルをスワップします

バックアップを取得する前に,pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップします。

pdlogswap -d sys -w
〔説明〕

HiRDB/パラレルサーバの場合,-sオプションを指定して,バックアップ対象の全サーバ分pdlogswapコマンドを実行します。

(9) pdcopyコマンドでバックアップを取得します

pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r
-r RDMAST,RDDIR,RDDIC,RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4
-b /pdcopy/backup01 -p /pdcopy/list01
〔説明〕

データベース移行中の障害発生に備えてバックアップを取得します。バックアップを取得するRDエリアを次に示します。

  • マスタディレクトリ用RDエリア

  • データディレクトリ用RDエリア

  • データディクショナリ用RDエリア

  • 移行する表を格納するユーザ用RDエリア及びユーザLOB用RDエリア(RDAREA1〜RDAREA4)

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-M:バックアップ取得モードを指定します。

-r:バックアップを取得するRDエリアの名称を指定します。

-b:バックアップファイル名を指定します。

-p:pdcopyコマンドの処理結果リストの出力先を指定します。

バックアップの取得については,「バックアップの取得方法」を参照してください。

(10) 列の定義長を拡張したTABLE1をpddefコマンドで定義します

pddef
   CREATE TABLE1 商品表
     (商品コード CHAR(10),
      商品イメージ BLOB(10K),
     IN RDAREA3,RDAREA4
     ) IN RDAREA1,RDAREA2;
〔説明〕

移行元システムでの表定義を次に示します。

CREATE TABLE1 商品表
  (商品コード CHAR(8),
   商品イメージ BLOB(10K),
  IN RDAREA3,RDAREA4
  ) IN RDAREA1,RDAREA2

移行先システムでは,商品コードの列の定義長を拡張しています。

なお,HiRDBシステムBに既にTABLE1が定義されている場合は,DROP TABLEで表を削除してから定義してください。

(11) pdholdコマンドでRDAREA1〜RDAREA4を閉塞します

pdhold -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4

(12) pdloadコマンドの列構成情報ファイルを作成します

列構成情報ファイル(/pdload/column01)の内容を次に示します。

商品コード,type=char(8)                      1.
商品イメージ                                 2.
〔説明〕
  1. 移行元システムでの列名及びデータ型を指定します。

  2. 移行元システムでの列名を指定します。

(13) pdloadコマンドの制御文ファイルを作成します

制御文ファイル(/pdload/load01)の内容を次に示します。

(a) HiRDB/シングルサーバの場合

source /pdrorg/unfile1                           1
idxwork /pdrorg/idxwork                          2
sort /sortwork                                   3
〔説明〕
  1. アンロードデータファイルの名称を指定します。

  2. インデクス情報ファイル作成用のディレクトリ名を指定します。このディレクトリ下にインデクス情報ファイルが作成されます。

  3. ソート用ワークディレクトリの名称を指定します。

(b) HiRDB/パラレルサーバの場合

unload bes1:/pdrorg/unfile1                     1
idxwork bes1 /pdrorg/idxwork                    2
sort bes1 /sortwork                             3
idxwork bes2 /pdrorg/idxwork                    4
sort bes2 /sortwork                             5
〔説明〕
  1. アンロードデータファイル(bes1用)の名称を指定します。

  2. インデクス情報ファイル作成用(bes1用)のディレクトリ名を指定します。このディレクトリ下にインデクス情報ファイルが作成されます。

  3. ソート用ワークディレクトリ(bes1用)の名称を指定します。

  4. インデクス情報ファイル作成用(bes2用)のディレクトリ名を指定します。このディレクトリ下にインデクス情報ファイルが作成されます。

  5. ソート用ワークディレクトリ(bes2用)の名称を指定します。

(14) pdloadコマンドでTABLE1のデータをロードします

pdload -b -W -c /pdload/column01 TABLE1 /pdload/load01
〔説明〕

-b:pdrorgコマンドで-Wオプションを指定して,バイナリ形式で出力したファイルを入力データファイルとするため,-Wを指定します。

-c:列の定義長を変更するため,列構成情報ファイルを指定します。

/pdload/load01:(13)で作成したpdloadコマンドの制御文ファイル名を指定します。

(15) システムログファイルをスワップします

バックアップを取得する前に,pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップします。

pdlogswap -d sys -w
〔説明〕

HiRDB/パラレルサーバの場合,-sオプションを指定して,バックアップ対象の全サーバ分pdlogswapコマンドを実行します。

(16) pdcopyコマンドでバックアップを取得します

pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r
-r RDMAST,RDDIR,RDDIC,RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4
-b /pdcopy/backup02 -p /pdcopy/list02
〔説明〕

バックアップを取得するRDエリアを次に示します。

  • マスタディレクトリ用RDエリア

  • データディレクトリ用RDエリア

  • データディクショナリ用RDエリア

  • 移行する表を格納するユーザ用RDエリア及びユーザLOB用RDエリア(RDAREA1〜RDAREA4)

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-M:バックアップ取得モードを指定します。

-r:バックアップを取得するRDエリアの名称を指定します。

-b:バックアップファイル名を指定します。

-p:pdcopyコマンドの処理結果リストの出力先を指定します。

バックアップの取得については,「バックアップの取得方法」を参照してください。

(17) pdrelsコマンドでRDAREA1〜RDAREA4の閉塞を解除します

pdrels -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4

コマンドの実行後,実行結果が正しいかどうか確認することをお勧めします。コマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 9 コマンドリファレンス」を参照してください。