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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


12.1.7 例題3(スキーマ単位に表を移行する場合)

HiRDBシステムAの認可識別子USR01が所有するすべての表をHiRDBシステムBに移行します。なお,移行先システムには,同じ名称のRDエリアが作成されているとします。また,表のアンロード及びリロードをスキーマ単位で行います。

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) pdholdコマンドで移行対象のデータを格納しているRDエリアを閉塞します

pdhold -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4,…

(2) pdrorgコマンドの制御文ファイルを作成します

制御文ファイル(/pdrorg/rorg01)の内容を次に示します。

(a) HiRDB/シングルサーバの場合

unload /pdrorg/unfile1
〔説明〕

アンロードデータファイルの名称を指定します。

(b) HiRDB/パラレルサーバの場合

unload bes1:/pdrorg/unfile1
〔説明〕

アンロードデータファイルの名称を指定します。-gオプションが仮定されるため,アンロードデータファイルを1か所に作成します。

(3) pdrorgコマンドでスキーマ単位のアンロードします

pdrorg -k unld -t USR01.all /pdrorg/rorg01
〔説明〕

-k:アンロードをするためunldを指定します。

-t:アンロード対象のスキーマの認可識別子を指定します。

/pdrorg/rorg01:(2)で作成したpdrorgコマンドの制御文ファイル名を指定します。

備考

スキーマ単位のアンロードでは-jオプション(LOBデータがあるときのアンロード)が仮定されています。また,HiRDB/パラレルサーバの場合は-gオプション(アンロードデータファイルの一元化)も仮定されています。

(4) pdrelsコマンドでRDエリアの閉塞を解除します

pdrels -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4,…

(5) pdexpコマンドの制御文ファイルを作成します

制御文ファイル(/pdexp/exp01)の内容を次に示します。

-t USR01.TABLE1
-t USR01.TABLE2
〔説明〕

USR01:TABLE1,TABLE2を所有するスキーマの名称です。

TABLE1,TABLE2:搬出する表の名称です。

(6) pdexpコマンドですべての表の表定義情報を搬出します

pdexp -e /pdexp/expfile1 -f /pdexp/exp01
〔説明〕

-e:搬出ファイルの名称を指定します。

-f:(5)で作成したpdexpコマンドの制御文ファイル名を指定します。

(7) アンロードデータファイル及び搬出ファイルをCMTなどの媒体に格納します

(3)で作成したアンロードデータファイル,及び(6)で作成した搬出ファイルをCMTなどの媒体に格納します。

移行元システム(HiRDBシステムA)での作業はこれで終わりです。

(8) 移行先システムにアンロードデータファイル及び搬出ファイルを格納します

これ以降は移行先システム(HiRDBシステムB)での作業になります。

CMTなどの媒体に格納したアンロードデータファイル及び搬出ファイルを移行先システムに格納します。

(9) スキーマ(認可識別子:USR01)をpddefコマンドで定義します

別スキーマ(USR01以外)に表を移行する場合は,この操作は必要ありません。

pddef
   CREATE SCHEMA AUTHORIZATION USR01;

(10) システムログファイルをスワップします

バックアップを取得する前に,pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップします。

pdlogswap -d sys -w
〔説明〕

HiRDB/パラレルサーバの場合,-sオプションを指定して,バックアップ対象の全サーバ分pdlogswapコマンドを実行します。

(11) pdcopyコマンドでバックアップを取得します

pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r
-r RDMAST,RDDIR,RDDIC,RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4,RDAREA5,RDAREA6
-b /pdcopy/backup01 -p /pdcopy/list01
〔説明〕

データベース移行中の障害発生に備えてバックアップを取得します。バックアップを取得するRDエリアを次に示します。

  • マスタディレクトリ用RDエリア

  • データディレクトリ用RDエリア

  • データディクショナリ用RDエリア

  • 搬入する表を格納するユーザ用RDエリア及びユーザLOB用RDエリア(RDAREA1〜RDAREA6)

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-M:バックアップ取得モードを指定します。

-r:バックアップを取得するRDエリアの名称を指定します。

-b:バックアップファイル名を指定します。

-p:pdcopyコマンドの処理結果リストの出力先を指定します。

バックアップの取得については,「バックアップの取得方法」を参照してください。

(12) pdexpコマンドで表定義情報を搬入します

pdexp -i /pdexp/expfile1
〔説明〕

-i:搬出ファイルの名称を指定します。

(13) pdholdコマンドでRDAREA1〜RDAREA6を閉塞します

pdhold -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4,…

(14) pdrorgコマンドの制御文ファイルを作成します

制御文ファイル(/pdrorg/rorg01)の内容を次に示します。

別スキーマ(USR01以外)に表を移行する場合は,制御文ファイルの内容が変わります。別スキーマに表を移行する場合の制御文ファイルの例については,「別スキーマに表を移行する場合の制御文ファイルの例」を参照してください。

(a) HiRDB/シングルサーバの場合

unload /pdrorg/unfile1                        1
idxwork /pdrorg/idxwork                       2
sort /sortwork                                3
〔説明〕
  1. アンロードデータファイルの名称を指定します。

  2. インデクス情報ファイル作成用のディレクトリ名を指定します。このディレクトリ下にインデクス情報ファイルが作成されます。

  3. ソート用ワークディレクトリの名称を指定します。

(b) HiRDB/パラレルサーバの場合

unload bes1:/pdrorg/unfile1                     1
idxwork bes1 /pdrorg/idxwork                    2
sort bes1 /sortwork                             3
idxwork bes2 /pdrorg/idxwork                    4
sort bes2 /sortwork                             5
〔説明〕
  1. アンロードデータファイルの名称を指定します。-gオプションが仮定されるため,アンロードデータファイルを1か所に作成します。

  2. インデクス情報ファイル作成用(bes1用)のディレクトリ名を指定します。このディレクトリ下にインデクス情報ファイルが作成されます。

  3. ソート用ワークディレクトリ(bes1用)の名称を指定します。

  4. インデクス情報ファイル作成用(bes2用)のディレクトリ名を指定します。このディレクトリ下にインデクス情報ファイルが作成されます。

  5. ソート用ワークディレクトリ(bes2用)の名称を指定します。

(15) pdrorgコマンドですべての表のデータをリロードします

pdrorg -k reld -t USR01.all /pdrorg/rorg01
〔説明〕

インデクス(INDEX1)も同時に再作成するため,-iオプションを省略してインデクス一括作成モードでインデクスを一括作成します。

-k:リロードをするためreldを指定します。

-t:アンロード対象のスキーマの認可識別子を指定します。別スキーマ(USR01以外)に表を移行する場合は,移行先のスキーマの認可識別子を指定してください。認可識別子USR02に移行する場合は-t USR02.allと指定します。

/pdrorg/rorg01:(14)で作成したpdrorgコマンドの制御文ファイル名を指定します。

備考

スキーマ単位のアンロードでは-jオプション(LOBデータがあるときのアンロード)が仮定されています。また,HiRDB/パラレルサーバの場合は-gオプション(アンロードデータファイルの一元化)も仮定されています。

(16) システムログファイルをスワップします

バックアップを取得する前に,pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップします。

pdlogswap -d sys -w
〔説明〕

HiRDB/パラレルサーバの場合,-sオプションを指定して,バックアップ対象の全サーバ分pdlogswapコマンドを実行します。

(17) pdcopyコマンドでバックアップを取得します

pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r
-r RDMAST,RDDIR,RDDIC,RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4,RDAREA5,RDAREA6
-b /pdcopy/backup02 -p /pdcopy/list02
〔説明〕

バックアップを取得するRDエリアを次に示します。

  • マスタディレクトリ用RDエリア

  • データディレクトリ用RDエリア

  • データディクショナリ用RDエリア

  • 搬入する表を格納するユーザ用RDエリア及びユーザLOB用RDエリア(RDAREA1〜RDAREA6)

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-M:バックアップ取得モードを指定します。

-r:バックアップを取得するRDエリアの名称を指定します。

-b:バックアップファイル名を指定します。

-p:pdcopyコマンドの処理結果リストの出力先を指定します。

バックアップの取得については,「バックアップの取得方法」を参照してください。

(18) pdrelsコマンドでRDエリアの閉塞を解除します

pdrels -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4,…

コマンドの実行後,実行結果が正しいかどうか確認することをお勧めします。コマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 9 コマンドリファレンス」を参照してください。