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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


3.11.1 最初に指定するアンロードログファイルの情報取得(バックアップ取得時)

pdrstrコマンドの-lオプションに最初に指定するアンロードログファイルを特定するために,バックアップ取得時に情報を取得します。

〈この項の構成〉

(1) HiRDBの稼働中にバックアップを取得する場合

HiRDBの稼働中にバックアップを取得する場合に,最初に指定するアンロードログファイルの情報を取得する手順を次に示します。

〈手順〉
  1. pdlogswap -d sys -wコマンドを実行し,システムログファイルをスワップし,シンクポイントダンプを取得します。HiRDB/パラレルサーバの場合は,バックアップ取得対象の全サーバのシステムログファイルをスワップしてください。

  2. pdlogls -d sys,及びpdlogatul -d sys -iコマンドを実行し,実行結果から,現用のシステムログファイルの次の情報を記録します。

    ・サーバ名

    ・ファイルグループ名

    ・サーバランID

    ・世代番号

    ここで確認したシステムログファイルが,最初に指定するアンロードログファイルになります。

  3. データベース複写ユティリティ(pdcopy),又はほかの製品のバックアップ機能でバックアップを取得します。

参考

手順3.でpdcopyコマンドを実行する時に-zオプション及び-pオプションを指定すると,pdcopyコマンドの処理結果リストにデータベース回復時に必要なシステムログファイルの情報を出力します。pdcopyコマンド実行時に取得する情報は,それ以前にpdlogls -d sys及びpdlogatul -d sys -iコマンドから得られる情報より正確なため,指定できる場合はpdcopyコマンド実行時に-zオプション及び-pオプションを指定することをお勧めします。

(2) HiRDBの停止中,又はpdstart -rコマンドでHiRDBを開始している場合にバックアップを取得するとき

HiRDBの停止中,又はpdstart -rコマンドでHiRDBを開始している場合にバックアップを取得するときに,最初に指定するアンロードログファイルの情報を取得する手順を次に示します。

〈手順〉
  1. データベース複写ユティリティ(pdcopy),又はほかの製品のバックアップ機能でバックアップを取得します。

  2. HiRDBを正常開始します(pdstart -rコマンドで開始している場合はいったん正常終了してから,正常開始します)。

  3. HiRDBの正常開始直後にpdlogls -d sys,及びpdlogatul -d sys -iコマンドを実行し,実行結果から,現用のシステムログファイルの次の情報を記録します。

    ・サーバ名

    ・ファイルグループ名

    ・サーバランID

    ・世代番号

    ここで確認したシステムログファイルが,最初に指定するアンロードログファイルになります。

(3) 運用例1

自動ログアンロード機能を使用している場合,HiRDBの稼働中にバックエンドサーバ(bes1)のバックアップを取得するときの例を示します。

  1. pdlogswap -d sys -wコマンドを実行し,システムログファイルをスワップし,シンクポイントダンプを取得します。

    pdlogswap -d sys -s bes1 -w

    pdlogswapコマンドの戻り値が4の場合,シンクポイントダンプが有効化されていないため,KFPS02183-Iメッセージが出力され,シンクポイントダンプが有効化されるまで待ってください。

  2. pdlogls -d sys,及びpdlogatul -d sys -iコマンドを実行します。

    pdlogls -d sys -s bes1
     
    HOSTNAME : dbhost1(153027)
    Group    Type Server  Gen No.  Status  Run ID   Block No.       Ex-Status
    logfg01  sys  bes1          13 os----u 3a765d6d     eff    fc8  --------
    logfg02  sys  bes1          14 os----u 3a765d6d     fc9   1092  --------
    logfg03  sys  bes1          15 os----u 3a765d6d    1093   115b  --------
    logfg04  sys  bes1          16 osu---u 3a765d6d    115c   1226  --------
    logfg05  sys  bes1          17 oc-d--u 3a765d6d    1227   1227  --------
    logfg06  sys  bes1          12 os----u 3a765d6d     e35    efe  --------
    pdlogatul -d sys -s bes1 -i
     
    HOSTNAME : dbhost1(153153)
    SERVER_NAME:bes1
    AUTO_LOG_UNLOAD  NOW_UNLOAD_LOG_GROUP  CREATE_DIR
             ACTIVE                  ****  /unload_dir
    CURRENT LOG GENERATION INFO.
    LOG_GROUP GEN_NO.  SERVER_RUN_ID RUN_ID   UNLOAD_FILE_NAME
    logfg05          17 3a765d82      3a765d6d bes1_3a765d820017_logfg05

    上記の結果から,現用のシステムログファイルの次の情報を記録します(下線部分)。

    • サーバ名:bes1

    • ファイルグループ名:logfg05

    • サーバランID:3a765d82

    • 世代番号:17

    なお,ここで確認するのはサーバランID(SERVER_RUN_ID)です。ランID(RUN_ID)と間違えないように注意してください。

  3. データベース複写ユティリティ(pdcopy)でバックアップを取得します。

    pdcopy -m /rdarea/mast_rdarea/mast_rdarea01 -M r -s bes1 -b /pdcopy/backup/bes1bkup01 
    -z /pdcopy/logpoint/bes1logp01 -p /pdcopy/result/bes1result01
    〔説明〕

    -m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

    -M:バックアップ取得モードに参照可能モードを指定します。

    -s:バックエンドサーバ(bes1)のRDエリアのバックアップを取得することを指定します。

    -b:バックアップファイル名を指定します。

    -z:ログポイント情報ファイル名を指定します。

    -p:pdcopyコマンドの処理結果リストのファイル名を指定します。

参考

pdcopyコマンドの処理結果リストから最初に指定するアンロードログファイルを特定するためには,《LOG FILE INFORMATION》の情報を記録してください。出力例を次に示します。記録する情報は下線部分です。

*** DB BACKUP INFORMATION LIST ***       BACKUPMODE : EXCLUSIVE
<<LOG FILE INFORMATION>>
  SYSTEM ID     : HRD1
  UNIT ID       : UNT1
  TYPE          : sys
  SERVER NAME   : bes1
  SERVER RUN ID : 3a765d82
  LOG SERVER RUN ID : 3a765d6d
  FILE NAME     : logfg05
  GENERATION NO : 17
  BLOCK NO      : 1227
  HEADER WRITE COUNTER : 3
  HEADER WRITE TIME : 3a765d7a
  • サーバ名:bes1

  • ファイルグループ名:logfg05

  • サーバランID:3a765d82

  • 世代番号:17

(4) 運用例2

自動ログアンロード機能を使用している場合,pdstart -rコマンドでHiRDBを開始しているときにディクショナリサーバ(dic)のバックアップを取得するときの例を示します。

  1. データベース複写ユティリティ(pdcopy)でバックアップを取得します。

    pdcopy -m /rdarea/mast_rdarea/mast_rdarea01 -M x -s dic -b /pdcopy/backup/dicbkup01
    〔説明〕

    -m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

    -M:バックアップ取得モードに参照・更新不可能モードを指定します。

    -s:ディクショナリサーバ(dic)のRDエリアのバックアップを取得することを指定します。

    -b:バックアップファイル名を指定します。

  2. HiRDBをいったん正常終了してから,正常開始します。

    pdstop
     
    pdstart
  3. HiRDBの正常開始直後にpdlogls -d sys,及びpdlogatul -d sys -iコマンドを実行します。

    pdlogls -d sys -s dic
     
    HOSTNAME : dbhost1(152953)
    Group    Type Server   Gen No.  Status  Run ID    Block No.         Ex-Status
    logfg01  sys  dic             1 oc-d--u 3a7a6090        1        1  --------
    logfg02  sys  dic             5 os----u 3a765d6d       85       99  --------
    logfg03  sys  dic             2 os----u 3a765d6d      100      109  --------
    logfg04  sys  dic             3 os----u 3a765d6d      110      121  --------
    logfg05  sys  dic             3 os----u 3a765d6d      122      130  --------
    pdlogatul -d sys -s dic -i
     
    HOSTNAME : dbhost1(152953)
    SERVER_NAME:dic
    AUTO_LOG_UNLOAD  NOW_UNLOAD_LOG_GROUP  CREATE_DIR
             ACTIVE                  ****  /unload_dir
    CURRENT LOG GENERATION INFO.
    LOG_GROUP GEN_NO.  SERVER_RUN_ID RUN_ID   UNLOAD_FILE_NAME
    logfg01           1 3a7a60ae      3a7a6090 dic_3a7a60ae0007_logfg01

    上記の結果から,現用のシステムログファイルの次の情報を記録します(下線部分)。

    • サーバ名:dic

    • ファイルグループ名:logfg01

    • サーバランID:3a7a60ae

    • 世代番号:1

    なお,ここで確認するのはサーバランID(SERVER_RUN_ID)です。ランID(RUN_ID)と間違えないように注意してください。