ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
ここでは,HiRDBに関する準備方法について説明します。
現用系と予備系(正規BESと代替BES)で共有する外付けハードディスクが必要です。このハードディスクを共有ディスク装置といいます。
共有ディスクの割り当てを次の図に示します。
図26-71 共有ディスクの割り当て
共有ディスク装置には次に示すHiRDBファイルシステム領域を作成します。
系切り替え機能を使用する場合,系の切り替え元と切り替え先の両方から同時に共有ディスクにアクセスが行われると,データベースが壊れる可能性があります。そのため,両方の系から共有ディスクをアクセスできないように制御を行う必要があります。共有ディスクのアクセス制御は,クラスタソフトウェアが行うか,又はHiRDBが行います。
なお,通常は,「クラスタソフトウェアによる共有ディスクのアクセス制御」の方法で共有ディスクのアクセス制御を行います。「HiRDBによる共有ディスクのアクセス制御」の方法は,HAモニタ 01-08以降が前提条件になります。
図26-72 クラスタソフトウェアによる共有ディスクのアクセス制御
図26-73 HiRDBによる共有ディスクのアクセス制御
正規BESユニットのユニット制御情報定義ファイル及びバックエンドサーバ定義ファイルを代替BESユニットにコピーします。そのとき,ユニット制御情報定義ファイルの名称を次に示すように変更してください。
pdutsys.正規BESユニットのユニット識別子
この定義ファイルに指定したオペランドのうち,代替中に設定値が有効になるオペランドを次に示します。次に示すオペランド以外は代替BESユニットのユニット制御情報定義ファイルに設定したオペランドの値が有効になります。
スタンバイレス型系切り替え機能使用時のHiRDBシステム定義ファイルの構成例(相互代替構成の場合)を次の図に示します。
図26-74 スタンバイレス型系切り替え機能使用時のHiRDBシステム定義ファイルの構成例(相互代替構成の場合)
ここでは,1:1スタンバイレス型系切り替えを使用した場合に設定するHiRDBシステム定義のオペランドについて説明します。関連するオペランドを次の表に示します。
表26-17 1:1スタンバイレス型系切り替えの場合に設定するHiRDBシステム定義のオペランド
| オペランド名 | 説明及び注意事項 | |
|---|---|---|
| pd_ha | 系切り替え機能を使用する場合に指定します。 | |
| pd_ha_unit | ユニットに系切り替え機能を適用している場合は指定しないでください。 システム内で系切り替え機能を適用しないユニットがある場合,又はシステム内に回復不要FESユニットがある場合は,そのユニットのユニット制御情報定義のpd_ha_unitオペランドにnouseを指定します。 |
|
| pd_ha_acttype | 系切り替え機能をモニタモードで運用するか,サーバモードで運用するかを指定します。 monitor:系切り替え機能をモニタモードで運用します。 server:系切り替え機能をサーバモードで運用します。 サーバモードを使用する場合は,serverを指定してください。 |
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| pd_ha_agent | 1:1スタンバイレス型系切り替え機能を使用する場合は,serverを指定します。 | |
| pd_ha_transaction pd_ha_trn_queuing_wait_time pd_ha_trn_restart_retry_time |
|
|
| pd_ha_switch_timeout | このオペランドはサーバモードの場合に指定できます。モニタモードの場合にこのオペランドを指定しても無効になります。 系切り替え時のユニットの内部停止処理がサーバ障害監視時間を超えた場合に,HiRDBの内部停止処理を待たないで系を切り替えるかどうかを指定します。ここでいうサーバ障害監視時間とは,HAモニタ又はHitachi HA Toolkit Extensionのpatrolオペランドに指定した時間のことです。 HAモニタのpatrolオペランドについては,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」を参照してください。Hitachi HA Toolkit Extensionのpatrolオペランドについては,マニュアル「Hitachi HA Toolkit」を参照してください。 Y:系切り替え時のHiRDBの内部停止処理がサーバ障害監視時間を超えた場合,HiRDBの内部停止処理を待たないで系を切り替えます。このとき,HiRDBのスローダウンとして系を切り替えます。 N:系切り替え時のHiRDBの内部停止処理が終わるまで系を切り替えません。 |
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| pd_ha_prc_cleanup_check | サーバプロセスが終了するまで系の切り替え処理を待ち合わせるかどうかを指定します。詳細については,「26.4.3(2)(b)共有ディスクのアクセス制御」を参照してください。 | |
| pd_mode_conf | HiRDB(ユニット)の開始方法に関するオペランドです。指定値の目安を次に示します。 サーバモードの場合は次のように指定してください。
|
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| pd_hostname | ユニットの標準ホスト名を指定します(系切り替え機能を使用しない場合と同じです)。 | |
| pdunit | -x | ユニットのホスト名を指定します(系切り替え機能を使用しない場合と同じです)。 |
| -u | ユニット識別子を指定します。 | |
| -d | HiRDB運用ディレクトリ名を指定します。正規BESユニットと代替BESユニットで同じディレクトリ名を指定してください。 | |
| -p | HiRDBのポート番号を指定します。正規BESユニットと代替BESユニットのポート番号※1は同じ番号を指定してください。 | |
| -s | スケジューラのポート番号を指定します。正規BESユニットと代替BESユニットのポート番号※2は同じ番号を指定してください。 | |
| -t | トランザクションサーバのポート番号を指定します。正規BESユニットと代替BESユニットのポート番号※3は同じ番号を指定してください。 | |
| pdstart | -c | 代替BES名を指定します。 |
| pdbuffer | -c | 代替中に代替部が使用するグローバルバッファを割り当てる場合にこのオプションを指定します。「26.4.3(5)グローバルバッファの定義(1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合)」を参照してください。 |
| pd_service_port | 同一サーバマシン内複数ユニット構成の場合(相互系切り替え構成を含みます)にこのオペランドを指定するときは注意が必要です。同一サーバマシン内複数ユニット構成の場合(相互系切り替え構成を含みます),このオペランドはユニット制御情報定義でユニットごとに別々のポート番号を指定してください。 次に示す指定をした場合は,どちらかのユニットへの系の切り替えに失敗します。
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| pd_ha_mgr_rerun | このオペランドにnotwaitを指定すると,システムマネジャユニットの系切り替え時(切り替え先の系での開始処理時)に,各ユニットからの開始処理完了の連絡待ちを行いません。これによって,停止中のユニットがある状態でもシステムマネジャユニットの系切り替えが実行できるようになります。 運用方法の詳細については,「26.7.9 システムマネジャユニットの系切り替えに関する注意事項」を参照してください。 |
|
| pd_max_ard_process | 正規BESとそれに対応する代替BESに同じ値を指定してください。 | |
1:1スタンバイレス型系切り替えでの系切り替え後の代替BESユニットでは,代替BESが本来の処理をするとともに,正規BESの処理を代行します。このとき,サーバプロセスは代替BES本来の処理用と正規BESの処理用に割り当てられます。代替BES本来の処理をしているサーバプロセスと正規BESの処理を代行しているサーバプロセスの数は必要に応じて変化しますが,代替BESの最大起動プロセス数(pd_max_bes_processオペランドの値)が両者の合計プロセス数の上限となります。この結果,系切り替え発生後の代替BESユニットでの過剰な負荷上昇を抑止できますが,一方で,系切り替え発生後には同時に処理できるサービス要求数の上限が平均で半数に制限されますので注意が必要です。系切り替え発生後のユニットの負荷上昇,及び同時に処理できるサービス要求数の両方を考慮して代替BESのpd_max_bes_processオペランドを設定してください。
また,系切り替え発生前の状態で常駐プロセス数(pd_process_countオペランドの値)に余裕があり,サービス要求処理中でないサーバプロセスが常駐している状態では,系切り替え発生後にサービス要求処理中でない常駐プロセスを正規BESの処理を代行するために利用できます。このため,切り替え時の処理性能が向上します。
1:1スタンバイレス型系切り替えでの系切り替え発生後のサーバプロセスの割り当て(その1)を次の図に示します。
図26-75 1:1スタンバイレス型系切り替えでの系切り替え発生後のサーバプロセスの割り当て(その1)
系切り替え発生前は代替BES(bes1)のpd_max_bes_processオペランドの値まで同時に処理できます。また,代替BES(bes1)のpd_process_countオペランドの値までサーバプロセスを常駐します。
系切り替えが発生すると代替BES(bes1)の常駐プロセスを使って,正規BES(bes2)の処理を開始します。このため,正規BES(bes2)処理用のサーバプロセス起動が必要なく,切り替え後すぐに正規BES(bes2)の処理が開始します。また,系切り替え前に正規BES(bes2)処理用のサーバプロセスを待機起動する必要もありません。
また,常駐プロセスを使い切った場合は必要に応じてサーバプロセスを追加起動しますが,サーバプロセス数は代替BES(bes1)のpd_max_bes_processオペランドの値までに制限されます。
1:1スタンバイレス型系切り替えでの系切り替え発生後のサーバプロセスの割り当て(その2)を次の図に示します。
図26-76 1:1スタンバイレス型系切り替えでの系切り替え発生後のサーバプロセスの割り当て(その2)
系切り替え後,代替BES(bes1)が正規BES(bes2)の処理を代行中には,代替BESのpd_max_bes_processオペランドの範囲で,必要に応じて起動したサーバプロセスを代替BES(bes1)の処理,及び正規BES(bes2)処理用に振り分けます。
代替BES(bes1)への処理要求だけの場合には,代替BES(bes1)のpd_max_bes_processオペランドの値まで,同時に代替BES(bes1)の処理ができます。
また,正規BES(bes2)への処理要求だけの場合には,代替BES(bes1)のpd_max_bes_processオペランドの値まで,同時に正規BES(bes2)の処理ができます。
共有ディスクに作成したRDエリア用のHiRDBファイルシステム領域にRDエリアを定義します。ユーザ用RDエリアとシステム用RDエリアをそれぞれ異なる共有ディスクのHiRDBファイルシステム領域に作成するときの定義例を次に示すシステム構成例を基に説明します。
図26-77 HiRDB/シングルサーバのシステム構成例
●create rdarea文の指定例
create rdarea SMAST for masterdirectory 1 file name "/sds0111/srd01" initial 10 segments; create rdarea SDIR for datadirectory 2 file name "/sds0112/srd02" initial 5 segments; create rdarea SDIC for datadictionary 3 file name "/sds0113/srd03" initial 20 segments; create rdarea SUSR01 for user used by PUBLIC 4 file name "/sds0121/srd04" initial 500 segments; create rdarea SUSR02 for user used by PUBLIC 5 file name "/sds0131/srd05" initial 500 segments; |
図26-78 HiRDB/パラレルサーバのシステム構成例
●create rdarea文の指定例
create rdarea PMAST for masterdirectory 1
server name DIC file name "/dic0111/prd01"
initial 10 segments;
create rdarea PDIR for datadirectory 2
server name DIC file name "/dic0112/prd02"
initial 5 segments;
create rdarea PDIC for datadictionary 3
server name DIC file name "/dic0113/prd03"
initial 20 segments;
create rdarea PUSR01 for user used by PUBLIC 4
server name BACK01 file name "/back0121/prd04"
initial 500 segments;
create rdarea PUSR02 for user used by PUBLIC 5
server name BACK02 file name "/back0231/prd05"
initial 500 segments;
|
正規BES下のRDエリアが使用するグローバルバッファを定義するとき,pdbufferオペランドに-cオプションを指定してください。-cオプションを指定すると,代替中に代替部が使用するグローバルバッファを確保できます。
なお,pdbufferオペランドの-c及び-oオプションの両方を省略した場合は,代替BESユニットを開始できません。
代替中のデータ用グローバルバッファの割り当て方式を説明します。次に示すシステム構成を例にします。
●システム構成例1
pdbuffer -a gbuf01 -r RDAREA01,RDAREA02 -n 1000 -c pdbuffer -a gbuf02 -r RDAREA03,RDAREA04 -n 1000 |
●システム構成例2
pdbuffer -a gbuf01 -r RDAREA01,RDAREA02,RDAREA03,RDAREA04 -n 1000 -c |
代替中のインデクス用グローバルバッファの割り当て方式を説明します。次に示すシステム構成を例にします。
●システム構成例
pdbuffer -a gbuf01 -i USER01.INDX01 -n 1000 -c |
●システム構成例
pdbuffer -a gbuf02 -i USER01.INDX02 -n 1000 -c |
代替中のLOB用グローバルバッファの割り当て方式はデータ用グローバルバッファと同じです。ただし,-cオプションを省略した場合は,グローバルバッファを使用しないで直接RDエリアに対して読み込み及び書き込みをします。
代替BES下の-oオプションのグローバルバッファを代替中は正規BES下のRDエリアも使用します。グローバルバッファのバッファサイズは正規BES及び代替BES下のRDエリアの最大ページ長になります。
基本的には,正規BES下のRDエリア,インデクス,及びLOB用RDエリアが使用するグローバルバッファに-cオプションを指定してください。
監査証跡ファイルはHiRDB管理者が共有ディスクに作成します。HiRDB管理者,及び監査人は,共有ディスク上の監査証跡ファイルを運用してください。
監査証跡ファイルは,HiRDB管理者が共有ディスクに作成します。
系切り替えが発生した場合,HiRDBは共有ディスク上の監査証跡ファイルに監査事象を記録します。監査事象の記録に関する監査証跡ファイルの運用については,「24.6 監査証跡ファイルの運用」を参照してください。
系切り替えが発生した場合,監査証跡取得状態の引き継ぎについては,切り替え元ユニットの停止状態に依存します。切り替え先の系が再開始の場合は系を切り替える前の状態を引き継ぎます。切り替え先の系が正常開始の場合はpd_auditオペランドの指定に従います。
HiRDB管理者は,監査証跡ファイルを入力情報として,pdloadを実行してください(認証は監査人)。ただし,障害などで系が切り替わった場合,HiRDBは切り替わる直前の監査事象を正しく取得しません。このため,pdloadを実行しても切り替え直前のデータを取得できない場合があります。
系切り替え構成でNetBackup連携機能を使用する場合で,バックアップを取得したNetBackupクライアントとは別のNetBackupクライアントで回復を行うときは,次の環境設定と運用が必要です。ただし,この環境設定と運用は,JP1/VERITAS NetBackup 5.0以降を使用している場合にだけ適用してください。
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