3.11.1 系切り替え機能を使用する場合の設定項目
系切り替え機能を使用する場合,システム構成ツリービューで[システム共通定義]を選択した状態で,メニューの[編集]−[編集]−[系切り替え機能の設定]を選択します。[系切り替え機能の設定]ダイアログボックスが表示されるので,HiRDBシステム定義の系切り替え機能に関するオペランドを設定します。
簡易セットアップツールでは次の作業ができます。
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HiRDBシステム定義の系切り替え機能に関するオペランドの設定
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共有ディスクへのHiRDBファイルシステム領域の作成
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HiRDBシステム定義ファイルの予備系への配布
簡易セットアップツールでの系切り替え機能の設定可否を次に示します。
系切り換え機能 |
設定可否 |
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スタンバイ型系切り替え |
ユーザサーバホットスタンバイ |
○ |
高速系切り替え機能 |
○ |
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スタンバイレス型系切り替え |
1:1スタンバイレス型系切り替え機能 |
× |
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能 |
× |
系切り替え機能の詳細については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。
(1) [系切り替え機能の設定]ダイアログボックスで指定する項目
[系切り替え機能の設定]ダイアログボックスで指定する項目について説明します。
項目名 |
説明 |
注意事項 |
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系切り替え機能を使用する |
系切り替え機能を使用するかどうかを指定します。系切り替え機能を使用する場合はチェックします。また,系切り替え機能を使用する場合は,各ユニット制御情報定義(pdutsys)のpd_hostnameオペランドに現用系の標準ホスト名(マシン情報のホスト名)が自動的に設定されます。 |
定義更新時は選択できません。 |
IPアドレスを引き継ぐ |
系切り替え時にIPアドレスを引き継ぐかどうかを指定します。IPアドレスを引き継ぐ場合はチェックします。 |
この項目をチェックすると,次のチェックボックスは選択できません。
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HiRDB(パラレルサーバの場合はユニット)の開始方法 |
HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)の開始方法を指定します。ここで指定した方法で全ユニットが開始します。 |
[モニタモードの系切り替え]を指定した場合,次のチェックボックスは選択できません。
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ユーザサーバホットスタンバイを使用する |
ユーザサーバホットスタンバイを使用するかどうかを指定します。使用する場合はチェックします。チェックすると,全ユニットに対してユーザサーバホットスタンバイを使用します。 |
次のように指定していない場合,この項目は選択できません。
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高速系切り替え機能を使用する |
高速系切り替え機能を使用するかどうかを指定します。使用する場合はチェックします。チェックすると,全ユニットに対して高速系切り替え機能を使用します。 |
次のように指定していない場合,この項目は選択できません。
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[系切り替え機能の設定]ダイアログボックスの[ユニット一覧]には,各ユニットの系切り替えに関する情報が表示されます。[ユニット一覧]でユニットを選択して,[ユニットの系切り替え機能の設定]をクリックすると,[ユニットの系切り替え機能の設定]ダイアログボックスが表示されます。[ユニット一覧]に選択項目がない場合は選択できません。
このダイアログボックスで,現用系のホスト名,予備系のホスト名,ポート番号などを指定します。指定する項目について説明します。
項目名 |
説明 |
注意事項 |
---|---|---|
現用系のホスト名 |
現用系のホスト名を1〜32文字で指定します。IPアドレスを引き継ぐ場合は仮想ネットワーク名(現用系,予備系の両方で共通のホスト名)を指定します。[ホスト名選択]をクリックすると,[hostsファイルからホスト名を選択]ダイアログボックスが表示され,ホスト名を選択できます。 |
− |
予備系のホスト名 |
予備系のホスト名を1〜32文字で指定します。予備系ホストへのシステム定義ファイルのコピー先となるので必ず指定してください。[ホスト名選択]をクリックすると,[hostsファイルからホスト名を選択]ダイアログボックスが表示され,ホスト名を選択できます。 |
− |
ポート番号 |
各ユニットのポート番号を指定します。 |
HiRDB/シングルサーバの場合は指定できません。 |
ユーザサーバホットスタンバイを使用する |
ユーザサーバホットスタンバイを使用するかどうかを指定します。使用する場合はチェックします。ユーザサーバホットスタンバイを使用する場合,そのユニットはIPアドレスを引き継がない指定になります。ユーザサーバホットスタンバイを使用しない場合,IPアドレスを引き継ぐかどうかは,[系切り替え機能の設定]ダイアログボックスの[IPアドレスを引き継ぐ]の指定に依存します。 |
モニタモードの場合は選択できません。 |
高速系切り替え機能を使用する |
高速系切り替え機能を使用するかどうかを指定します。使用する場合はチェックします。高速系切り替え機能を使用する場合,そのユニットはIPアドレスを引き継がない指定となります。高速切り替え機能を使用しない場合,IPアドレスを引き継ぐかどうかは,[系切り替え機能の設定]ダイアログボックスの[IPアドレスを引き継ぐ]の指定に依存します。 |
モニタモードの場合,及びHiRDBが06-02-/Eより前のバージョンの場合は選択できません。 |
(凡例)−:該当しません。
(2) 系切り替え機能を使用する場合の注意事項
簡易セットアップツールで系切り替えの設定をする場合の注意事項を次に示します。
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簡易セットアップツールは現用系マシンで実行してください。
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共有ディスクにHiRDBファイルシステム領域を作成する場合,[HiRDBファイルシステム領域編集]ダイアログボックスで,作成先のパスを共有ディスク上のパスに変更してください。なお,系切り替え機能使用時は次の制限があるので,確認してください。
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pdfmkfsコマンドの-kオプションにはSVRを指定しない
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pdfmkfsコマンドの-iオプションは指定する
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簡易セットアップツールは,セットアップ実行時及びHiRDBシステム定義更新時に,自動的に予備系へシステム定義ファイルを配布します。このため,次のようにしてください。
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現用系及び予備系にHiRDBをインストールし,pdsetupコマンドでセットアップする
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予備系へのシステム定義の配布にリモートシェルを使用するため,現用系及び予備系でリモートシェル実行環境の設定をする
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系切り替え機能を使用する場合,セットアップが完了してもHiRDBを開始しません。手動で開始してください。このとき,HiRDBはpdstartコマンド実行後に初期設定終了待ち状態になるため,この状態でデータベース初期設定ユティリティ(pdinit)を実行する必要があります。データベース初期設定ユティリティに指定する制御文ファイル名には簡易セットアップツールが作成したファイル($PDCONFPATH/mkinit)を指定します。データベース初期設定ユティリティについては,マニュアル「HiRDB Version 9 コマンドリファレンス」を参照してください。
また,系切り替え機能を使用する場合,サンプルデータベースは自動的に作成されません。サンプルデータベースが必要なときはHiRDB開始後にサンプルデータベース作成用のバッチファイルを実行してください。サンプルデータベース作成用のバッチファイルについては,「サンプルデータベース関連ファイル」を参照してください。
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系切り替え機能を使用する場合,システム共通定義(pdsys)のpd_mode_confオペランドがAUTOのときは,自動的にMANUAL2に変更されるので注意してください。
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HiRDBファイルシステム領域の作成先となる共有ディスク(物理ディスク)は,現用系及び予備系からアクセスできるように設定しておいてください。